「好き」はバイアスを超える原動力。ミレニアル世代の世界観[MASHING UP]

cafeglobe / 2018年4月17日 10時15分

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2018年2月22〜23日にトランクホテルで開催されたビジネスカンファレンスMASHING UP。Unleash Yourself (自分自身を解き放とう)のテーマの下、多彩なセッションやワークショップが繰り広げられました。カフェグローブはイベントに密着取材、パワフルな現場の様子をレポートします!

デジタルネイティブとも呼ばれるミレニアル世代。1980年代前半から2003年の間に生まれた彼らは、幼いころから携帯、デジカメ、インターネットがあることが大前提。SNSでの発信にも抵抗がなく、今後の社会、消費のあり方をリードする存在であることは間違いありません。

その一方で少し上の世代からすると、「ゆとり世代」という認識に代表されるように、ちょっと計り知れない、欲望の所在がわからない……といったイメージがあることも事実。このセッションではミレニアル世代を代表するキーパーソン2人を岡島悦子さんが迎え、ミレニアル世代の意識やアクションの特徴を語り合いました。

ミレニアル世代の特徴を分析

20180412_mu_4 株式会社プロノバ 岡島悦子さん

モデレーターをつとめたのは、 年間200人の経営者のリーダーシップ開発を手がけ「経営者のかかりつけ医」と呼ばれる岡島悦子さん(株式会社プロノバ 代表取締役社長)。今後の社会はミレニアル世代に引っ張ってもらわないと始まらないと話します。

セッションに登壇したのは、岡島さんとは旧知の濱松誠さん(One JAPAN 共同発起人・代表)、前田裕二さん(SHOWROOM株式会社 代表取締役社長)。パナソニックの社員でありながら、2016年、大企業の同世代で同じ課題意識を持つ有志を集めて「One JAPAN」を設立した濱松さんは、ミレニアル世代の特徴をこう捉えます。

20180412_mu_5 One JAPAN 濱松誠さん

濱松さん「いま副業・兼業というのがバズワードになっていますが、やりたい人はずっといたのに、企業の方針でできないと思い込んでいました。『One JAPAN』は約50社、1200名のメンバーが参加しているので、そのパワーで運動を起こすことができる。SNSですぐに情報が伝わり、集まろうと思えばすぐ集まれる。これはデジタルネイティブだから可能なこと。メンバーと話していると、濃度の差はあれど利他の精神というか、誰かの役に立ちたい、何かに貢献したい、より良くしたいという意識が強いと感じます」

画期的な仮想ライブ空間「SHOWROOM」を生み出し、若手起業家のホープとされる前田裕二さんは、“働く意味”からミレニアル世代の行動原理を分析。

20180416_1 SHOWROOM株式会社 前田裕二さん

前田さん「ミレニアル世代には極めて特徴的な共通点がある。それは、労働の対価として経済報酬よりも、意味報酬について多くの議論が割かれるということ。自分の仕事が社会でどんな意味を果たせるか、やりがいに価値を置いています。利益ってけっこう簡単に作れるけど、利益と大義を両立している企業は少ない。自分はなんのために生きていて、どこに幸せのポイントがあるのか? お金だけ稼いでも幸せじゃない。ウェットな部分をかなり前面に押し出していますよね」

「好き」に気づける能力が必要

ハングリー精神がない「渇けない世代」ともいわれるミレニアル世代。前田さんいわく、衣食住、あらゆるものが満たされたなかで、「自分が存在する意味は何?」という問いを持っている子がすごく多いのだそう。

前田さん「そういう意味では、さっき『意味報酬』という言葉を使いましたが、『好き』ということも大きなテーマになると思っています」

岡島さん「私もミレニアル世代の判断軸は『好き嫌い』だと思う。濱松さんはどう?」

濱松さん「これからはどれだけ『好き』 を仕事にできるかが大きなポイントになってくると思います。会社という組織を意識的に離れる人が増えていく時代に、好きなことがない、好きなことがあってもやってはいけないというバイアス、先入観、固定観念は危険です。堀江貴文さんは、もうずっと『 人は好きなことだけして生きていける』と言っていますよね」

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岡島さんも、この先の10年は会社の壁がもっとゆるくなり、パラレルワークだったり、出入りが自由になったりしていくはずと賛同。MASHING UPのテーマ“Unleash Yourself (自分自身を解き放とう)”を実現するためにも、自分の「好き」と誠実に向き合うこと、「好き」に気づける能力の高さが必要だと、前田さんも応じます。

前田さん「よく『どうやったら好きなことを見つけられますか』って聞かれるけど、そう思ううちは独立すべきじゃない。この世界には『好き』に気づく能力が高い人がいっぱいいる。たとえばキングコングの西野亮廣さんや堀江貴文さんは、“いいじゃん”とか、“面白いね”って言葉を発する回数がふつうの人にくらべて10倍くらいあるんですよ。“最高”って言い過ぎだろと。“最高”のコモディティ化が起きてる(笑)」

「前提を疑う」ことがミレニアル世代の武器

「好き」に続いて登場したキーワードは「前提を疑う」こと。『Unleash Yourself』を実現するためには、前提を疑うことが大切だという前田さんに、それこそがミレニアル世代の武器ではないかと岡島さんは語りかけます。

岡島さん「デジタルでどこにでもつながれるし、情報収集能力が高いからこそ、当たり前だっていうことに対する前提を疑える視点を持っている。大企業を変えるときでも、イノベーションとはバイアスを外すことじゃないですか。この世代はそのトリガーになる世代なんじゃないかと。

だから、『One JAPAN』のようにうまく声が上がる仕組みがいる。『君たちには経験がない』と指摘するおじさんたちに『経験のせいでできなくなっていませんか?』と反論して、もっと発信してほしい」

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お金だけでは動かない「渇けない世代」の強さを発揮して、もっと風穴を開けてほしい……という岡島さんの挑発に応え、突如「ミレニアル世代の自分にできること」を宣言することになった濱松さんと前田さん。

濱松さん「僕がやりたいのは“ブレイク・ザ・バイアス”。そのためには企業のトップに引っ張ってもらうんじゃなく、自分が当事者意識を持ち、小さいことからひとつずつやっていく必要があります。 内省して、動いて、失敗して、恥をかいて、謝って、感謝して。上司からダメだといわれて、また内省して、動いて……この繰り返しをどれだけやれたか、それに尽きる。それは一人じゃできないし、周りやトップを動かす能力も身につけなくてはなりません 」

前田さん「僕は2つ宣言したい。一番は愛情深い経営者になること。組織で起こるすべての問題の根底には、愛情の欠如、信頼の欠如があると思う。それを埋めていくような存在になることで事業の勝率も上がると思います。シンギュラリティが近づいていくなかで、より重要なのは、機能よりも人や、人の心。つまり、何をするかじゃなくて、誰とするか。誰とするかということを考えるときに、好きな人とやりたい、愛し愛される人とじゃないとできないと思うんですよね。

もうひとつは、ビジネスで金メダルを取りたい。日本はスポーツではあんなに金メダルを取っているのに、ここ50年くらい、ビジネスでは誰も取っていない。10年というスパンでいうと、世界一になる。これを宣言したいです」

「好き」と「愛」がバイアスを外すトリガーに

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「好き」や「愛」から始まるビジネスは、ミレニアル世代だからこそ社会にもたらすことができる、新しい価値観なのかもしれません。それは旧来のバイアスを外す、力強いトリガーにもなります。

濱松さん「僕、4か月前に結婚したんですけど(会場拍手)。じつは結婚して、自分にどれだけバイアスがかかっていたのかを実感したんです。愛、尊重、共感、利他……今日挙がってきたキーワードが、結婚や恋愛にはぜんぶある。これからは恋愛が大事ですよ!」

最後は新婚の濱松さんにあてられて、“愛”というビッグワードで盛り上がった熱いセッション。

「いろいろなことを言われているけれど、私はまたミレニアル世代への理解が深まったと思います。愛とか、好きって言葉がたくさん出てきましたよね。『好き』は、バイアスを超える原動力になる。みんな違っていていい、みんな自由でいい──そういう場所を切り開いていく原動力になると思う」という岡島さんの言葉に、会場も大きく頷いていました。

ミレニアル世代の未来は明るい! 次世代ビジネスパーソンの心得

MASHING UP 2018年2月23日@トランクホテル 1F/岡島 悦子(プロノバ)、濱松誠(One JAPAN/パナソニック)、前田裕二(SHOWROOM)

撮影/今村拓馬、取材・文/田邉愛理

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