「客引き」に注意を 千葉市が警察や地域団体と協力して警戒強化

　夏休みに入り、若い人たちが街中に外出する機会も増えています。

　そうした中、千葉市の繁華街では、若者が「客引き」などのトラブルに巻き込まれないよう、市が警察などと協力して注意を呼びかけています。

　居酒屋やカラオケ店などが建ち並び、県内でも一際華やかな繁華街、千葉市中央区の富士見地区。この地区は、市の条例などで客引きやスカウト行為が禁止されていますが、依然として、違反者が後を絶ちません。

　千葉市 地域安全課 中村 弘 担当課長
　「“安心して女性だけでは通れない”、“子どもの学習塾があって 帰りが夜遅いので不安”、 飲食店の同業者からも“チェーン店だとうそを言われてお客さんを持っていかれる”。取り締まってほしいという声が市側にも警察側にもいただいている」

　市によりますと、週末金曜日午後９時ごろには、客引き行為をする違反者は１５０人を超え、禁止区域から排除したとしても、組織的に行われている実態があるため、 “いたちごっこ”といえる状況が続いています。

　千葉市 地域安全課 中村 弘 担当課長
　「青少年がアルバイト感覚でやっている。（条例施行から）２年４か月経過した中で１００人以上を辞めさせているがＳＮＳで簡単に追加募集。辞めさせても次から次へと安易に客引きの高収入に誘われている若者がいる」

　こうした状況を打開しようと、市は２０２４年５月からパトロールの一部を「プロ」に委託する取り組みを始めました。

　格闘技を中心とするスポーツ経験者を積極的に採用している民間警備会社で、屈強な男性が２人１組で行動し、目を光らせます。

　千葉市 地域安全課 中村 弘 担当課長
　「客引き行為者と年齢が近い若者が中心。親身な声かけで 客引き行為者らも耳を傾けるという効果もある。声かけを相当数やって 若者も彼らの説得に応じて辞めようかなという声も聞いている」

　また、警察や地域団体とも協力して月に２回、合同パトロールを行っています。

　千葉市 地域安全課 中村 弘 担当課長
　「警察では違法駐車や違法店舗の取り締まり、立ち入り、地元では街中の街頭放送で客引き防止を訴える。あわせながらパトロールしてそれぞれ市民に訴えている」

　夏休みに入り、街中に外出する機会が増える中、特に若い人たちがトラブルに巻き込まれないよう、市は注意を呼びかけています。

　千葉市 地域安全課 中村 弘 担当課長
　「甘い言葉や割引券をちらつかせながら勧誘する客引きやスカウトで若者を狙ったグループがいる。学生や若者の皆さんは甘い言葉にだまされないように十分注意していただきたい。単に居酒屋や飲食店が従業員を募集しているだけではなく、裏にはいわゆる“反社グループ”などが見え隠れしている。その仲間に入ってしまうと簡単に抜け出せなく後悔する。入る前に一歩考えてやめていただきたい」