県立病院 アクシデント事例など過去最多に

　２０２３年度、千葉県内に５つある県立病院の、インシデントやアクシデントの報告件数が、１万１０００件余りに上り、過去最多になったことが分かりました。

　県病院局は毎年、医療の透明性の確保などを目的に、県立病院での患者への影響が軽いミスなどの「インシデント」と、死亡事例を含む「アクシデント」の報告件数を公表しています。

　県病院局によりますと、２０２３年度の報告件数は、１万１９１５件に上り、前の年度からは１０００件近く増え、過去最多となりました。

　このうち患者が死亡したアクシデントは１０件確認されていて、県がんセンターで５件、県立佐原病院で４件、県循環器病センターで１件でした。

　ただ、病院側が予期せず、医療行為が原因で亡くなる、法律上の「医療事故」にあたるケースは確認されませんでした。

　また、主な原因としては、アクシデントでは、手術や処置における合併症が全体の６割を占めた一方、インシデントでは、患者の転倒や検査前の絶食指示を忘れるなどといった、療養上の世話を要因とするものが多く報告されました。

　県病院局は、今回の結果について「件数は増えたが、報告があること自体は良いこと」とし、引き続き、マニュアルの見直しや日常業務の改善などを適宜実施し、重大事故の未然防止に努めたいとしています。