【高校ラグビー】聖地花園への切符をかけた戦い “敵なし”強豪校がまさかの苦戦 いつもと違う愛知県大会 決勝は11月16日(土)中部大学春日丘vs名古屋
CBCテレビ / 2024年11月16日 7時32分
ことしの全国高校ラグビー愛知県大会の決勝は、中部大学春日丘vs名古屋。ことしで4年連続同じ組み合わせとなった。しかし今年は“いつもと違う”。
準決勝の2試合が、近年まれにみる大接戦だったのだ。
中部大学春日丘は11年連続13回の花園出場を誇る強豪校。愛知では“敵なし”の状態だった。しかし、11月9日の準決勝。相手は西陵高校で、まさかの事態が。
「王者が準決勝でまさかの苦戦」
去年、同じ組み合わせで行われた準決勝では、春日丘が西陵を114対0の大差で破った。ことしも試合開始早々、春日丘がトライを。ワンサイドゲームになってもおかしくないスタートだった。
しかし、西陵がすぐさま反撃に出る。ゴール目前まで攻め込むと、春日丘の堅い守りをこじ開け、トライを奪い返し同点に追いつく。その後、春日丘と西陵は互いに点を奪い合う展開に。
そして、後半10分、西陵がこの日5つ目のトライを奪い31対31、ついに同点に追いつく。
『来年またある』という気持ちは 簡単にひっくり返される
この試合を春日丘の宮地真監督は「若さが出た」と振り返る。
この日の春日丘は15人のスタメンのうち3年生が4人だけ。一方の西陵は3年生が10人。部員の少ない西陵は3年生全員がスタメンに名を連ねた。3年生にとってはこれが最後の大会。
宮地監督は「3年生の思いが強く出る大会。『来年またある』という気持ちでは、簡単にひっくり返される」と話す。それが出たのがこの西陵戦だという。
「いまの2年生は歴史を変える代」
準決勝、最後は地力で勝る春日丘が終盤にトライを重ね55対31で決勝進出を決めた。
2年生が主体のことしのチームについて、宮地監督は「いまの2年生は歴史を変える代だと思っている。精神が整って、身体ができて、チームとしての一体感ができれば」と期待を寄せる。12年連続14回目の花園進出へ慢心はない。
「春日丘を倒すことだけを考えて…」
王者・中部大学春日丘に挑む名古屋高校。
準決勝の栄徳戦は、前半21対10とリードして折り返すものの、後半に逆転を許す苦しい展開。
しかし、二木久善監督は動じていなかった。これまでは目の前の相手を倒すために一戦必勝で試合に臨んでいたという。
「ことしは春日丘を倒すことだけを考えていた」
そう話す二木監督は、栄徳相手に苦戦することは想定の範囲内。最後は逆転のトライを奪い、28対22で勝利し春日丘への挑戦権を得た。
名古屋は、これまで3年生全員が25人いるベンチ入りメンバーに入っていた。しかし、ことし初めて3年生をメンバーから外す決断をした。
これは本気で花園に行くという決意の表れ。すべては春日丘を倒すため。二木監督はロースコアの試合展開で勝機を見出す考えだ。
「他人のためのプレー」→「いち早く大人に」
最後に両校の監督に高校ラグビーの魅力を尋ねた。
春日丘の宮地監督は「他人のため」にプレーすることで、生徒たちがいち早く大人になっていくと感じている。チームメートのために体を張るラグビーは最後、精神面が技術面を上回るという。ちなみに宮地監督も「部員のために」教員になってから毎朝5時起きの生活を続けている。
朝はいいアイデアが思いつくのだという。ラグビー未経験の宮地監督、人より経験が足りていない自覚があったからこそ、人よりたくさん考え、行動することを心掛けている。
「3年生の気持ちをプレーから感じ取って」
一方、名古屋の二木監督は「3年生の気持ちをプレーから感じ取ってほしい」と話す。どんな高校で、どんな環境でラグビーをしていたかは人それぞれだが、3年間の集大成としてプレーする選手たちには、人の心を動かすパワーを持っている。
初めて3年生をメンバー外にするという苦渋の決断をしたからこそ、ことしのチームはさらに気持ちが出たプレーを見せてくれるはずだ。
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