大きな頭が特徴の“シイラ”が増加 「安い 優しい味」と人気集める 伊勢エビ不漁の一方で… 三重
CBCテレビ / 2024年10月4日 19時36分
三重県志摩市で、2日に解禁された伊勢エビ漁で“ある異変”が。
かつては、全国でも屈指の漁獲量を誇った和具漁港。しかし…
(三重外湾漁業協同組合 小川吉高さん)
「沖の漁場は全滅というか、ほとんど生息してない状態で、網を痛めるサンゴが異常に増えてしまっている」
伊勢エビのピンチは、おととしの取材時にも。
(漁師)「ごみが網にかからない、海藻とか」
海底に海藻が生えていないため、網にかからないのです。
志摩市の海の中を2009年に撮影した映像では、アラメやミルと呼ばれる海藻が生い茂っていますが、2022年に同じ場所を覗いたところ水温が上がり、海が砂漠化する「磯焼け」が確認できました。
“伊勢エビ”はどこにいった?
(小川さん)「磯焼けが始まって海藻がとれなくなった時期から、伊勢エビの漁獲量が減ってきた」
海の温暖化で繁殖に欠かせない海藻が減り、それと共に姿を消していっている「伊勢エビ」。
しかし、意外な場所でとれるようになっています。
何と東北・福島県です。20℃前後の水温を好む伊勢エビは、それまで千葉県付近が北限と言われていましたが、さらに北の福島県の漁師が伊勢エビをあげているということで…三重県志摩市から500キロほど離れた、福島県南部のいわき市では。
そこには…水揚げされたばかりの伊勢エビが!
(漁師)
「毎日取れるんじゃないの」
「10匹とか取る」
鳥羽水族館飼育員の分析は…
いわき市内の別の港でも…全長30センチを超える上物が。
福島県では12年ほど前から伊勢エビが姿を見せ、その量は年々増え続けているということでした。一体、なぜなのか。鳥羽水族館の飼育員の分析は?
(飼育員)「水温の上昇が三重県でみられるので、東北でも上がっているのかなと思う。伊勢エビの餌がもしかしたら減っているのかも」
しかし、海の異変で三重県沖では、逆に増えている魚が…
大きな頭が特徴のあの魚 「優しい味」「安い」と人気
(三重外湾 漁業協同組合 小川吉高さん)
「冬場でも水温が高くなって、シイラが引き網で釣れることも。海水温の変化でシイラも動いている感じ」
大きな頭が特徴で、ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれる高級魚としても知られるシイラ。本来は、沖縄や九州が生息エリアですが、海水温の上昇で北上してきたとみられます。
4日、三重県志摩市内のスーパーでは、シイラの特設コーナーができていました。売れ行きも好調です。
(ぎゅーとら ラブリー鵜方店 金子豪店長)
「お手軽なおいしい魚ということで、人気が上がってきている」
(シイラを購入した客)
「味が優しい、淡泊で」
「安い、塩焼きにしたりフライにしたりする」
おすすめは、からあげやフライ、ソテーということで…実際にシイラを食べてみました。
(中道陸平記者)
「肉厚だがあっさりとした味。癖もないので子どもも食べやすい味わいです」
シイラの切り身は、4日は100グラムが約130円とお手頃でした!
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