タイムシフト視聴率導入の衝撃 テレビはどう変わる?良質な番組が救われる期待も

Business Journal / 2014年9月8日 1時0分

(1)LIVE:リアルタイム番組視聴率
(2)P3:リアルタイム番組視聴率+3日目までのタイムシフト番組視聴率
(3)C3:リアルタイムでのCM時間の視聴率+3日目までのタイムシフト視聴によるCM時間の視聴率

 番組編成の指標としてはP3を、営業の指標としてはC3を使用している。ちなみに、今回のビデオリサーチのタイムシフト視聴率調査では、米国流の3日間ではなく、7日以内の再生率を測定していた。

●タイムシフト視聴率への期待


 3月31日から3カ月間に放送された番組で、公表されたタイムシフト視聴率の上位に並んだのは、『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS系)や『続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)などドラマが多かった。

 連続ドラマは見逃すと続きがわからなくなるため、録画する視聴者が多いといわれていた。この結果はある意味、予想どおりだ。当然、タイムシフト視聴率はドラマに力を入れている局にプラスに働く傾向にある。

 リアルタイムもタイムシフトも、見てくれた人の数だけを測るものであり、あくまでも放送ビジネスのための数字だ。番組の内容や質や影響を示してくれるわけではない。とはいえ、場合によっては、中身は良質で意義もあるが視聴率は振るわないといった番組が、タイムシフト視聴率で救われる事例が出てくるかもしれない。リアルタイム視聴率という、たった1つの指標だけで番組の価値や生殺与奪が決められがちな状態が、少しでも改善されることを期待したい。
(文=碓井広義/上智大学教授)

●碓井広義(うすい・ひろよし)
上智大学文学部新聞学科教授。1955年、長野県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年、テレビマンユニオンに参加し、20年にわたってドキュメンタリーやドラマの制作を行う。慶應義塾大学助教授、東京工科大学教授などを経て2010年より現職。専門はメディア論。放送を中心に、メディアと社会の関係を考察している。北海道新聞、日刊ゲンダイ、月刊民放などに放送時評を連載中。著書に「テレビの教科書」ほか。民放連賞特別表彰部門「放送と公共性」審査員。放送批評懇談会理事。

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