都の保育料無償化拡充に熊谷知事が懸念 「結果的に地方自治体がやるべきことに」

　東京都の小池知事が、近隣の自治体などから懸念の声が上がっている保育料無償化の拡充を　進める考えを示したことに対し、千葉県の熊谷知事は７月１８日、「永遠に全国で実現しなくなる」と再び懸念を示しました。

　東京都の子育て・教育支援策を巡っては、千葉県や神奈川県など近隣の自治体が「格差が広がる」と反発する中、東京都の小池知事が７月１２日、選挙公約に掲げた保育料無償化の第一子への拡大を進める考えを示しました。

　これに対し、熊谷知事は、１８日の記者会見で、「本来、国がやるべきことを都が独自の豊かな財源でやると、結果的に地方自治体がやるべきことになってしまいかねない」と懸念を示しました。

　そして、子どもの医療費の助成制度も財源の豊かな自治体が先行して進めた結果、自治体間で格差が生まれ、国による全国一律の制度として「実現していない」と指摘したうえで、次のように述べました。

千葉県　熊谷俊人 知事
「都が先行してやると、地方がやるべきこととみなされ永遠に全国で実現しなくなるという懸念すらある。本来、国が責任をもって全国一律で機会を確保していくべき、できないのなら税制の偏在について考えていく必要がある」