生瀬勝久が10年近く連ドラに出続けるワケ 高慢&卑怯でも悪人に見えない“小市民性”

Business Journal / 2014年8月12日 17時0分

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 主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組やテレビの“楽しみ方”をお伝えします。

 ここ10年近く、連続テレビドラマにずーっと出ずっぱり。なぜこの人が「日本メガネベストドレッサー賞」に選ばれないのか不思議なくらい、メガネと一体化したキャラクターでもある。時にいいかげん、時に嫌味。メガネキャラの多様性をここまで表現しているのに。だいたいベストドレッサー賞とつくものはほぼデキレースで、眉唾モノなんだけどさ。

 ということで、今回のテーマは俳優・生瀬勝久である。今期の連ドラで、実は2作品に出演。どっちのナマセがお好みか、問うてみたいところでもある(個人的には同じ役者が同時期に出るのは、あまりよろしくないと思うのだが)。

 ひとつは『ゼロの真実~監察医・松本真央』(テレビ朝日系)。武井咲主演の監察医モノで、ナマセは東大出身の部長監察医の役。コメディ要素に必須の権威主義者だが、実に矮小&チンケな存在で、群を抜いてゲスい。劇中で頻繁につるむ共演陣は、六角精児に尾美としのり、でんでんと手練れ揃いだが、ナマセの小物感はダントツである。無愛想&無礼な武井にガン無視され、プライドが超高層な真矢みきからは足蹴にされる。それでもめげずに、部下に対しては威張り散らすという憐憫を誘う男でもある。「ナマセはこうでなくっちゃ!」と首肯する人が多そうな、納得のいくキャラクターだ。もちろんやりすぎな感も否めない。普通、エリートはエリートであることを鼻にかけても口にはしない。じわじわと肌で感じさせる陰湿なやり口のほうがリアルエリートなのに、ナマセはエリート意識を公言してやまない。完全なるコメディアンでもある。

 もうひとつは『東京スカーレット』(TBS系)。ドラマにありがちな、特別に編成された部署「警視長捜査一課NS係」が舞台の刑事モノ。ナマセは後ろ暗い部分もある一匹狼の刑事役(今回はノーメガネ)で、常に単独行動。主人公の水川あさみにキーキー言われながらも、無頼派気取りで集団行動を拒む役だ。といっても、なんだか非常に中途半端なのである。

 そういえば、ここ最近のナマセはシリアスな役も数多くこなしている。『MOZU』(TBS系)や『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)などで鼻息荒く挑んでいたことが記憶に新しい。ところが、この『東京スカーレット』がそもそも中途半端な設定で、部署もキャラも物語も、すべてが中途半端。キムラ緑子のヅラも中途半端だし、近藤公園の真面目っぷりも、水川あさみの女子っぽさもすべてがとにかく中途半端。1本の原稿の中で、これだけ「中途半端」を連発するのは久しぶりである。

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