エボラ出血熱、日本に思わぬ影響?対策関連銘柄上昇、富士フイルムは先進製薬企業へ

Business Journal / 2014年11月5日 6時0分

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 富士フイルム(中嶋成博社長)は西アフリカを中心に広がっているエボラ出血熱患者への本格的投与に備え、グループ会社、富山化学工業(非上場、菅田益司社長)が開発した抗インフルエンザ薬「アビガン錠」(一般名ファビピラビル)を11月中旬から追加生産する。11月にギニア政府とフランス政府が実施する臨床試験でエボラ出血熱に対する効果が確認できれば、海外からアビガンを提供してほしいという要請が増えるとみて追加生産に踏み切る。現在2万人分の錠剤の在庫があるが、製剤前の原薬は30万人分を保有しており、「感染が拡大しても、十分な量を供給できる」としている。

 アビガン錠は富山大学医学部の白木公康教授と富山化学が共同開発し2014年3月、インフルエンザ治療薬として国内で承認を受けた。今年夏からインフルエンザウイルスと構造が似ているエボラ出血熱ウイルスに、この薬が有効ではないかと注目された。エボラ出血熱の治療薬としては未承認だが、ウイルスの増殖を防ぐ作用があり、エボラ出血熱にも効果があると期待されている。

 これまでにフランスとドイツ、スペイン、ノルウェーの4カ国で、承認前の緊急措置として4人のエボラ出血熱患者にアビガンが投与され、フランスとスペインで患者の症状が改善したと報告された。イギリスとドイツでは、エボラ出血熱に感染させたマウスにアビガンを投与すると、ウイルスが減少したという動物実験の結果が論文で発表されている。

 西アフリカで発生したエボラ出血熱の感染者は、世界で急速に拡大している。世界保健機関(WHO)の発表では感染者数は1万3000人を超え、死者の数は5000人を突破した。WHOは12月初旬までに、1週間あたりの新規感染者数が5000人から1万人に増える可能性があると指摘している。

 厚生労働省はエボラ出血熱の患者が国内で発生した場合の治療方法などを検討する初めての専門家会議を開き、患者に対して未承認薬の使用を容認する方針で一致した。塩崎恭久厚労相は10月28日、エボラ出血熱の国内対策としてアビガン錠を2万人分備蓄していることを明らかにした。

 フランスの病院でエボラ出血熱に感染した女性がアビガンを投与され治癒し、退院したという報道を受けて、富士フイルムの持ち株会社である富士フイルムホールディングス(HD、古森重隆会長兼CEO)の株価は10月7日、3800.0円と2008年以来の高値をつけた。

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