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熱田神宮前の再開発に密着 名鉄神宮前駅のそばに新しい商業施設 熱田エリアが抱える大きな課題も【大石が聞く】

CBCテレビ / 2024年6月27日 6時2分

CBC

ことし9月、名古屋の名鉄神宮前駅のそばに、新しい商業施設がオープンします。
その内部をどこよりも早く取材しました。同時に、熱田エリアが抱える大きな課題にも迫ります。

(大石邦彦アンカーマン)
「ここですね」

「熱田」が変わる!

「たくさんの方に熱田エリアに訪れてほしい」

“期待”の一方…

「いまちょうど向こう側、名鉄電車が走っている」

“負の遺産”も。

「ゴーストタウンだ」

年間700万人が訪れ、伊勢神宮と並ぶ全国屈指のパワースポット「熱田神宮」。
その門前町の変わりゆく今を独占取材です!

9月に開業予定の新たな商業施設…コンセプトは“長屋”

【名古屋・熱田区 5月23日】
通りを挟んだ名鉄・神宮前駅の横で着々と工事が進むこの施設。

(大石アンカーマン)
「まずパッと見て思ったのが、洋ではなくて和のテイストなんですね」

(名古屋鉄道 まちづくり推進部 後藤俊幸 課長)
「日本ならではの地域とのつながりを大切にする『長屋』のようなものを表現」

ことし9月に開業予定の新たな商業施設、その名も「あつたnagAya」。

(大石アンカーマン)
「なんでAが大文字なんですか?」

(名古屋鉄道 まちづくり推進部 後藤俊幸 課長)
「なぜAにしているかというと、特徴的な屋根の形状、よく見ていただくとAのような形だと」

かつてスーパーマーケットなどが入っていた駅ビル跡地には、3つの建物にあわせて15店舗ほどが入ります。

(大石アンカーマン)
「具体的にどんなお店が入ります?」

(名古屋鉄道 まちづくり推進部 後藤俊幸 課長)
「長く地域に愛されている店、食べ歩きを楽しめる地域食材を使った店」

(大石アンカーマン)
「なごやめし…入りますか?」

(名古屋鉄道 まちづくり推進部 後藤俊幸 課長)
「地域の…そうですね」

(大石アンカーマン)
「手羽先…」

(名古屋鉄道 まちづくり推進部 後藤俊幸 課長)
「手羽先…まだ何とも言えない…近いうちに発表したいと思っているので、期待して待っていただけるとありがたい」

建物には随所にこだわりが… そして“長屋”にした理由は

さらに、隣のこちらには…

(大石アンカーマン)
「杉材と黒とシルバーを基調として、この照明も和の雰囲気満載で…」

(名古屋鉄道 まちづくり推進部 後藤俊幸 課長)
「もう少しゆっくりしていただける店も、こちらでは進めている」

愛知県産の木材を使った建物には随所にこだわりが。

(エイトデザイン 水谷寛太 マネージャー)
「天井と床も黒で仕上げている。飲食店も入るので、夜のにぎわいも含めて面白いデザインに設計している」

平屋建てとあって、駅一体型の商業施設としては小さ目ですが…

(大石アンカーマン)
「ビルにもできたと思うんですよ。ビルにせずに長屋にした理由って何でしょう?」

(名古屋鉄道 まちづくり推進部 後藤俊幸 課長)
「長屋は昔ながらだが、地域のつながりを大切にするものだった。我々の施設も地域とのつながりを大切にする施設にしたいと思って長屋に」

(大石アンカーマン)
「高層ビルにしちゃうと、そこだけで完結してしまう可能性があるってことですか」

(名古屋鉄道 まちづくり推進部 後藤俊幸 課長)
「そうですね」

果たして新たな地域のランドマークになるのか。
街で聞いてみると…

「きよめ餅」も名鉄の新施設には刺激を受け…

(大石アンカーマン)
「熱田神宮の目の前にあるのがこちら、熱田名物『きよめ餅』。
熱田参りに『きよめ餅』と言うくらい、切っても切り離せない関係です」

こしあんを羽二重餅で包んだ「きよめ餅」。

(大石アンカーマン)
「熱田神宮は庭みたいな感覚でしたか」

(きよめ餅総本家 後藤尚子 取締役)
「庭と言いますか、毎日参拝させていただいている」

熱田神宮前に2店舗を構え、伝統を守り続けてきましたが、名鉄の新施設には刺激も受けています。

(きよめ餅総本家 後藤尚子 取締役)
「差別化できるような、食べ歩きもやっていきたい」

(大石アンカーマン)
「いまきよめ餅は、一個ずつバラ売りはしてないんですか?」

(きよめ餅総本家 後藤尚子 取締役)
「そうなんです。いましてないんです」

(大石アンカーマン)
「これからはバラ売りもしていく?」

(きよめ餅総本家 後藤尚子 取締役)
「そうなんです」

(大石アンカーマン)
「いいですね。このあたり食べながら…」

一方で、商店街には課題も…

地元の人は「商店街まで客がこないだろうな」

(近くに住む人)
「シャッターが閉まっている店が多すぎる。どうしようもない」

ここで70年近く暮らす男性も…

(近くに住む人)
「伊勢神宮の『おはらい町』のように目玉ができれば別だが、商店街まで客がこないだろうな。目玉がないので」

伊勢神宮の門前町・おかげ横丁は年間480万人が訪れる屈指の観光地ですが、熱田神宮前商店街は…ご覧の通り。
60ほどの店が並んでいますが、実際に営業しているのは半数程度です。

(近くに住む人)
「ゴーストタウンだ」

さらに長年放置されてきた、広くて大きな「問題」も…

広大な空き地は“塩漬け” そのワケは

(大石アンカーマン)
「広い空き地ですねぇ」

駅と区役所の間に広がる広大な「空き地」これは…

(熱田神宮前商店街振興組合 伊藤康雄 理事長)
「ここは元々熱田駅の(引き込み線)操車場だった」

1991年、国鉄民営化に伴い、名古屋市の土地開発公社が取得したこの土地。市は大規模な再開発構想を打ち出しましたが…

(熱田神宮前商店街振興組合 伊藤康雄 理事長)
「地元にしてみれば良い話を持ってくれば動いてあげるよと。良い話を持ってこなければ動きませんと」

(大石アンカーマン)
「で、30年動かなかった」

(熱田神宮前商店街振興組合 伊藤康雄 理事長)
「そうそう」

ほかならぬ地元からの反対で、30年以上7000平方メートルもの空き地が「塩漬け」のままとなっています。

この「広すぎる空き地」について名古屋市は…

(名古屋市 まちづくり企画課 加藤寛規 課長補佐)
「塩漬けのままで当然良いとは市としても思っていないが、地元の皆さまと合意形成を図ることが、事業を進めていく上では不可欠。皆さまの声に応えられる内容・仕組みを考えていく必要がある」

理事長「再開発をお断りしたことは正解だった」

30年前、地元住民が首を縦に振っていれば土地は塩漬けにならず、地元も発展していたかもしれませんが…

(熱田神宮前商店街振興組合 伊藤康雄 理事長)
「再開発をお断りしたことは正解だったと思っている」

商店街の振興組合で理事長を務める伊藤康雄(いとう・やすお)さん(72)は、当時反対したのは「正解」だったと強調します。 

(熱田神宮前商店街振興組合 伊藤康雄 理事長)
「ここをきれいにして良い思いをするのは、(当時の開発案では)ここに住んでいる人ではなかった。見ようによっては見苦しいが、皆さんそれなりに生活ができているのは、あの時に自分たちの道を進んだからだと、ぼくは思っています」

それでもいまは、再開発に期待するしかないといいます。

(熱田神宮前商店街振興組合 伊藤康雄 理事長)
「(老朽化で)家が危ない。このまま活用できるなら皆活用している」

伊藤さんが会長を務めるまちづくり協議会は、名古屋市と一緒に再開発の在り方を検討していて、今年度中には将来像を固めたい考えです。

(名古屋市 まちづくり企画課 加藤寛規 課長補佐)
「良い状態で盛り上がって来ているひとつの節目にはある。そういったタイミングをうまく使って、まちづくりもうまく事業化に進めたい」

熱田神宮の1900年もの歴史と共に続いてきた熱田のまち。
かつてのにぎわいを取り戻すことができるのかどうかに注目です。

2024年5月30日放送 CBCテレビ「チャント!」より

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