「窓からごみや汚物」「勝手にごみ袋を開けて叱りに行く」相次ぐ“ご近所トラブル” 対処法を弁護士に聞いた

CBC

戸建てであれ、マンションであれ穏やかに暮らしたいものですが、信じがたいトラブルが各地で起きています。ご近所トラブルになった際は、どうすればいいのでしょうか？専門家に聞きました。

7月24日、岐阜県川辺町。窓の隙間から何者かが複数回にわたって「生卵」を投げつけている様子を防犯カメラが捉えていました。

（被害に遭った女性）
Q：なぜこの状況に？
「隣の方がうちの壁に向けて卵を投げて、リビングから外が見えないくらい生卵で汚れている」

投げつけられた生卵で家の外壁はひどく汚れ、地面には卵の殻が散らばっています。

多い時には1日10個ほどの卵が…

8月、逮捕・送検された岐阜県川辺町の無職・各務良子容疑者（53）。

7月19日と25日に隣の住宅に生卵を複数個投げ入れる嫌がらせをした、岐阜県の迷惑行為防止条例違反の疑いが持たれています。

女性によりますと、生卵を投げ入れられる被害は約5年前からほぼ毎日、多い時には1日10個ほどを投げ入れられていたということです。なぜこんな目に遭うのか思い当たることは？

（被害に遭った女性）
「特に思いつかない…話もしていない。本人に会ったのは何年前だろうというくらい」

長期間にわたって迷惑行為を行ってきたとみられる各務容疑者ですが、警察の取り調べに対し「やっていません」と容疑を否認しています。

焼け跡からは2人の遺体「夜中に掃除をする音がうるさい…」

また、こちらは岐阜県高山市。8月8日の午後10時半ごろ、木造2階建てアパートで火事がありました。

焼け跡からは2人の遺体が見つかり、アパートの住人ら3人がけがをしました。

その後、アパートに火をつけた現住建造物等放火の疑いで、このアパートに住む無職の森江琉聖容疑者（23）が逮捕・送検されました。

森江容疑者は、警察の取り調べに対し、容疑を認めているということです。森江容疑者は事件前、アパートの住民との間であるトラブルを起こしていました。

（アパートの大家）
「夜中に掃除をする音がうるさいので、下の住人（森江容疑者）が天井をどんどんとやると。今度は上の住人がそれに対してどんどんとやった。そういうことが原因でトラブルになった」

アパートの1階に住んでいた森江容疑者。2階の住人の掃除機をかける際の生活音などを巡り度々トラブルになっていたといいます。

森江容疑者と住人との騒音トラブルに関する相談はことし3回、高山警察署に寄せられ、事件当日も相談を受けて警察が現場に行き対応していました。

捜査関係者によりますと森江容疑者は「自殺しようと自分の部屋に火をつけたが怖くなって逃げた」という趣旨の話をしているということで、警察は事件のいきさつを詳しく調べています。

では、みなさんの周りでもご近所トラブルがあるのか、街で聞いてみました。

「窓からごみや汚物…」「隣家の庭が雑木林」

（30代）
「ご近所さんで勝手にごみ袋を開ける人がいて…その人は正義感で、分別ができていない人を叱りに行く」

（専門学校生）
「家の柵をちょっとでも触ると隣の人が怒ってくる。困っている」

そして、まさかというトラブルに巻き込まれた人も…

（50代）
「窓からごみを捨てたりとか…」

Qそれは普通のごみ？

「ごみも汚物も（窓から捨てる）。そういう人もいた。集合住宅っていろいろ怖い」

また、戸建て住宅でもこんな悩みが…

（60代）
「お隣の庭が雑木林になっていて、蚊が飛んでくる。うちの庭に日が当たらないくらいボーボーになっていて（隣の家に）ピンポンしても出ない。どこに訴えればいいんだろう、困っている」

一方、自分が近所に迷惑をかけていないか、不安だという人たちも…

「子どもの足音が響くのでは」「犬の鳴き声が…」

（60代）
「息子たちが小学生の頃は、友達連れてくるとすごく足音が響くのではないかと、集合住宅のときはすごく気をつかっていた覚えがある」

（20代）
「ゲームをやっているとき、声が出てしまうタイプなので、逆に迷惑かけないかなという心配はある」

（20代男性）
「最近、犬を飼い始めていろんな人に鳴き声が聞こえてしまうかなと」

そして、仮にご近所トラブルに巻き込まれたらどうするつもりか、聞いてみました。

（30代）
「逆恨みも怖いし、どんな人かもわからないので直接言うのは怖い。だったら自分が引っ越せばいいかな」

あちこちで生まれているご近所トラブル。昨今の状況について弁護士にうかがうと…

直接言いづらい場合は「仲介業者」に

（名城法律事務所 正木健司弁護士）
「近所付き合いが昔ほどないことがあると思う。隣に住む人、上に住む人がどんな人かわからない。付き合いがないので、すぐに争いになってしまう」

では、ご近所トラブルに巻き込まれたらどうしたらいいのでしょうか。

（名城法律事務所 正木健司弁護士）
「まずは当事者同士で話し合うのが一番良いと思うけど、直接言いづらい場合は例えば仲介業者。マンションであれば購入したときに間に入ってくれた人。一戸建ての場合も家を建てる時に関わった仲介業者を通じて、話をするのも一つの手」

大きなトラブルになる前に第三者への相談が大切。

しかし、原因がよくわからないご近所トラブルに巻き込まれるケースも。残念ながら永久になくならない問題なのかもしれません。