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花火大会が中止の危機⁉ 一発の値段はコロナ禍前より“2~3割高い” 火薬の供給不安定 円安も直撃 協賛金募集も前倒しに

CBCテレビ / 2025年2月13日 5時0分

CBC

長引く「物価高」の影響で、この夏の花火大会開催に危機感が高まっています。

三重県津市では、企業や市民らにむけて、例年より2か月も早く「協賛金募集」の呼びかけがスタートしています。

夏の夜空を彩ってきた三重県の「津花火大会」。

去年は、過去最高の約18万人が集まり楽しみました。ことしは72回目の開催で、7月26日(土)の午後8時にスタート。阿漕浦海岸の沖から、5000発以上の花火が打ち上げられる予定です。しかし…

(津市観光振興課 岸江直彦さん)
「コロナ渦前と比べても、全体の費用として約2割高騰している。このまま物価が高騰すると、他の自治体とかでもどんどん断念していくところも増えていくのではないか」

長引く物価高の影響が、暗い影を落としているのです。「津花火大会」にかかる費用は、コロナ禍前は約1900万円でした。

しかし、ことしかかる費用は、プラス600万円の約2500万円と見られています。では、何が値上がりしているのでしょうか?

「70%使うもの」化学薬品が3割ほど値上がり

お邪魔したのは、亀山市にある伊藤煙火工業。

熊野大花火大会などに毎年関わっている創業117年の老舗です。花火業界の現状について教えてもらいました。

(伊藤煙火工業 伊藤照雄会長)
「(原料の)70%使うものが、ぐぐっと値が上がっている」

花火を作るには、延焼を促す硝酸カリウムや硫黄など、10種類以上の化学薬品が使用され、それらが軒並み3割ほど値上がりしていると言います。

(伊藤煙火工業 伊藤照雄会長)
「化学的に作るので、電気代とか(製造に関わる)もとから値上がりしている」

燃料費の高騰もあり、製造コストは必然的に上昇。また、火薬原料の多くが輸入品で、3年前に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻をきっかけに、全国的に原料不足が続いています。

火薬が砲弾用に流れていると見られ、供給が不安定になっています。さらに円安もおさまらず、仕入れ値は上がる一方。そのため、火薬原料1キロあたり3000円ほどだったのが、いまは約4200円になっているそうです。

コロナ禍で多くの花火大会が中止になり、ようやく心置きなく打ち上げられると思ったら、新たな困難。伊藤会長は、厳しい台所事情を打ち明けます。

「2割~3割は値上げをお願いしたい」

(伊藤煙火工業 伊藤照雄会長)
「花火一発の値段は、コロナ前に比べ、最低でも2割~3割は値上げをお願いしたい」

そのほか、花火大会を開催するのに必要な備品のレンタル料や人件費など、ありとあらゆる価格が上がっています。

そのため津市では、「津花火大会」を開催するにあたって、企業や市民らにむけて例年4月から協賛金の募集をはじめていましたが、ことしは2月1日から募集を前倒ししました。

(津市観光振興課 岸江直彦さん)
「市からの負担金というのも出ているが、皆さんから広く協賛を募ることで、経費を確保していきたいと思う」

津市の補助金は、毎年1000万円ほど。花火大会開催のためには、ことしは市民らから1500万円の協賛金が必要という計算です。先立つものがなければ、中止は致し方なしとなるのか…

さらに津市では、ことし8月に行われる予定の「久居花火大会」についても、1700万円の協賛金の募集を同時に開始しました。

市民を長年元気付けてきた花火大会。この夏、夜空に大輪の花が咲くことを願ってやみません。

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