「接種後 首にピクピクっと痛みが…」新型コロナワクチンの“後遺症”教える大学教授 当事者になって感じた救済制度の高い壁【チャント!大石邦彦が聞く】
CBCテレビ / 2025年2月1日 5時46分
新型コロナワクチンの接種後に起きた体調不良、その救済制度について、関西の名門私立大学の教授がその問題点を講義で取り上げていると言うのです。
以前取材した寝たきりの女性教諭にもある変化がありました。
(大石アンカーマン:以下大石)
「兵庫県西宮市にある関西学院大学に来ています。
こちらでコロナワクチンに関するある講義を行っている教授がいらっしゃいます」
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「速やかに補償する仕組み、つまり本人が症状を訴えたときに、しっかりと診察をしてもらえる仕組みをつくらないといけない」
兵庫県西宮市にある関西学院大学。1月はじめ、経済学部で行われたある授業です。
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「救済制度を申請する場合、受診証明書とカルテを病院に請求するんですね。しかし体調不良でそんな書類なんか集められない。体調不良の中、なんとか頑張って病院へ行ったとしても(病院はカルテを)出し渋る。つまり書類が揃わない。そういった問題もあるんですね」
安岡匡也教授は、社会保障制度に関する講義で新型コロナワクチン接種後の体調不良に関する救済制度の問題点を指摘しました。
安岡教授はその問題点を身をもって感じている一人です。
“ワクチン後遺症”を教える大学教授 自らも当事者
(大石)
「そもそも先生はなぜこの講義をやろうと思ったんですか?」
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「まず一つは、当事者になってしまったからですね」
「接種のための前提条件はこんなにもおろそかだったのかと。もっと早く研究して、もっと早く訴えるべき内容だったんじゃないか。反省の意味を込めて研究・教育をしています」
安岡教授は2021年に新型コロナワクチンを接種しましたが、すぐ体調不良に悩まされることになりました。
安岡教授の体験「首の方でピクピクッと痛みが…」
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「15分間の待機時間に、首の方でピクピクッと痛みが上がってくるのが分かりました。でも、すぐ引いたので大丈夫かなと思って病院から出た。そうしたら地面が揺れ始めた。めまいがひどかった。あとは、しゃべっていると気が遠くなっていく感じの症状でした」
43の医療機関を回りましたが、原因は不明。医療費は2年間で50万円以上にも上りました。救済制度にも申請しましたが…
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「この資料の束は、救済制度に提出した時の書類を全てコピーしたものです。
「これを9か月かけて集めました。より重症な人ほど書類を集めにくい仕組みになっている。まずそこが問題なんですね」
認定されたのは、めまいの症状だけ。
接種の数か月後に出てきた手足の痛みや不眠は認定されず、戻ってきた医療費は数万円でした。
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「私の場合はたまたま認定されたと思っています。どういった基準で、認定・否認されてるのか分からない。これらも含めて問題は多くあると思う。経済学で分析する、伝えるというのはいろいろな切り口がある。一つは制度自体の問題点。それとデータを使った分析。予防接種健康被害救済制度はどんなものなのかということを社会保障制度の中の一つとして捉えていくべきではないか」
一時寝たきりの女性教諭「申請が大変すぎる…」
一方、以前取材した関西地方に住む50代の女性を、改めて訪ねました。
(大石)「立っていますね」
(女性)「はい、おかげ様で」
これは3年前に取材した時の様子です。
(女性)
「もう家で寝っぱなしで、寝たきりで動けなくて、ご飯も作れないし洗濯もできない…。本当にトイレまで這っていったんですよ。誰にも信じてもらえなくて、いろんなお医者さんからもきつい言葉を言われて、どうしようもなくて…。親にまで『どうしてこんなに寝てるの?」って今でも言われるんですけど、わかってもらえないんですよ…」
2021年に新型コロナワクチンを打って以来、体に力が入らず、ひどいめまいなども始まり、ほぼ寝たきりになりました。
高校の教師でしたが、休職せざるを得ませんでした。
(女性)
「恐怖ですよね。命の怖さもあるけど、経済・生活面が行き詰まる怖さがある」
3年経ってようやく症状も軽くなり、授業にも少しずつ復帰できていますが、救済制度の申請にも苦しめられました。
申請する書類には、かかった病院の全てのカルテが必要で、手間も費用も大きな負担でした。
カルテ入手の手間も費用も大きな負担に
(女性)
「(カルテを)発行しませんという病院も、高額な金額をいう病院もあります。高いところだと3万円とおっしゃるんですよ。本当は40医療機関くらい行っているんですが、カルテを出してもらうのにお金がかかるし、集めに行くだけの体力がないので、とりあえずたくさん行った病院、お金をたくさん使ったところだけで24医療機関分を集めました」
結果が出るまでには、実に1年半かかりました。
(女性)
「ようやく認定はされたんですが、されるまでに市役所で半年以上(放置された)。本当に今、必要だから患者は申請しているのに、必要な時に必要なものがなにもない」
認定は、めまいのみで、倦怠感などは認められず、戻ってきた医療費は3分の1だけでした。
(女性)
「明日生きていくお金がない人には、こんなこと(申請)は絶対にできない」
“ワクチン後遺症”自らも当事者 大学教授の取り組み
ワクチン接種後の体調不良に悩まされながら、この問題を大学の講義で取り上げている関西学院大学の安岡教授。
2024年の夏、駅前でティッシュを配っていました。
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「ティッシュだったら、受け取ってもらえるだろうというのもあり、コロナワクチンで健康被害を受けた方がどういった生活を送っているのか、をインタビューして論文にしている」
ティッシュには、安岡教授の論文が表示されるQRコードがついています。
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「学術論文として発行しているので、信ぴょう性のあるところから発信しているものを受け取ってもらう。そしてこの問題についてまずは認識いただきたい」
問題に対して"声を上げる人”増やしたい…
安岡教授の講義をとっている学生たちの感想です。
(講義を受けた学生)
「予防接種健康被害を受けた被害者に、この救済制度が全く寄り添った形になっていないと思ったので、申請しようという気持ちもうせると思いますし、もっと被害者に寄り添った制度になるべきだと感じた」
(講義を受けた学生)
「(ワクチンが)人に合う合わないはあると思うが、事前の説明だけでは不十分なところがあると思うので、その後の救済制度の見直しが必要かなと先生の授業を受けている中で思った」
(関西学院大学 安岡匡也教授)
「政府に対して訴えてくのも大事だが、それ以上に社会の関心を高めたい。こういった問題に声を上げていく人を増やしていきたい。無関心は良くない。私自身の反省も含めて、それが一種の務めだと思ってやっている」
CBCテレビ「チャント!」2025年1月28日放送より
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