地域を変える在宅医療の広がり

けあZine / 2014年12月5日 7時0分

在宅医療はかつて「第二の医療」と言われたが、担い手である地域の医師たちの意識も大きく変わり、今後医療の主流となるといっても過言ではないだろう。慢性疾患の患者を支える医療のみならず、これからは「看取り」の機会もどんどん増え、看取り体制の充実も大きな関心事であり、課題となっている。

地域の医師たちは変わってきている

 地域の地域の医師たちは確かに変わりつつある。11月23日名古屋市の名古屋大学で開催された「第10回全国在宅医療推進フォーラム」で改めてそれを実感した。

 国立長寿医療研究センターと在宅医療助成勇美財団が共催する同フォーラムは、在宅医療に取り組む医師、看護師ら専門職が集う。年々参加者が増え、今年は1,000人を超えた。午前の部での、恒例の全国のブロックごとの代表による1年間の活動報告で、しばしば強調されたのが「在宅医療だけでは、地域で在宅に暮らす高齢者を支え続けることはできない」という点だった。

 介護の充実、多職種の連携や地域住民の支えがあってこそ、高齢者は在宅で安心して生活ができる。家庭医養成の研修だけでなく、在宅医療ネットワークづくりの取り組み(東北ブロック)、多職種で支える地域包括ケア(四国)、多職種で支える在宅医療(東京)、訪問看護ステーションとの協働(北関東ブロック)、独居生活者を現場で支えるための多職種や地域包括支援センターや弁護士との連携と協働(神奈川県)といった取り組みはそれを具体化したものであり、各地の多職種や住民との協働、連携が年々進みつつあることがうかがえる。

看取りの取り組みも関心の深いテーマに

 さらにほとんどのブロックで共通していたのは、「看取り」の取り組みである。

 「どのような最期を迎えるのか」(甲信越ブロック)、「がんになっても最後まで家で過ごすために−在宅ホスピスのすすめ」(北海道ブロック)、「在宅緩和ケアで朗らかに生きよう」(東海北陸ブロック)といったテーマで、シンポジウムや研修会を開催してきたという。

 高齢者、とくに後期高齢者が増え続けるに伴い、年間死亡者も現在の110万人から2025年には160万人に増える。急性期や亜急性期以外の病床数も大幅に削減される見通しで、否応なく在宅で最後を迎える高齢者も急増する。病院よりもたたみの上で最後を迎えたいという人たちが多いだけに、課題は在宅で安心して最期を迎えることができるための条件が整備されるかどうか、である。

専門性の高い緩和ケアを行う医師・看護師のチームはまだ不足している

 今回のフォーラムで「在宅での看取り」が共通したテーマとなったのは、在宅医療に取り組む医師、関連職種の関心がようやくその点に向けられるようになったことを示すものではあるが、地域の実情をみると、いま進められようとしている地域包括ケアの対象は主に慢性疾患を抱える要介護・要支援の高齢者であり、専門性の高い緩和ケアを担う医師と看護師を中心とした24時間対応できる緩和ケアチームの取り組みが、日本ではまだまだ不十分であろう。

けあZine

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