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“裏金”選挙区に無所属で出馬 費用を検証(千葉3区無所属新人大薄さんの場合)

チバテレ+プラス / 2024年10月31日 15時20分

“裏金”選挙区に無所属で出馬 費用を検証(千葉3区無所属新人大薄さんの場合)

  • 「政治に金がかかるのか検証したい」

 第50回衆院選千葉3区(千葉県市原市、千葉市緑区)は、裏金問題で背水の陣(比例重複なし)の自民党の松野博一前官房長官が立憲民主党の公認候補との接戦を制し、9回目の当選を決めました。
 全国的にも注目された“裏金”選挙区に無所属で立候補したのが大薄裕也(おおすきゆうや)さん(36)。「本当に政治に金がかかるのか。自分自身で検証してみたい」と出馬を決意しました。
 大薄さんは弁護士で、3児の父親。子どもの送迎をしてから事務所で仕事をする毎日でしたが、「若い世代の政治家が少ない」として、以前から30代のうちに立候補し政治家になりたいと考えていました。
 生まれ育った市原市を含む千葉3区が“裏金”選挙区の一つとして注目されましたが、立候補予定者は政党の公認候補3人に留まり、「有権者にとって候補者の選択肢がなさ過ぎる」という思いもあったといいいます。

  • 「かかったお金は約641万円」

 政治活動を始めたのは、2024年9月末。写真撮影や公式ホームページ作りから着手し、政治家を目指す上で自身の国家観や実現したい政策の発信を始めました。
 理想の政治家像として「兼業政治家」を掲げているため、衆院選の公示日以降も弁護士業務続け、家事を手伝ったり、子どもの運動会に参加したりする日々でした。
 街頭での演説や選挙カーの走行など従来型の選挙運動はせず、「自分の考えが最もよく伝わる」ブログの更新や、ホームページへの政策集の掲載など、主にインターネットで支持を訴えました。

【かかったお金 約640万の内訳】
◆政治活動(計80万円)
・写真撮影 約10万円
・公式ホームページ 約50万円
・ポータルサイト年間利用料 約20万円

◆選挙運動(計約560万円)
・ポスター作成と印刷 約100万円  ・掲示板へのポスター貼り 約50万円
・選挙ビラ作成と印刷 約50万円
・選挙ビラの証紙シール貼り・新聞折込み 約50万円
・選挙公報と新聞広告のデザイン料 約10万円
・供託金 300万円

 上記以外で、唯一お金がかかったのが、この襷(たすき)。

 投票日前日に選挙区内の2か所の公園へ「挨拶」で訪れた際、着用しました。量販店で購入し、名前を刺繍するなど加工したため、計約1万円かったそうです。

  • 「決して誰もが気軽にチャレンジできるものではない」

 今回かかったお金は、約641万円。すべてが自腹にはならず、選挙公営制度として、ポスターの作成費用などは公費で負担されました。ただ、その公費負担も、得票が規定を超えず供託金が没収となった場合、自己負担になるものもあります。ビラへの証紙貼りなどは、ボランティアの仲間がいればお金はかかりませんが、大薄さんは今回、業者に依頼しました。

 得票結果にもよりますが、今回の挑戦で、自己負担は最大550万円かかることが判明しました。大薄さんは「決して誰もが気軽にチャレンジできるものではない」と感じたそうです。

 一方で、供託金が没収されない場合は、自己負担は約200万円に留まることもわかりました。自民党は公認候補に公認料500万円、活動費1500万円の計2000万円を支給しました。最低自己負担額の10倍です。

 街頭活動の費用対効果など今回の衆院選と通して、政治(選挙)にかかるお金を検証してきた大薄さんは「はっきり言って、何のために合計2000万円ものカネが必要かまったく理解できません」と話しています。

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