トランプ氏が“勝利宣言” アメリカ大統領選挙で東海地方への影響は?「どちらが大統領になっても市場はドル高に」
CBCテレビ / 2024年11月6日 18時53分
アメリカ大統領選挙でトランプ氏は演説の中で、勝利宣言を行いました。
歴史的大接戦のアメリカ大統領選挙。東海地方に住むアメリカ人も、接戦の行方が気になっています。
(スティーブン・カーターさん)
「本当にドキドキ。ニュースを見ると血圧が上がってしまうから避けている、あまり見たくない」
ニューメキシコ州出身のスティーブン・カーターさん。翻訳事務所で働くかたわらボランティアで大須商店街のガイドをしています。
日本に住んで40年ほどのカーターさんは10月、不在者投票で大統領選挙の投票を済ませました。
(スティーブン・カーターさん)
「ハリス氏に一票入れた。どうしてもトランプ氏が大統領になることを防ぐことができないと、国がだめだと思う」
カーターさんは政策だけでなく人柄も重要だと話し、刑事事件で起訴されているトランプ氏は大統領候補になるべきではなかったと考えています。また、ハリス氏にはこんな期待も…
(カーターさん)
「(トランプ氏は)国民保険を廃止するとか、政策が金持ちのためのもので困っている人を踏みつけている感じなんですよ。ハリス氏はそういう人を支えてくれる。賃金を守ってくれる、良心的な感じ」
日本に長年住んでいるカーターさんは、次の大統領が日本とどんな関係を築くかも気になっています。
(カーターさん)
「アメリカと日本の関係が非常に重要。ハリス氏はアメリカと日本の友好関係を維持すると思う。トランプ氏は読めない、維持するかどうか」
「日本が物価高なので…」「アメリカが落ち着いてくれないと」
歴史的な大接戦に東海地方の人の関心も高まっているようです。名古屋の街で聞いてみると…
(30代)「トランプ氏になると日本が不利になるというか、アメリカにも行きにくくなるだろうし、関税の面で厳しくなるのかなと思うと、ハリス氏寄りなのかな」
(10代)「日本が物価高なので、アメリカでトランプ氏が大統領になれば、経済的に推し進めもらえるのではないか」
(60代)「アメリカが落ち着いてくれないと、世の中の平和や日本のことも心配になるので、いい感じに民主主義が進んでほしい」
では、大統領が変わると私たちの暮らしにどんな影響があるのでしょうか。海外経済の専門家に話を聞きました。
専門家「どちらが大統領になっても、市場はドル高に」
(三菱UFJ リサーチ&コンサルティング 細尾忠生主任研究員)
「基本的にはどちらが大統領になっても、市場はドル高に走っていると思う。円安の勢いがどこまでいくのかが、最大の焦点」
どちらが大統領になっても、いまの円安に拍車をかける可能性があり、トランプ氏の方がより円安が進むとみられるそうです。また、円安の進行で日本の物価高も続く見込みです。一方、東海地方の経済への影響は…
(三菱UFJ リサーチ&コンサルティング 細尾主任研究員)
「『アメリカ国民の懐を潤すためには、関税が効果的な武器になる』という考え方の人がトランプ氏の周辺にいるのは確か」
輸出産業が多い東海地方で気になるのは「アメリカファースト」を主張するトランプ氏の関税上乗せ政策。すべての輸入品への関税を10%上乗せする方針です。名古屋税関の管内で去年アメリカ向けに輸出された製品は自動車が圧倒的に多く、42.9%にのぼります。
関税の割合によっては日本への影響大に
(三菱UFJ リサーチ&コンサルティング 細尾主任研究員)
「アメリカの利益のために、他国の経済がどうなってもいいような形で関税が発動された場合は、世界経済に甚大な影響を与えるので、まさかそんなことならないよねと世界中が注目している状況」
輸出産業にとって円安はプラスですが、関税引き上げはマイナスに。関税の割合によって影響の大きさが変わるということです。
一方、ハリス氏はアメリカ国内の家計に影響があるとして関税上乗せ政策に反対しているほか、バイデン政権の政策が基本的に受け継がれる見込みです。
Q東海地方にとって、どっちが大統領になったほうがいい?
(三菱UFJ リサーチ&コンサルティング 細尾主任研究員)
「トランプAとトランプBというのがあり、トランプAが迷惑なトランプ、日本に関税を課してくるような。迷惑なトランプAになってしまった場合は、明らかにハリス氏の方がいいと思うが、トランプBというのが意外と現実的。日本に迷惑かけてもいいことはないわけだから。口では怖いこと言いながらも、現実はうまく案配をしてくれる不動産屋さんやビジネスマンとしての顔がある。まともな方のトランプBになった場合は、トランプ氏の方がいい。良い悪いどっちも嫌だ、現状維持という人はハリス氏がいいんだろうなという感じ」
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