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グループホーム「恵」指定取り消し 大村知事「ピンハネ極めて悪質」河村市長「正義に反する」連座制適用で影響広がる見通し

CBCテレビ / 2024年6月26日 18時23分

CBC

不正が明らかになった障害者向けグループホームを運営する「恵」について、愛知県などは、一部の事業所に対して指定取り消しの行政処分を行いました。

また、厚生労働省は「連座制」を適用。他の事業所についても順次運営できなくなります。

愛知県を中心に全国で障害者向けグループホームを運営する「恵」。入居者から実際の金額よりも多く食材費を集めていたことに加え、サービス報酬の不正受給も明らかになりました。

問題発覚から約9か月。

(愛知県 大村秀章知事)
「今回は、食材料費の過大徴収という人権侵害に加え、公費である障害福祉サービス報酬を不正に受給していたということ。まさに重大な法令違反。利用者や家族をはじめ、多くの関係者の信頼を裏切るもので、大きな憤りを感じる」

愛知県は特に悪質と判断した愛知県幸田町のグループホームを、最も重い「指定取り消しの処分」としました。効力が発生するのは10月1日です。またそのほか県内12の事業所を3か月から1年の一部効力停止の処分としました。

(大村知事) 
「(食材費の)過大徴収、言葉は悪いがピンハネしていた 極めて悪質。これこそ障害者への経済的虐待、障害者虐待そのもの」

また、名古屋市は市内4つの事業所を指定取り消しに、さらに2つの事業所を半年と1年の一部効力停止の処分としました。 

(名古屋市 河村たかし市長)
「名古屋から全国的に大きくなった会社。大変残念。ごまかすのは、本当にいけないこと。正義に反する」

行政処分が出ても…入居者の母親は「落ち着かない」

(入居者の母親)
「何もかも慣れている所から放り出されて、果たしてすぐ受け皿があるのか、ものすごく心配」

こう話すのは、以前CBCの取材に不安を口にしていた女性。重度の自閉症がある40代の息子が「恵」のグループホームに入居していますが、今回、指定取り消しの対象に。女性は26日に施設へ行き、職員に行政処分について尋ねたといいます。

(入居者の母親)
「職員も『処分が下ってどういう方向になるか分からない』と。恵がなくなって違う会社になるのか、全く違う事業者が引き継ぐのか『どちらかになる』と」

いずれにしても、職員からは利用者について「行き場はなくならない」と説明が。しかし…

(入居者の母親)
「最悪他の事業者が今の形態を引き継ぐ形に持っていってもらいたい。住むところや職員が変わると(息子)本人が敏感に感じ取るので。新たなパニックを引き起こしたり生活が安定しない。落ち着くまで時間がかかる」

行政処分が出された今も、女性は「落ち着かない」と話します。

(入居者の母親)
「どういう方向性になるか決まってから改めて動き出す。私たちは待っているしかない。はやく落ち着きたい、安心した生活を今まで通り送りたい」

また、恵は「真摯に受け止めて今後の対応を検討していく」とコメントしました。

行政処分の影響を受ける利用者と家族ら。愛知県などは利用者の行き場を確保できるよう、受け入れが可能な県内の施設の空き状況を早急に調べ、対応していく方針です。

そして、厚生労働省は26日、会社が組織的に不正に関与していたとして、障害者総合支援法に基づき、ほかのグループホームなどにも今後指定の更新などを認めない、いわゆる「連座制」を適用することを決めました。

全国にある約100の施設が、指定取り消し処分の効力が発生する日から5年間、指定の更新や新規の指定を受けることができなくなります。利用者への影響は今後さらに広がる見通しです。

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