揺れる“新アリーナ計画” 市長の公約は中止 一方で建設求める署名も 三遠ネオフェニックスのファン「頭が真っ白」
CBCテレビ / 2024年12月5日 5時0分
愛知県豊橋市のプロバスケチームも使う巨大アリーナの建設問題。市長は建設中止に動いていますが3日、逆に建設を求める署名が提出されました。一体何が起きているのでしょうか。
3日、市民団体から豊橋市の議会に提出された、約13万4000筆の署名。
(新アリーナを求める会 川西裕康共同代表)
「非常に関心が高く、我々を支持してくれる人が多いと肌で実感」
地元に、新しいアリーナの建設を求める署名。このうち5万8000が豊橋市の市民ですが人口36万人の豊橋市にしてみると6人に1人が署名したことになります。約230億円かけて、新アリーナを含む公園の再整備事業を行うかどうかで揺れ動いてきた今回の問題。
少し前には、今回とは逆に建設反対の市民団体が署名活動を展開。のべ5万2000の市民の署名が集まりました。
“新アリーナ”を拠点にしようとしていたプロバスケチームは…
こうした中アリーナ建設など公園再開発計画の中止を公約に掲げ、当選したのが現在の長坂尚登市長。11月21日、アリーナ建設の事業者へ契約解除を申し入れたことで一気に建設中止に傾きました。
市長の方針に反対の声をあげたのは、新しいアリーナを拠点にしようとしていた三遠ネオフェニックスのファンたち。
チームはこのアリーナ建設を条件に、再来年に始まるトップリーグ「Bプレミア」への参入が決まっていました。
【Bプレミア 参入の条件】
(1)平均入場者数4000人以上
(2)売上高12億円以上
(3)5000席以上でVIPルームなどがあるアリーナの確保
アリーナ建設が中止となれば、参入も取り消しとなる見通しです。
ファン「急に建設中止になって頭が真っ白」
11月30日、地元で行われた試合でも市民団体が署名ブースを設置。20日間で市外のバスケファンも含め13万4000の署名を集めたのです。
(三遠ネオフェニックス ファン)
「せっかくBプレミアも決まっていたのに、急に建設中止になって頭が真っ白」
「Bプレミアの方が絶対注目度は高いと思うので、豊橋が有名になる要素の一つでもある」
「(今の体育館では)満員になる試合が多くなってきたので(新アリーナができれば)多くの人が入ってより盛り上がる試合ができる」
(フェニックス 水野晃社長)
「会場でもいろんな方から『頑張れ』との声を聞いて、すごくうれしい気持ちでいっぱい。この署名をもとに、アリーナ継続を求めて色んな活動をしていければ」
Q:Bプレミアについては?
「残れるように今動いているところ」
しかし、長坂市長は3日の定例会見で…
「ボールが私たちの側にある状態ではない」
(豊橋市 長坂尚登市長)
「中止を掲げて当選したので、それが市民に対するお約束だと思い、それに向けて進めている」
公約に掲げた新アリーナ建設の中止の方針は変わらないとし、豊橋公園以外でのアリーナ建設についても…
(豊橋市 長坂尚登市長)
「他の場所も含めて、あれだけ大規模な公共施設を造ることは今の段階では検討していない。フェニックスさんご自身がどうするか判断する状態で、ボールが私たちの側にある状態ではない」
昨シーズンBリーグで地区優勝し盛大なパレードを開き、今もあちこちに街を挙げてチームを応援するムードが。
(豊橋市民)
「(アリーナ建設)賛成派も多いと思う。市民の声をもう少し聞いてほしい」
「税金で造っていいのか。税金を使うならもっと丁寧な説明が要るのでは」
「フェニックスの街」として歩んできた豊橋市。アリーナ問題を機に生まれた市民の分断は、まだ続きそうです。
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