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伝説の女性監督の真髄に迫る「シャンタル・アケルマン映画祭」公私共に支えた編集者の来日も決定

cinemacafe.net / 2024年5月26日 16時0分

映画史に欠かせない女性監督、シャンタル・アケルマンの特集上映、題して「シャンタル・アケルマン映画祭2024」を一昨年、去年に続き今年も開催。初上映作品を含む全15作品がラインアップする。


ベルギー出身、フランスを中心に活躍した女性監督シャンタル・アケルマン。


シャンタル・アケルマン監督

平凡な主婦の日常を描き、映画界に革命を起こした3時間を超える大作『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』は2022年、英国映画協会が10年ぶりに更新した「史上最高の映画100」にて1位に選ばれるなどいまもなお世界に衝撃を与え続け、ファンを増やし続けている。


『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』

今年で3回目を迎える「シャンタル・アケルマン映画祭2024」では、初上映となる『ホテル・モンタレー』『南』『向こう側から』を加えた全15作品のラインアップ。また、後期のアケルマン作品の編集に携わり、公私共に彼女を支えたクレール・アテルトン氏の来日も決定した。


『ノー・ホーム・ムーヴィー』編集:クレール・アテルトン

昨年までに上映した『ジャンヌ・ディエルマン~』をふくむ12作品に加え、アケルマン監督にとって重要な連作<ドキュメンタリー三部作>より、アメリカ南部に根強く残る人種差別の実態を描く『南』と、危険を冒してでもアメリカに渡ろうとする移民たちの運命を追った『向こう側から』、そしてアケルマンの感性が冴えわたる初期の『ホテル・モンタレー』を本映画祭では初めて上映。


実験的な作品からミュージカル、文芸作まで、約半世紀にわたるアケルマンのキャリアに多面的に触れることができる絶好の機会となる。


<ドキュメンタリー三部作>ほか『囚われの女』『オルメイヤーの阿房宮』、遺作の『ノー・ホーム・ムーヴィー』の編集も手掛け、30年以上も公私共にアケルマンと親交があったクレール・アテルトンも初来日決定。全5回のトークイベントにも登壇する。


◆本映画祭で初上映作品


『ホテル・モンタレー』(1972)


エドワード・ホッパーの絵画を彷彿とさせるフレームで描き出される、ニューヨークのとあるホテルの内部。ロビーから寝室、時々姿を現す住人たち、思わず暗闇に目を凝らしたくなる無限に続く長い廊下、そして外へ…。


アケルマン監督と盟友のキャメラマン、バーベット・マンゴルトの魔法によって、街中にたたずむ安ホテルも非現実的な、ぞっとするほどの美が目配せする舞台へと変貌していく。


『南』(1999)


作家ウィリアム・フォークナーとジェームズ・ボールドウィンにインスパイアされ、アメリカ南部での映画製作を計画していたアケルマン。しかし撮影の数日前、テキサス州ジャスパーでアフリカ系アメリカ人のジェームズ・バード・ジュニアが白人至上主義者たちによって壮絶なリンチの果てに殺害される事件が起こる。


この恐ろしい事件に焦点を当てながら、アケルマンは地元の人々へのインタビューを通し、アメリカ社会に潜む憎悪とその背景を検証していく。


『向こう側から』(2002)


9.11の同時多発テロの直後、アケルマンはメキシコを訪れ、危険を冒してでもアメリカ合衆国に越境しようとする移民たちの運命をとらえた。ひとつひとつ積み重ねられる痛みや悲しみの言葉、不条理な状況を受け入れざるを得ない人々の証言。


アケルマンの眼差しによって、国境や砂漠の地の不在そのものが強烈な重みを増し、21世紀初頭の<行き止まり>を観客に内から体感させる。『東から』『南』と続くドキュメンタリー三部作を締めくくる作品。


◆そのほかの上映作品


『街をぶっ飛ばせ』(1968)、『私、あなた、彼、彼女』(1974)、『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(1975)、『家からの手紙』(1976)、


『私、あなた、彼、彼女』

『アンナの出会い』(1978)『一晩中』(1982)、『ゴールデン・エイティーズ』(1986)、


『ゴールデン・エイティーズ』

『アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学』(1989)、『東から』(1993)、『囚われの女』(2000)、『オルメイヤーの阿房宮』(2011)、『ノー・ホーム・ムーヴィー』(2015)。


『囚われの女』

「シャンタル・アケルマン映画祭2024」は6月19日(水)~7月7(日)、東京日仏学院エスパス・イマージュにて開催。
※6月22日(土)・24(月)・25(火)、7月1日(月)・2日(火)は休映


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