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園児「止まって!」横断歩道で止まらない車 過去には“停止率ワースト”だった三重県 汚名返上なるか

CBCテレビ / 2024年11月12日 17時53分

CBC

横断歩道で車が止まってくれない問題。信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしていた場合、車は手前で必ず一時停止しなければなりませんが、過去の調査では三重県が全国ワーストの停止率だったことも。ことしの結果はいかに。

JAFが毎年調査している一時停止率。ことしの全国ランキングは…
1位が長野で停止率87%、2位石川で80.9%、3位が岐阜で75.2%。そして、三重が14位で64.3%。さらに、愛知は16位で61%でした。東海3県いずれも全国平均の53%を上回る停止率です。

しかし…10日昼過ぎの名古屋・中区では、歩行者がいるにも関わらず、5台の車が停まることなく通り過ぎていきました。約2時間の取材中、半数ほどの車が横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる中で、一時停止しませんでした。

道路交通法では、信号機がない横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるのに、一時停止しなかった「普通車」のドライバーに課される反則金は9000円で、違反点数は2点です。

あわや大惨事…横断中の女性の真横を車が

この横断歩道で車が止まらない問題で、特にひどいとかつて言われたのが三重県。2019年に取材した鈴鹿市での映像では…

(記者)「女性が道路を渡ろうとしています。しかし、車が1台、また1台、対向車も通り過ぎます。さらに通り過ぎます…。手前で、トラックが止まりましたが、まだ対向車線で走り続けています」

止まるまでに10台の車が通過しました。
その後も、横断中の女性の真横を車が通過していくという危険な場面も。一歩間違えば大惨事です。

一方、津市の幼稚園の前にある横断歩道では…

(園児)「止まって!」

「止まって」と訴える園児の声は届きません。津駅前でも、車が横断歩道で待つ歩行者の横を通過します。すると…警察の車が。

(警察の車)「黒色の車、左に車を寄せて止まってください」

(運転していた人)「歩いている人は分かったけど、通り過ぎた」
(警察官)「きょうは横断歩行者妨害という違反になります。点数2点と反則金9000円です」
(運転していた人)「切符作成?」

停止する車が以前よりも増「十中八九止まる」

実は2019年のJAFの調査では、横断歩道に歩行者がいた際に一時停止する車の割合が三重県はたったの3.4%と全国ワーストでした。この状況はいま改善しているのか?11日に、改めて県内の交差点を取材してみると。

(記者)
「いま交差点内に女性2人が入りました。乗用車は、一時停止線で停止しました」
「鈴鹿市役所前の信号のない横断歩道ですが、今のところほとんどのケースで車が停止しています」

駅前や市役所前などの大通りでは、車が停止する様子が以前よりも多く確認できました。

(三重県民)
Q前に比べて止まるケースは増えている?
「止まってくれますね」
「十中八九止まる気がする。よっぽどスピードが出ている場合は止まらないけど」

JAFの調査でも、ことしは止まる車の割合が64.3%まで三重県は改善。全国ワーストを脱却し14位です。改善の要因についてJAFは…

(JAF三重支部 水井陽一さん)「三重県警が中心となって横断歩道の停止率を上げるための取り組みが徐々に浸透してきた。止まるのが当たり前という風潮ができあがってきたのではないか」

汚名返上をはかるべく警察やJAFが運送会社やタクシー会社などのプロドライバーに向けて啓発を行い、その後、一般のドライバーにも一時停止の意識が浸透してきたのではとJAF三重支部は分析しています。

小学6年の「自由研究」で警察が動いた!

一方、岐阜県各務原市の横断歩道は、手前の路面が赤色になっています。

ことし8月、ドライバーに横断歩道があることを認識してもらおうと、市がカラー舗装したのです。そのきっかけとなったのが…近くに住む小学6年の小川寿子さん(11)の調査です。

(小学6年 小川寿子さん)「朝、横断歩道を渡るときに全然車が止まってくれなくて。いつ止まってくれるんだろうと思っていたから、横断歩道を渡るときに止まってくれない車の台数を調べた」

この横断歩道を渡って通学する小川さん。横断歩道を通り過ぎる車が多かったことから通学や帰宅で渡る際に通り過ぎる車の数を記録し、夏休みの自由研究でまとめました。調査期間は去年12月からことし6月までのなんと半年間!

「雨の日も雪の日も数えていた」通り過ぎる車は1日平均3~4台 

(小川さん)
「朝 数えてから学校に行くから帰るまでに忘れる」
Q.どうやってわすれないようにしているの?
「手に書いたりとか444とかずっと思いながら」 

小川さんは数えながら、手にメモしたり心の中で唱えたり…半年間、地道な調査をした結果、通り過ぎる車は平均して1日3台~4台。最も多かった日は1月9日で、行き帰り合わせて22台でした。

(小川さん)「雨の日も雪の日も数えていた。傘とか持ちながらで数えるのが大変だった」

小川さんはことし8月、この調査結果を各務原警察署に報告。報告を受けた署と道路管理者の市が協議し、ドライバーに横断歩道があることを認識してもらうため、手前の路面を赤色に舗装することにしたのです。

(小川さん)「(報告を受けて)まじ?やったーってなった。本当にできるんだって思ったし嬉しかった」
(小川さんの母親)「小学6年の気づきを周りの大人が汲んでくれて動いてくれて感謝」 

赤に舗装されてからは、横断歩道の手前で一時停止する車が増えたといいます。

(小川さん)「色んな所にカラー舗装してほしいし、事故が減ったらいい」

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