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「私の映画と通じるところも」宮崎駿監督からの影響明かす『Shirley』ジョセフィン・デッカー監督

cinemacafe.net / 2024年7月8日 19時0分

ゴシック作家シャーリイ・ジャクスンの伝記を映画化した現実と虚構が交錯する、幻惑の心理サスペンス『Shirley シャーリイ』。本作の監督ジョセフィン・デッカーが、自身が敬愛するマーティン・スコセッシ監督や宮崎駿監督から受けた影響や、集団によって起こされる悪夢について語ったインタビューが到着した。


本作の脚本は、ゴールデン・グローブ賞にノミネートもされたケヴィン・ベーコン主演ドラマ「アイ・ラブ・ディック」のサラ・ガビンズの手によるもの。これまで、世界各国の映画祭で高く評価された『Madeline’s Madeline』(原題)やA24とApple TV+の共同制作『空はどこにでも』など自分で脚本を手掛けてきたデッカー監督にとって、少し戸惑うこともあったという。


「自分で脚本を書いている時って、すでにもう映画が見えているんです。ほとんどフレーム毎に見えているような感じで、それをページに落とすのが大変なぐらい<視えて>いるんです。でも、ほかの人の脚本の場合<その人の世界>に入り込まなければいけないので、それを観察して、感じるっていうことをまずはやらなければいけない」と語る。


加えて、本作ではリハーサルの時間をほとんど取れなかったなか、それでも「撮影日は、カメラがどこに行って、どうやって動いたら自然に感じるか、やりやすいかみたいなことを午前中は費やしていましたね」と言い、「照明は360度照らしていたので、カメラも役者も自由に動き回れるようにしておいたんです。役者と一緒にいろいろ探っていた」と苦労を明かす。


本作でモデルとなったのは、個々が集団になった途端に思考能力が失われ、暴走していく“集団心理”の恐ろしさを描いた短編傑作「くじ」の作者としても有名なシャーリイ・ジャクスン。「くじ」について、「今でも、本当に皆さん共感できる作品だと思う」と監督は述懐。


「『くじ』では、女性が破壊されていく訳ですが、それはアメリカの南部で実際に起こっていること」と話し、「そこでは法律が、女性の中絶を否定しています。ですが、ごく僅かなクレイジーな人々が『中絶しても意味がない』と思っていて。でも世の中には子どもをちゃんと育てられない女性もいるわけです」とも、個々の声が潰されることで、集団によって起こされる悪夢についても懸念を露わにする。


また、長編第4作目となった本作にはエグゼクティブ・プロデューサーとしてマーティン・スコセッシが名を連ねている。「私の一番最初の映画を見て、すごく気に入ってくれて。『何か機会があれば、エグゼクティブプロデューサーになってもいいよ』って言ってくれてたんです」とデッカー監督。「だから本作のプロジェクトが始まった時に、私がそれを思い出して声をかけたら、脚本を読んでOKしてくれたんです」と言う。


その後は、なかなか製作資金が集まらず大変なときもあったそうだが、「彼が来てくれたことで上手くいったと思う」と感謝しきり。「本当にたくさんの素敵な考えも出してくれて、『Shirley シャーリイ』のことを大事にしてくれて」と語り、「本当に親切で、寛容で。気前のいい人で。私の作品に、彼の名前をエグゼクティブプロデューサーとして迎えることができてとても光栄に感じてます」と笑顔を見せる。


日本の映画監督では「宮崎駿が大好き」だという。「私が20代の頃『千と千尋の神隠し』をみて、すごく感動して日本語を学び始めたくらい」「本当に大好き!」とデッカー監督。


最近は最新作『君たちはどう生きるか』を鑑賞したそうで、「作品は全く違うのですが…リアリティがちょっと歪曲しているとか、ファンタジーなところとか、おとぎ話っぽいところっていうのは私の映画と通じるところもあるなと。私自身、宮崎監督の影響を受けているのかなあって思うこともあります」と明かした。


『Shirley シャーリイ』はTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中。



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