本物に激似「通販で買った山崎12年」は刺激臭や薬品のような苦み…サントリー「弊社と関係ない」 便利なネット通販の裏側にはびこる闇
CBCテレビ / 2025年2月1日 13時2分
今や私たちの生活に欠かせないインターネット通販。
(街の人)
「スマホで見るだけで自分の足を運ばなくても商品が見やすいし、手軽に頼めるし家に届くから便利」
「洗剤、みかん、カラーボックスとか、去年(2024年)は20万ぐらい」
「家を出ずに、(スマホで)ポチポチできるので、気づいたらめっちゃ買ってる」
しかし、その手軽さの影に思わぬ“落とし穴”が…
(柳瀬晴貴記者)
「こちらの大谷選手のユニフォーム、なぜかドジャースのロゴが隠されています」
(男性)
「憤りはすごくありますよね。僕は闇だと思ってるので」
実は横行しているニセモノや粗悪品。ワンクリックの裏で広がるニセモノの闇に迫ります。
大谷選手 ドジャースユニフォーム “本物”はどっち?
皆さんはニセモノを見破れますか?
大谷選手のレプリカユニフォーム。向かって右が正規品。左がネット通販で出回るニセモノです。
街の人に見比べてもらうと…
(街の人)
「こっち(右)が本物で、左がニセモノじゃないかなと思うんですけど。下部にタグがあってメジャーのマークが付いているのと、ナイキのロゴがついているので…」→ 正解です
続いては大谷ファンのご夫婦。
2024年、ドジャーススタジアムを訪れ、現地の“本物”を見てきたという2人は…意見がわかれました。
(妻)
「え、なんで間違えたんだろう?形ですかね?デザインとか?(ニセモノは)まろやかな感じがした」
街で35人に調査したところ、なんと3割近い10人が間違える結果に。
(街の人)
「こうやって比較できたらいいけど、これ(ニセモノ)だけ届いたら全然分からない。信じちゃいます」
服やカバンはよく聞きますが、意外なモノも…
見た目は瓜二つ あの“高級ウイスキー”と思いきや…
関西地方に住むウイスキー愛好家の太田さん(40代・仮名)。
(太田さん)
「これがAmazonから届いたウイスキーです」
見せてくれたのは、2024年の夏にAmazonで購入したというサントリーの高級ウイスキー「山崎12年」。
入手困難な国産ウイスキーの代表格で、高額で取引されることも珍しくありませんが、太田さんは定価より5000円ほど安いアウトレット価格で購入しました。
商品の状態はほぼ新品。しかし…
(太田さん)
「(コレクション用に)自分の持っている正規品と比べて明らかにちょっと怪しいというのがあり、何が入っているのかわからないので、怖いので飲めませんでした」
箱には「検品済」と書かれたシールも貼られていますが、太田さんは「ニセモノではないか」と疑っているのです。
向かって左が、太田さんが約半年前、正規店で購入した「山崎12年」。
それと比べて今回購入したものは、特にキャップ部分に違和感があると言います。
(太田さん)
「上から見ると分かるんですが、本物はキャップ部分の形が(浮き上がって)出ているが、今回の購入品はツルツル。色も、本物の方が濃い金色というか、今回の購入品は薄い感じがする」
瓶の色にも明らかな違いが。さらに商品ページに載っていたブランド名を見てみると…
(太田さん)
「『SUNTORYWHISKY-JP(サントリーウイスキージャパン)』と書いてますね」
正規の販売元、「サントリー」とよく似た名前です。
この業者についてサントリーに聞いてみると、「弊社と関係ございません」ときっぱり関与を否定しました。
本物と瓜二つの“ニセモノ高級ウイスキー” 何が違う?
果たして本物なのか?
国産ウイスキーの専門店で見てもらいました。マスターの「もっさん」さんは、まず瓶を振った時の“泡立ち方”に注目します。
(ハイボール倶楽部 THE ONE オーナー もっさん)
「本物と“ニセモノ”を実際に振っていきたいと思います。そうすると泡立つわけですよね。泡立つんですが、この泡立ちの収まり方が全く違うんですよ。もうすでに“ニセモノ”は泡が収まっているんですが、本物は泡立ちが豊かなままというか、少しずつじんわりと収まっていく感じです」
「(泡立ちが違うのは)それだけ純度の差だと思うんですが、ウイスキーは“熟成”を重ねるものなので、その過程でたるの成分などが染み出すわけですよね。そうすると、純粋なアルコールよりうま味成分などが染み出してるので泡立ちが残る」
果たして“ニセモノ高級ウイスキー”のお味は…
さらにキャップを開けて匂いや味を確かめます。
(ハイボール倶楽部 THE ONE オーナー もっさん)
「ちょっとウイスキーとは思いがたいですけど…(“ニセモノ”を試飲後に)ものすごい刺激臭がありますね」
「個人的に(本物は)少しイチゴのような味わいがあるんですけど、これは多分消毒系・アルコール関係であることは間違いないです。ウイスキーではないですね」
フルーティーな甘い香りと、滑らかな口当たりが特徴の正規品に比べ、刺激臭や薬品のような苦みが目立つと指摘します。
このウイスキーがニセモノかどうかの断定はできませんが、サントリーによると近年こうした模倣品を疑う相談が消費者から寄せられていると言います。
(ハイボール倶楽部 THE ONE オーナー もっさん)
「国産ウイスキーは隆盛期といわれる中で、投機的価値があるものになったのが山崎・白州・響ブランドなんですが、そこに付け込んだ一部の方が、贋作(がんさく=ニセモノ)を持ち込むという感じですね」
商品を販売していたAmazonジャパンはCBCの取材に対し、「問題のある商品が発見された場合、商品の削除や販売事業者のアカウント停止など、速やかに必要な対応を行っています」。
Amazonのホームページでは返金や交換にも応じると呼びかけています。
ネットで購入 “有名メーカー製”におかしな日本語
個人で映像制作会社を営む岡田さん(40代・仮名)。
2024年、Amazonでカメラのバッテリーを購入しました。
(岡田さん)
「仕事で使うものなので、明らかにおかしいものは絶対に選ばないようにしてる」
「SONY」の純正品と紹介され、それを信じて買いました。
ところがある日突然、接続不良の表示が。裏面の説明書きをよく見ると…
(岡田さん)
「裏の注意書きを読んだらあれ?と思って、変な日本語があって『これニセモノだ』と気づいた」
ショートの文字が「ツヨート」に。
さらに電子レンジが「電子しソヅ」と、おかしな日本語が並んでいたのです。
(岡田さん)
「最初はちゃんと使えちゃったりするので、(時間がたち)返品もできなかった。持っていても仕方ないので処分しました」
ネット通販で横行するニセモノや粗悪品。
特にバッテリーの粗悪品は事故につながる危険も。
ネット通販で横行するニセモノや粗悪品
(男性)
「これ(タイプCケーブル)は楽天で買ったんですが、この前届いて使ったら壊れていて、接合部分が曲がっている不良品だった。『やられたな』と思いましたが、(お金が)返ってくると言われたので、それならいいかと思った。気をつけないといけない」
中にはこんな人も。
(別の男性)
「モバイルバッテリーを買ったんですけど、使っていたらパンパンに膨れ上がって、爆発するかもと思って使うのやめました」
バッテリーの粗悪品は事故につながる危険も。
通販で購入のバッテリー 突然火が…その後爆発
繁華街の路上で激しく上がる炎と黒煙。燃えているのは電動アシスト自転車です。
サドル付近に取り付けられた「バッテリー」から火が出始め、その後爆発。火は自転車全体に燃え広がりました。
自転車の持ち主は「バッテリーは純正品ではなく、通販で買った中国製品を使っていた」と話しています。
目先の安さに隠されたリスク。専門家はこう指摘します。
(NITE 製品安全センター 安元隆博主任)
「一部の安い非純正バッテリーは、安全のための費用を削ってしまい、その分事故のリスクが高くなっている。いわゆる低価格、高リスクな粗悪品がある」
NITEによりますと、こうしたメーカー指定ではないバッテリーによる事故はここ10年間で230件以上発生しているということです。
ネット購入の落とし穴 騙されないために
では、購入の際に私たち消費者が注意すべきポイントとは。
(NITE 製品安全センター 安元隆博主任)
「注意すべきポイント」
1. 事業者の連絡先が正しく記載されているかどうか
2. 純正品に比べて極端に安くないかどうか
3. 製品説明の日本語がおかしくないか
4. PSEマークという、国の安全基準を満たしていることを示すマークがしっかり表示されているかどうか
巧みに作られたニセモノや粗悪品がはびこるネット通販。
手軽さや、安さに流されず、“本物”を選ぶ力が求められています。
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