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学生の“狩猟サークル” 捕獲から駆除まで…獣害対策の担い手不足の中で命や自然と向き合う

CBCテレビ / 2025年1月13日 6時2分

CBC

鹿や、イノシシなどの野生動物による獣害が問題となっていますが、その対策に取り組む全国でも珍しい大学の狩猟サークルを取材しました。

津市白山町の山の斜面で、シカ用の罠を仕掛けていた、森武志さん23歳。プロの猟師ではなく、三重大学大学院の学生で、これは狩猟サークルの活動です。

大学公認の狩猟サークル「トラッパーズ」には現在、男女5人が在籍。森さんを含め3人が狩猟免許も持っていて、普段は、三重大学が所有する農場などで農作物に被害をもたらすタヌキやアライグマなどを捕獲しています。

地元農家から駆除の依頼も

(森武志さん)
「集落で活動していて、人がどんどん減っているのは聞きますし、若い人はいないというのは感じるので、獣害対策というのは大事だと思うから、狩猟を続けてきている」

この日サークルのメンバーは、地元の農家からシカの捕獲を依頼され、OBのアドバイスを受けながら罠を仕掛けます。

(サークルOB 新海佑太さん)
「今の時期 シカだよ葉物野菜…ブロッコリーだったり、つい最近だとチンゲンサイをやられた人がいた」

9年前にサークルを設立したOBの新海佑太さん。大学卒業後、獣害対策を請け負うプロとして活動しています。

三重県では2023年度のシカやイノシシなどによる農作物や林業への被害額は約3億6000万円。一方で猟師の減少や高齢化が深刻な課題となるなか、トラッパーズにも地元の農家から駆除の依頼が入るように。

「昔は猟師が5~6人いたが、亡くなったり…地元に若い人が来ていただいていろいろ頑張ってくれているのは本当にありがたいこと」

いまや彼らは、地域にとって獣害対策の大切な担い手ともなっています。そして、翌日。

「思い切りやってやらんと逆にかわいそうだから」

(森武志さん)
「いますね。あそこに寝ていますね」

罠には体長1.5メートルほどのオスジカが。自分たちが仕掛けた罠が見事捉えましたが、重要なのはこの後です。シカを仕留めなければなりません。急所にうまく刃物が刺さらず、OBの新海さんからも厳しい言葉が飛びます。

(サークルOB新海佑太さん)
「刃渡りが短いんだ」
「思い切りやってやらんと逆にかわいそうだから」

「学びながらサークルを続けられれば」

獲物を仕留める様子を初めて見た1年生の部員は。

(1年生の部員)
「うまく言えないですね…」

サークル活動を通じて命の重さと向き合うことも多い部員達。肉は食べる分だけを持ち帰ります。

(森武志さん)
「サークルがなかったら僕も狩猟を始めていないので、興味のある人たちが一歩踏み出せるという意味で、狩猟サークルを大学生でやっているのは大事。先輩たちに学びながらサークルを続けられればいいなと思う」

自然とどう共存していくかを考えさせる狩猟サークル。森さん達は今日も山に入り、自然と向き合います。

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