ネット企業の実店舗出店、なぜ加速?相乗効果で集客の間口拡大 オイシックスの事例

Business Journal / 2014年11月6日 6時0分

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 インターネット発の企業がリアル店舗を展開する動きが目立ってきた。日本最大級のネット通販サイト「楽天市場」を運営する楽天の「楽天カフェ」、美容総合サイト「@cosme」を運営するアイスタイルの「@cosme store」などがそうだ。すでにネット事業で成功している企業が、あえてテナント料などのコストをかけてリアル店舗に進出する例も少なくない。

 今やネット通販の拡大により、リアル店舗がその売り上げをネットに奪われやすい構造になっている。特に、取り扱い商品に差が出にくい家電や衣類、CD、書籍などは、店頭では商品を見たり試すだけで、実際に購入するのは割引率が良く安価なネット通販という顧客が増えているからだ。その結果、リアル店舗はショールームと化し、頭を抱える企業も少なくない。

 しかし、リアル店舗にはネット通販にはない多くの魅力がある。例えば、店頭で顧客の購買行動や行動パターンを直に観察できるため、調査結果を取り扱う商品の選定や商品開発などに生かすことができる。一方、消費者にとっては、実際に商品を手に取って試したり、その場でスタッフに質問できるなど、ネットよりも安心感や親しみといったソフト面のメリットを感じやすい。

 特に食品の場合は、色とりどりの野菜を目立つように陳列したり、試食コーナーで食材を調理して、おいしそうな匂いを漂わせるなど、リアルならではの五感を刺激する仕掛けをつくりやすい。

●ネットからリアル店舗へ進出するオイシックス

 食品を扱うネット発企業のなかでもリアル店舗の進出に注力しているのが、有機野菜など生鮮食品のネット通販を展開するオイシックスだ。同社取締役の古府裕雅氏は、リアル店舗に進出する理由について次のように語る。

「ネットで買い物をすることに抵抗がある層は、一定数存在します。ネットではアプローチできないお客様にも間口を広げ、認知度を高めたいという狙いもあります。また、食品の場合は、ネットで買う前のトライアルとして、リアル店舗を利用したい人も多いのです」

 同社は近年、リアル店舗の拡大を進めており、東急グループのスーパーマーケットチェーン、東急ストアの店内でも、ショップインショップ(=同社専用コーナー)10店舗を展開し、顧客との接点を増やしている。

 また今年1月には、同社初の中型店「Oisix CRAZY for VEGGY アトレ吉祥寺店」をオープンさせた。83坪と過去最大規模の同店のコンセプトは、ずばり「体験型」だ。そこには、従来の「有機野菜はこだわりが強い人が買うもの」というイメージを払拭し、「ニッチからマスに広げる」という意図がある。

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