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グッズが即完!? 『無名』で光る中国の新星ワン・イーボーに迫る

cinemacafe.net / 2024年5月4日 9時0分

中国若手スターの筆頭ワン・イーボー(王一博)が、中華圏が誇る世界的スターのトニー・レオンと共演した映画『無名』が5月3日に日本公開を迎えた。ポストカード付きムビチケカードの累計販売数が公開の約10週前に1万枚を突破、さらに売り上げを伸ばしているほか、イーボーの一部物販が予約販売を開始するや即完売するなど、異例の盛り上がりを見せているという。


近年、あまり日本で話題にならない中国の実写映画。「興業収入が○億円を突破!」「世界最大の映画市場になるか?」など、数字の話は聞こえてくるが、現地で大ヒットした作品も、日本では映画祭や単館上映でひっそり紹介されて終わりという状況が続いている。昨年は『さらば、わが愛/覇王別姫』4Kがリバイバル上映されて好評を博し、ロングラン上映しているが、こちらは日本初公開からすでに30年経っており、製作国で分類すれば香港映画。「中国のスターといえば?」と聞かれても、ピンとくる人は少ないのではないだろうか? 


もちろん、中国にもスターはいる。というか、日本のエンターテインメント界を基準に見ると、ケタ違いの規模のファンをアジア中に持つスターが。その1人が、ワン・イーボーだ。近年ファンを増やしている中国時代劇ドラマ等への出演で、日本にもすでに熱狂的なファンがいることは、先に述べた『無名』の公開前の盛り上がりからも分かる。



中韓アイドルグループから俳優へ、
「陳情令」で大ブレイク


少年時代からダンスが得意だったワン・イーボー。17歳の時、中国&韓国混合ボーイズグループ「UNIQ」のメンバーとしてデビュー。2018年にオーディション番組「創造101」(PRODUCE101の中国版)でアイドルグループ結成を目指す女性たちのダンス講師を務めて人気を博す。


(c) 2019 Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

大ブレイクのきっかけは、19年に配信されたファンタジー時代劇「陳情令」だ。中国の古代神話的な世界観を背景に、対照的な性格の青年2人が協力しながら奇妙な事件の真相を追究し、自分たちの運命に対峙していく物語。もともとは人気のBL小説を映像化したもので、配信されるや大ヒット。イーボーと、こちらも本作でイーボーと双璧を成す大人気俳優となったシャオ・ジャン(肖戦)がW主演を務め、この2人のケミストリーに多くの視聴者が熱狂。そのブームはアジア中に伝播した。


ブレイクから数年経った今も、イーボーの人気は安定。2023年だけで『無名』『ボーン・トゥ・フライ』『熱烈』と主演映画3本が公開された売れっ子ぶりで、その3作品すべてが今年日本で公開される。


スーツ姿がもはや芸術。
たたずまいの美しさが光る『無名』



画像を検索すると、人気者なのに笑顔を安売りしないムスッと顔(ファンの方ごめんなさい)、言い換えればクールな表情で納まっていることが多いのだが、それが彼の魅力であると力説したい。


無表情に見えて、瞳でちゃんと語れる人。その真価は、ドラマより大きなスクリーンのほうが存分に発揮されるのではないかと思わせてくれたのが、映画『無名』だ。


舞台は1940年代、第二次世界大戦下の上海。国民党、中国共産党、日本軍の間で名もなきスパイたちが熾烈な情報戦を繰り広げていた。


イーボーが演じるのは、(中華民国)汪兆銘政権下で諜報活動を行っているフー(トニー・レオン)の部下イエ。しかし、それぞれの正体は互いに知らない。誰が敵で、誰が味方なのか。誰もが疑心暗鬼になる中で、スパイたちの攻防戦がスリリングに展開する。


常に微笑みをたたえて相手に真意をつかませないトニーと、終始読めないポーカーフェイスを貫くイーボー。タイプの異なるスパイ2人を軸に物語が進む。


イーボーの大きな魅力は、たたずまいの美しさだ。抜群のプロポーションで着こなすクラシカルな装いが完璧にきまっている。シャープなデザインのスーツに身を包み、何も言わずにそこにいるだけで、表面張力で水分をたたえたような瞳が多くを物語る。落ち着き払っているが、幼さを残した丸い頬が、戦争に翻弄された若者の苦難を感じさせて悲しい。


その美しい衣装のまま、激しいアクションシーンも流れるようにこなしている。対するトニーは、アクションに関しても大ベテランだ。『シャンチー』での年齢を感じさせない動きも記憶に新しいが、場数で圧倒的にまさり、見せ方も心得えたスター。そんなトニー相手に、イーボーも引けを取らない頑張りを見せている。


トニーのコスチュームデザインは、『花様年華』『ラスト、コーション』などを担当し、トニーの魅力を知り尽くしたウィリアム・チャン。その他キャストの衣装は、チャンについて「鳳凰の飛翔」(Netflix配信)などで衣装を手がけているリュー・フォンシャンが担当している。とにかく、イーボーとトニーのスーツ姿を拝むだけでもおつりがくる。


筆書の好みを言えば、チョン・アル監督の演出はキメすぎというか(それが気持ちいいという意見も分かる)、ややトゥーマッチに感じる部分もあるのだが、「こういうトニーとイーボーが見たいんでしょ?」とファンが願う絵を全力で見せてくれているのは間違いない。そこは「ごちそうさまです」と素直に楽しむのが正解だろう。


俳優、歌手、レーサー…身体能力の高さでマルチに活躍


もう1つ、付け加えたいのは、俳優にとって大きな財産とも言える身体能力の高さ。ダンスが得意だというのは最初に紹介したが、イーボーはプロレーサーとしての顔も持つ。『無名』では日本語のセリフも多いが、おそらく耳からたたきこんだのであろう、クリアに聞き取れる発音の正確さに、歌手としても活躍する彼の音感の良さも感じられる。ちなみに本作のエンディング曲はイーボーが歌っているので、ぜひエンドロールまで鑑賞してほしい。


©Hangzhou Ruyi Film Co., Ltd.

そして9月6日日本公開の『熱烈』ではダンスの実力を披露。ブレイキンに情熱を傾ける青年がチームの仲間たちと全国大会優勝を目指す青春映画で、イーボーのひたむきな表情とダンスシーンをたっぷり堪能できる。



レーサーの経験が生きた?
『ボーン・トゥ・フライ』の戦闘機パイロット役




主演映画3本のうち、最後に紹介するのが6月28日に日本公開される『ボーン・トゥ・フライ』だ。


イーボーが演じるのは、空軍パイロットのレイ・ユー。その才能を見込んだ戦闘機のテストパイロットチーム隊長の勧誘を受け、厳しい選考の末、テストパイロットに選ばれる。選ばれた若手パイロットたちは、新世代ステルス戦闘機のテスト飛行という危険な任務に就くことに…。


イーボー演じるテストパイロットたちの使命は、機体の極限に挑み、問題点などを探し出すことで、パイロットが安全に乗れる戦闘機を前線に送り出すこと。自国のステルス戦闘機を開発するという目標に向けて、試験飛行を重ねるパイロットと開発者たちの挑戦を追う。


『トップガン』のような華やかな戦闘機乗りのお話ではなく、熱血漢ヒーローでもなく、この映画が描くのは、機械に対する探求者として職人的な仕事ぶりを見せる新世代のパイロット像。そんな役柄に、レーサーでもあるイーボーの個性がはまっており、トレードマークのポーカーフェイスも、肝の据わった落ち着きを感じさせて絶妙だ。


日本人としては、中国領域が外国機の脅威にさらされているという背景設定や、自国の自信を取り戻すという愛国映画としてのメッセージに複雑な思いはあるものの、パイロット同士の競争、若さゆえの失敗など、青春映画、成長物語としての面白さがあり、イーボーのさまざまな顔を楽しめる作品になっている。


監督・脚本の劉暁世は劇映画の経験は少ないものの、北京電影学院の監督科を出たあと、航空業界で研究用映像を撮るなど15年働いた経験があるそうで、本作のために100人以上のテストパイロットに取材したとか。戦闘機の機能の説明や訓練の裏側などは、どこまで真にリアルなのか素人には判断しがたいが、あまり見たことのない内容で見応えがある。


中国では、今年も3月から配信されたスパイドラマ「追風者(原題)」が高く評価され、5月1日から労働節(メーデー)に伴う大型連休に合わせて主演のアクション映画『維和防暴隊(原題)』が公開されるなど、快進撃が続くワン・イーボー。ドラマ出演も多く、日本で視聴できる出演ドラマに「 有翡(ゆうひ)-Legend of Love-」(20)、「風起洛陽~神都に翔ける蒼き炎~」(21)、「冰雨火(ひょううか)~BEING A HERO~」(22)などがある。映画で彼に射貫かれた人は、ぜひこちらもチェックしてみてほしい。

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