名古屋の“ど真ん中”にも活断層?「地震起こす可能性」「堀川断層は知らなかった」【阪神・淡路大震災30年】地震への備えは?
CBCテレビ / 2025年1月17日 16時48分
阪神・淡路大震災から30年になりますが、私たちは「活断層」による地震のリスクにも直面しています。
1995年1月17日。兵庫県を中心に甚大な被害をもたらした、阪神・淡路大震災。6434人が命を失い、10万棟以上が全壊しました。
あの震災から、30年。
大きく壊れた波止場に、傾いたままの街灯。震災の被害を伝えてきた「神戸港震災メモリアルパーク」は30年の節目となる今月、リニューアルオープンしました。
(大野和之記者)
「こちらQRコードをスマホで読み取ると、震災前や震災時の様子を、現在様子と重ねて見ることができます」
AR=拡張現実で、震災前や震災時の風景を 表示出来るように…。あの震災の記憶を伝える、試行錯誤が続いています。
私たちが忘れてはならないのは、被害の大きさのほかにも。巨大地震を引き起こし、地表の形をも変えた 「活断層」の存在です。
国は震災を機に、長さが20キロ以上で、マグニチュード7以上の地震を起こす可能性のある、114の活断層を調査し、その危険度などを公表してきました。
そのひとつが、岐阜県から三重県につづく「養老ー桑名ー四日市断層帯」です。
愛知教育大学(地震学)戸田茂教授
「(活断層が)南北に通っていて坂が…」
愛知教育大学の戸田茂教授と訪れたのは、桑名市中心部の坂道。海が近く、平らなはずの桑名市でこの坂があること自体が“異常”だと指摘します。
活断層は地下の地層や岩盤に力が加わり、ずれ動いたもの 。過去に地震を起こした証であり、将来、再び地震を起こす可能性も秘めています。
阪神・淡路大震災を引き起こした「野島断層」など断面が“崖”のように せり出した状態の印象が強いですが、表面の地層が柔らかいときは「たわみ」が生じてこうした、坂のような地形ができると言います。
(戸田茂教授)
「この断層は一級の断層帯 。もし動いたら阪神淡路大震災と同じような地震が起きる可能性は十分に考えられる」
熊本地震は今後30年の地震発生確率「ほぼ0~0.9%」という活断層で起きました。この活断層の地震発生確率は「ほぼ0~0.8%」。国はリスクを「やや高い」と評価しています。
活断層から1キロの場所にある和菓子店「保々屋」。
社長の相馬泰夫さんの 防災意識を変えたのは「阪神・淡路大震災」だったと言います 。
(相馬社長)
「木型を大事にするのに、突っ張り棒。ここだけは 棚が倒れて木型が壊れては大変ですので 突っ張り棒をしています」
落雁や和菓子の練り切りにかかせない「木型」は職人がいなくなり、家業を続けていくために、どうしても守らなければなりません。
相馬さんは自分たちの命を 守るためにも、 家具の固定を進めたほか、簡易トイレや浄水キットといった 、 備えを増やしてきました。
(相馬社長)
「やっぱり怖いですね 」 「それこそ阪神・淡路もすごい地震だったので」
一方、活断層か「否定できない」地形が名古屋のど真ん中にあることも分かってきました。
(大野和之記者)
「名古屋市の堀川にかかる橋にきています。長い坂になっていますが、ただの坂ではないかもしれないのです」
栄から西に向かい、堀川を越えると、名古屋駅方面に下り坂に…。
戸田教授は、この地形が桑名でみた“坂道”と同様、地下の断層が動いたことによる「たわみ」だと考えています。
およそ1キロ上流でも、同じように堀川を挟んで名古屋駅側に向かって ハッキリ坂になった地形が。
(戸田茂教授)
「台地を上昇させたのは 堀川断層の可能性がある 」「この断層が動いた場合、M7を超える地震を発生させる可能性は十分にある」
堀川断層は名古屋の中心部を堀川沿いに貫き、南北10キロほどの長さで存在する可能性があり、2016年に行われた市による検証では「断層の存在は否定できない」と結論付けられました。
しかし、国による詳細な調査は8年経っても行われず、扱いは「推定断層」のままです。
(名古屋市防災危機管理局 藤井巧己 課長補佐)
「推定される断層については名古屋の中心。人口の 密集する地域にある。 国には従前の基準にとらわれることなく、(今後も)断層の評価を 依頼していきたい 」
南海トラフ巨大地震には 意識が高まる中、名古屋の人は…
(40代)「堀川は知ってるけど、堀川断層は知らなかった」「ちょっと備えをしたいなっていうのはすごく思います」
(20代)「住んでいるところにいそういうのがあるって聞くと」「もうちょっと知りたい」
仮に堀川断層が、活断層でなかったとしても、日本には2000の活断層があるとされ、 名古屋周辺だけでも3つ。地震のリスクがゼロになる訳ではありません。
(戸田茂教授)
「活断層があることを知っておく。可能性があることも含めて知っておくことが大事」「(活断層が)あるかもしれないことを理解して準備を進めておくことが大事だと思う」
活断層のリスクを知らしめた、阪神・淡路大震災から30年。この国に暮らす以上、いつどこで起きてもおかしくない地震に常に備えていくしかないのです。
CBCテレビ「チャント!」2025年1月16日放送より
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