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100歳祝い金 廃止検討に賛否両論 中学生の給食費無償化の財源に「若い世代へ予算をシフト」岐阜・郡上市

CBCテレビ / 2024年12月12日 19時16分

CBC

岐阜県郡上市は「100歳の市民への祝い金」を廃止することを検討しています。
浮いたお金は中学校の給食費無償化のために使うということで、背景には、市長の危機感がありました。

岐阜県郡上市に住む日置きとさん、御年100歳。
郡上市は、ことし11月に長寿のお祝いとして日置さんに10万円と花束を贈りました。

(日置きと さん)
「うれしいのと恥ずかしい気持ち。もったいないから早く使えない。毎日朝晩、拝んでいる」

日置さんはもらった祝い金の10万円は使わずに貯金しているそうです。

しかし、郡上市は来年度からは100歳を迎えた高齢者へ贈る10万円の祝い金を廃止することを検討しています。
一体なぜなのか。市長を直撃すると…。

(郡上市 山川弘保 市長)
「100歳以上の予算を若い世代へ回すのは、給食費の一部に充当させていただく。若い世代に懸けてみたい」

祝い金を廃止→中学生の給食費の財源に

現在、郡上市の公立中学校では、生徒1人あたり月に4600円の給食費を徴収しています。

しかし、来年度からは市内の全中学生約1000人分の給食費を無料にすることを検討しているのです。
実現するとなると年間約5500万円が市の負担となります。
そこで、現在も続く100歳の祝い金を廃止して、中学生の給食費の財源の一部として割り振ろうという計画です。

(郡上市 山川弘保 市長)
「若い世代へ予算をシフトさせて下さい。そういった思い切ったことをしないと右肩下がりの地域になってしまう。消滅可能性都市(の恐れ)は消えないだろう」

危機感を募らせる山川市長。

郡上市の人口は現在約3万8千人。
2050年には約1万7000人減少するとの推計もあり、このままのペースで人口が減っていくと、国が定めている「消滅可能性都市」の基準にあてはまるといいます。

若い世代への予算シフトに市民は…

仮に郡上市が10万円の祝い金を廃止した場合、捻出できる財源は350万円ほど。

他にも敬老会への交付金の廃止も検討中で、1700万円を確保できる計算です。
足りない3500万円については、一つ一つの事業を検証しコストカットしていく方針です。
来年3月の議会で市長が提案する方向ですが、この若い世代に手厚い予算シフトに郡上市民は…。

(賛成・2児の母)
「子育て世代に優先でありがたい」
(反対・30代男性)
「100歳に対してかわいそう、失礼。皆さんのお祝いとして10万円あげるべき」
(賛成・80代男性)
「100歳って長生きできただけで幸せ。お金をあげる必要はない。行き届かない人に、お金を使ってあげれば」
(反対・60代女性)
「若い人も大事だけど、高齢者にも気をつかってくれるといい」

「高齢者のことも大切にしてほしい」との声がありましたが、山川市長は「若い世代と高齢者世代の分断を生む政策ではない」と強調します。

100歳に「100万円」支給する自治体も

一方で「100歳になったら100万円!」という高額な祝い金も。

愛知県飛島村は1991年度から「長寿奉祝金」として、村に連続20年以上住んでいる人に、満100歳になった誕生日当日に100万円を支給しています。
2023年度の支給対象者は1人だったということです。

また、三重県の川越町でも1991年から「長寿者褒賞」として、町に連続して10年以上住んでいる人に、同じく満100歳になった誕生日当日に100万円を支給しています。
こちらも2023年度の支給対象者は1人だったということです。

さらに名古屋市は数えで100歳のタイミングで、敬老金として3万円の支給をしています。

100歳の国民的アイドルと言えば…

その100歳といえば、名古屋では有名な双子のお二人が思い出されます。

(蟹江ぎん さん)
 「100歳まで生きさせてもらって、こんなうれしいことはありません」

これは1992年夏の映像です。
蟹江ぎんさんは1892年8月1日、双子の姉 成田きんさんとともに現在の名古屋市緑区に生まれました。

22歳で結婚し5人の娘が生まれ、4人の孫と9人のひ孫に恵まれました。
姉妹は数えで100歳の1991年、敬老の日を前に名古屋市長らの表敬訪問を受けたことをきっかけに、100歳の双子姉妹として一躍国民的アイドルになりました。

(蟹江ぎん さん)「皆さん、がんばってください」
(成田きん さん)「100年は短かった。すぐ過ぎました」

高齢100歳の2人に当時、日本中が元気をもらいましたが、今回の郡上市の給食費捻出に予算を手厚くという流れはどう受け止めるべきなのか。

郡上市の山川市長は、こう言っています。

(郡上市 山川弘保 市長)
「(100歳の方に)これまで褒賞金・お祝い・花束を出してきた。こういった方にも若い世代を育てるということを、よく理解していただいて。若い世代のために自分たちの予算を使う」

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