消費再増税延期と年内解散総選挙、“決定的”といえる根拠と理由 野党は大打撃か

Business Journal / 2014年11月12日 6時0分

写真

 衆議院の解散・総選挙をめぐる報道がにわかに過熱している。一部には、早ければ11月17日にも解散するとの見方もある。一方、安倍晋三首相は、解散に関して言及しておらず、日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征会長は「首相は『解散はない』と言明しておられた」と語り、解散を否定した。

 ところで政治は、点と点を結ぶことで見えてくるものがある。そして今、見えてくるのは12月の衆議院解散・総選挙である。

 その最初の「点」は、10月22日の菅義偉官房長官の会見にある。長官は消費税を8%から10%に引き上げる時期について、「GDP7~9月期の速報値(11月17日発表)を見て判断する」と発言した。これまでは12月8日の「改定値」を見て判断すると語っていたが、「速報値」に基づいて判断するならば、3週間前倒しになる。なぜ判断を急ぐ必要があるのだろうか。

 それは、安倍晋三首相が消費再増税の延期を決めた可能性を示唆している。総務省が発表している家計調査では、家計支出が4月の消費増税以降5カ月連続でマイナスになり、他の多くの指標も景気の後退を示していた。4月の消費増税がアベノミクスの勢いをそいでいることは明らかだ。消費増税は、民主党・野田政権時の三党合意で決まったものである。法制化されていたため、増税はそもそも既定路線だった。しかし、増税による経済の腰折れが見えてきた現状では、さらなる増税をすれば安倍首相が目指してきたデフレ脱却も遠のくことになり、政権維持も危うくなる。

 そこで、増税延期を決定し、法改正を急ぐ必要があるのだ。GDPの改定値が出る12月8日に判断を行うと、消費増税関連の法改正が来年の通常国会に持ち越され、安倍政権の念願である集団的自衛権の法制化や原発再稼働の審議にも大きな影響が出てくる。ただでさえ「政治とカネ」で空転し続ける現状をみれば、来年の通常国会でまた新たな火種が出てこないとも限らない。また、衆院解散は国会会期中が一般的であり、現在の臨時会の会期は11月30日までのため、改定値が発表されるのを待ってはいられないのだ。そこで、速報値が出た段階で消費再増税延期を決断し、国会会期中に衆院解散という流れになると予想できる。

 衆院解散・総選挙をする理由は、ほかに3つある。まず、度重なる閣僚のスキャンダルで支持率が低下したため、もう一度内閣を立て直さなければならない状況に追い込まれていること。そして、野党側の再編と選挙準備が整わないうちに選挙戦に持ち込み、自民優位で戦いたいという思惑である。最後にこれが大義名分となると思われるが、消費再増税延期のための法改正を民意に問う、という位置づけである。そもそも自民党は三党合意の消費増税を公約として政権に返り咲いたわけで、もう一度民意を問うという大義名分は筋が通る。自民党サイドから見れば、「安倍政権が増税を延期したこと」が選挙を戦う上で良いアピールになることは言うまでもない。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング