F1の巨大な経済効果?国際ビジネスの拠点&世界を招く入口に利用、産業活性化に期待

Business Journal / 2014年10月17日 1時0分

 
 そんなモータースポーツに対する日本における理解は、二極化してしまっている。ひとつは古くから根強くある「危険だから、そもそも認めたくない」という感情的な不要論。もうひとつは、極めて日本人らしいスポーツ観による生真面目な必要論だ。だから、ひとたびF1人気が凋落すると、危険論者の安堵はともかくも、盛りたてる側の必要論者までもが、「日本のメーカーがF1への参入や撤退を繰り返すので、文化も根付かないし、日本人ドライバーを育てようという気もない」と見当違いの批判を始めてしまう。要するに、今のF1が昔のようにブームにならないのは、国産マシンがなく、日本人ドライバーが少ないからだという理屈だ。

 しかし、そんな生真面目なスポーツ観が蔓延した結果、ファンのみならず自動車メーカーを含めた企業側も、「グローバルビジネスの拠点である」という現代F1興行の本質をあっさりと見逃してしまい、日本におけるF1ビジネスの活路を自ら阻害しているのではないだろうか。

 そのことを身にしみて感じたのが、今回の日本GPの2週間前に開催されたシンガポールGPを現地で観戦したときだった。ちなみにシンガポールにはF1マシンを生産するような大手自動車メーカーもなければ、国民的ヒーロードライバーもいない。純粋にF1を国家の威信を賭けたエンターテインメントとして、さらには金融を核とした「アジア&グローバルビジネスの拠点」という国家イメージのシンボルとして育て上げたのだ。初開催が08年のことだったから、たった数年で、世界最高のホスピタリティとビジネスチャンスのあるGPとして、認知されるに至った。

 印象的だったのは、世界中のVIPが集まる場所として機能していたことだ。F1に関わる企業のトップマネジメントだけじゃない。アジアの金融関係者、中東のオイルマネー王族、欧州の建設コンツェルングループ代表、アメリカの飛行機産業や食品産業のトップなどが集結し、パドックのメイン通りではそこかしこで“トップ外交”が繰り広げられていた。筆者が出会った数人のVIPは異口同音に、「レースを観ているヒマなんか実はないんだ」と語っていた。

 もちろん、ひとたびパドックの外に出てみれば、観客たちがレース展開に熱狂している様子がパノラマのように広がっていた。便利な市街地GPゆえに、多くの人が集まり、スリリングなレース展開に大熱狂しているのだ。その裏で、ひそかに、そして着々と数々のビッグビジネスが端緒を開いているのだ。

●巨大な経済効果

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