「夏休みは迷惑!」母親が激白 夏休み“廃止・短縮”希望が6割 SNS上では「日本もこんな悲しい国になったのか」と衝撃広がる
CBCテレビ / 2024年7月28日 10時0分
「夏休みなんていらない」母親が激白 廃止・短縮希望が6割でSNSでも衝撃広がる
今年もやってきた夏休み!7月19日、名古屋市東区の東桜小学校の終業式をのぞくと心躍らせる児童たちの笑顔があった。
![](https://newsdig.ismcdn.jp/mwimgs/1/7/-/img_1710577f1c4c1c7cb2aa07c10fc43ef3292948.jpg)
小学5年生「おばあちゃん家の福井県に行く。近くにお菓子市場があるので、そこにお菓子を買いに行きます」
小学5年生「北京に行くと思います」
小学5年生「伊勢・志摩のスペイン村に行きたいと思います」
次々に、夏休みの楽しみな予定を話す児童たち。
海に…山に…テーマパークと子どもたちにとっては嬉しい1か月余りだが、一方で悲痛な声も。
取材した幼稚園児から小学2年生までの子を持つ、4人のお母さんたちからは「夏休みが恐怖」「夏休みは負担」「夏休みはお金がかかって困る」と不安の声がたくさん聞こえた。そして驚きの調査結果も明らかになった。
小中学生がいる困窮世帯(約1400世帯)を対象にしたアンケートで「夏休みはなくて良い」「短い方が良い」という答えが6割にも上ったのだ。
「今の日本は子どもに夏休みすら与えてあげる事ができないのか…」
厚労省によると、子どもの7人に1人が貧困状態にあり、その格差は年々広がる傾向にある。親にとって学校が無い夏休みは、昼ごはんの用意が必要で、エアコンもいつもより使い、遊びにも連れて行かなければならない1か月余りなのだ。
この結果にSNS上でも衝撃が広がっている。
「今の日本は子どもに夏休みすら与えてあげる事ができないのか…」「生活費がかかるから夏休みすらいらないなんて、こんな悲しいことありますか?」など。
そこで、お母さん4人に夏休みについて討論してもらった。
「栄養バランスを摂ろうと思うと高くなっちゃう、1人1000円では足りない」
【座談会のメモ】夏休みは食費が高い!
小学2年の子の母「食事をどうしようって悩んで…」「スーパーはしごしていました、ここ高いからやっぱりやめておこう、次のところ行こうとか…」
小学2年の子の別の母「分かります。ちょっと遠いスーパーに自転車で頑張って行って、まとめ買い」
小学1年と3歳の子の母「戦いですよね」「ここ最近普通に買い物行っても、1回で3000円アップしているので、それが夏休みで更に上がるのかと思うと怖いです…」
給食がないため、うちでは昼ご飯、学童保育にもお弁当が毎日必要で、物価高騰が止まらない中、家計には負担だという。
さらに栄養学を研究する新潟県立大学の村山伸子教授は、夏休みは世帯収入によって、子どもがとれる栄養にも格差がうまれると指摘する。
村山教授「学校給食がない日の食事は(低所得世帯の場合)3食主食だけ。インスタント麺、菓子パン。それが3食、あるいは2食、そういう食事パターン」
村山教授が小学校19校の924人に行った調査では収入が比較的低い世帯は、そうでない世帯に比べ夏休み中はタンパク質やビタミン・ミネラルの摂取量が少なく、反対に炭水化物が増えるという結果に。
村山教授「栄養バランスを摂ろうと思うと高くなっちゃう、買わなきゃいけない食品が多くて1人1000円では足りない。子ども食堂など夏休み重点型の居場所があると良い」
光熱費1か月で6万円請求に「夏休みは迷惑」子どもがずっと家にいて、かかるエアコン代や電気代
【座談会のメモ】夏休みは高熱費もかかる!
小学1年と3歳の子の母「すごいですよね、光熱費、1か月で6万円請求がきたことあってびっくりした」「子どもたちがずっと家にいるっていうのがあって、上と下の階両方エアコンつけるとなると、どうなるんだろう倍ですもんね」
4歳の子の母「夏休み中に子どもを預かってもらいたくても(幼稚園の)預かり保育が4倍くらいの値段で」
小学2年の子の母「児童館で預かり保育を利用できるかっていうと、人数の制限があったり…」
そんな中、お母さんたちを支える存在となっているのが子ども食堂だ。
子ども食堂「夏休みもやっていますか?というお問い合わせも多いです」
名古屋市東区の子ども食堂「Qchan」。
平日は毎日夕方(17時~20時)、1人親や共働き世帯の子どもたちに食事を無料で提供している。ここに最近、親からの問い合わせが相次いだという。
子ども食堂を切り盛りする藤江由美子さん
「夏休みもやっていますか?というお問い合わせも多いですし、夏休みに入る前に、まだ来たことない方からの問い合わせも何件かありました。休み中どこかやっていないかと探してらっしゃっる方の問い合わせもあった」
ここは夏休みも休まず、午前中から受け入れていて宿題をしている子どもも。第二の家として安心して利用していると、子どもたち自身から話してくれた。
食材は地元企業や個人の寄付で何とか賄えているが、夏休みだからこそ、休むわけにはいかないという。
子ども食堂を切り盛りする藤江由美子さん
「ヘロヘロになったお母さんがここに来て、助かったと言ってくれる。ここに来たら栄養は大丈夫だと思ってもらえるそんな場所でありたい。夏休みも休まずみんなを待ちたい。」
しかし、多くの子ども食堂に食材を無償提供するフードバンクでは異変も起きている。愛知県北名古屋市にある「フードバンク愛知」。
“余剰品”として企業などから寄付された食料をおよそ400の子ども食材を配布しているが、その食材が不足しているのだ。
フードバンク愛知 魚住裕子さん
「多く見えるんですけど、このほとんどが災害備蓄なんです…」
倉庫には物がありますがこのほとんどが災害備蓄品。携帯トイレや乾パンなど子ども食堂とは関係ないものばかりだ。「少しでも楽しい夏休みに」と何とか食材を子どもたちに届けたい、でも配布する食材がない…どうしようもない「もどかしさ」で言葉に詰まる。
フードバンク愛知 魚住裕子さん
「企業も物価高騰の影響でで生産量を制限している。みんなが喜べる夏休みになればいいなと思っているんですけど…食品が入ってこない…」
大人にとっては不安が先立つ現代の夏休み。しかし、子どもたちの笑顔が最も輝く1か月半であることは、昔も今も変わらないことを願いたい。
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