“強い台風10号 サンサン” 29日（木）頃に九州・四国 直撃か 徐々に進路予想が西寄りに… 原因は「寒冷渦」この先の雨・風シミュレーション【台風最新情報】

CBC

「台風10号 サンサン」が、日本列島にじわじわと接近しています。

26日（月）午前9時に、日本の南海上にある台風10号は「強い」台風で、20キロの速度で西北西に進んでいます。

「強い」というのは、中心付近の最大風速が「33ｍ」を超えた台風で、35ｍまで強くなってきました。

この強さは、走行中のトラックが横転するほどの風で、陸地に近づいてきたら屋外がかなり危険になります。最大瞬間風速は50mです。

【台風10号】接近前にできる備え　一覧はこちら

この後、28日（水）には屋久島の南海上まで達して、「非常に強い」台風となり、さらに風が強くなる見込みです。最大風速45ｍ、最大瞬間風速60ｍを予想しています。

これは、海水温が高いエリアを北上してくるためで、勢力を強めながら北上する見込みです。

その後の予想進路は、まだ定まっていませんが、29日（木）頃に「九州・四国」へ接近、または上陸したあと北西方向に進みます。

ただ必ずしもこの予報円の真ん中を通るわけではありません。予報円の中に「台風の中心」が入る確率が70％で、北ルートか南ルートか、まだ幅をもって考えておかなければなりません。

これまでに比べて、だいぶ西寄りのルートを通るようになった1つの理由は、「上空の寒冷渦」です。

水蒸気画像では、台風10号の西に“渦を巻いているようなもの”が見えます。
この寒冷渦は、寒気を伴った上空の低気圧で反時計回りに風がふいているため、巻き込むように、台風が西に進んだのが、原因のひとつともいえます。

まだ予想進路が定まったわけではありませんが、日本のスーパーコンピュータの
雨と風の予想では、九州の西側を通るルートです。ただ、九州に上陸しても全くおかしくありません。

海の上を通った場合でも、台風のエネルギーの水蒸気を得やすい状態が続くので、上陸しなくても大雨に警戒が必要で、暴風も吹く見込みです。

ただ、台風周辺の湿った空気が入る太平洋側では、関東から西で広く雨が強まる予想です。

コンピュータの計算結果では、日本海に抜ける予想になっています。ただ、湿った空気の流れ込みやか風が強いエリアは広いため、中国、近畿、東海、関東でも雨などには気を付けなければなりません。

【画像】この先の雨・風シミュレーション 28日（水）～31日（土）

まだ、この予想で固まったわけではありませんが、いずれにしても動きが遅いため、影響が長引き広い範囲で影響を及ぼすことには変わりません。

風で飛ばされやすいものは、屋内にしまったり固定したりするなど、風への対策はもちろん、防災グッズやハザードマップの確認など、早めに行っておくことが大切です。