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【インタビュー】多部未華子、10代の子を持つ母親の気持ちに「いつか来るんだろうなぁ…」

cinemacafe.net / 2024年8月1日 7時45分

【思春期】と聞いて何を思い浮かべるか? 頼まれてもないのに勝手に自身の10代の頃を思い出し、赤面し思わずその場で身悶えしそうになるという人も多いのではないだろうか?


大人になる過程を描いた映画は幾多もあるが、言葉では言い表せない、何とも表現しがたいモヤモヤしたあの感情を斬新な切り口で、アニメーション映画として見事に描いたのがディズニー&ピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』だ。


人々の頭の中に存在する感情たちの“司令部(コントロールルーム)”での奮闘ぶりを描く本作だが、主人公・ライリーが生まれてから11歳になるまでを描いた前作(2015年)の続編となる今回、ライリーはついにティーンエイジャーに!


これまでのヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリという感情に加えて、少しずつ成長していく中で芽生える複雑で新たな<大人の感情>たちが登場する。そのひとつである【シンパイ】の日本語版声優を務めているのが多部未華子だ。


【最悪の将来を想像し、あたふたと必要以上に準備してしまう】という役割ゆえに、ライリーの頭の中に大騒動を巻き起こすことになるシンパイを「愛おしく感じた」という多部さんに話を聞いた。


頭の中を描く物語
「本当によくできたお話だなぁ」


――第1作の『インサイド・ヘッド』を映画館でご覧になっていたそうですが、どのような感想を抱かれましたか?


まず(頭の中を描くという)設定に驚いて、「どうやって描くんだろう?」と思って映画館に観に行ったんですけど、ライリーが小さな頃からの物語で、ライリーのことをみんなで協力して守ろうとする様子が色鮮やかに描かれていて、本当によくできたお話だなぁと思いました。


――続編となる『インサイド・ヘッド2』への出演がわかった時の気持ちは?


お話をいただいた時は、まずは前作を観ていた者として「え? 『2』やるんだ!」と単純に思いました。


「なるほど! 感情ってたしかに増えていくものだもんね。すごいなぁ…」と思って、参加させていただけるならぜひやりたいと思いました。


――ライリーが少しずつ成長していく様子が描かれますが、ストーリーについてはどんな印象を持ちましたか?


あらすじの紙を最初にいただいたんですけど、ライリーが思春期を迎えて、先輩たちがいるアイスホッケーの合宿に行って…というのを読んで「なるほど! 思春期ってそうやって心が揺れたりするよねぇ。本当によくできたお話だなぁ」とその時も思いましたね。


――ご自身の10代のころを思い出したり、ちょっと恥ずかしくなったりすることはありませんでしたか?


ありましたね。共感するところばかりでした。先輩を前にカッコつけたり、髪の毛を真似しようとしたり、「いいなぁ」と思ったり、「こう答えたら幼稚って思われるんじゃないか?」と考えたり…。


私は中学生で仕事を始めているので、高校生の時期にいろんな大人の人たちと会話をすることが多かったんですけど、「好きな映画は?」と聞かれて「こう答えたら『まあ高校生だしそんな感じだよね』とか思われるんじゃないか…?」とか考えていたなぁと当時のことを思い返しましたね。本当に映画の中のライリーと同じでした。


――ご自身が声を吹き込んだシンパイというキャラクターについてはどんな印象を持たれましたか?


シンパイはちょっと物語の中で大げさに誇張されていて、「そこまで心配しなくても…」というキャラクターになってはいますけど、でもシンパイが「シンパイは他の感情と違って、先回りして未来を予測しなきゃいけない」という意味のセリフを言うところがあって、その言葉を読んで「たしかにそういう感情はシンパイだけだよな」と思って、自分の中にも常にある感情だなと改めて思いました。


――10代の頃だけでなく、年齢を重ねて、親になるなど、様々な局面で形を変えつつ、シンパイの種は常にあるものかと思います。


そうなんですよね。ずっとあるんですよ。逆に、そういえば、子どもの頃って何も考えず、心配なんて何もなかったよなぁ…と思って、また本当によくできたお話だなぁと思いました(笑)。



親たちの頭の中にも共感


――最悪の将来を想像して、先回りするあまりあたふたとしてしまうシンパイですが、多くの人が多部さんに対して落ち着いた印象を持っているかと思うので、意外なキャスティングにも思えました。


私自身は普段からわりとバタついているタイプだと思うので(苦笑)、そういう意味ではあんまり自分とシンパイがかけ離れているとは思っていないんです。みなさんが抱いている私のイメージとはちょっと違うのかもしれませんね。


ただ、シンパイというキャラクターを演じる上では、一番最初に「あまり共感しながら声をあてることはできないかもしれません」という注意書きをいただいたんです。あまりに心配し過ぎて、みんなを巻き込んで、自分のやり方で自分の思い通りに動かそうとするキャラクターですし、すごく極端に描かれている部分も多いので。


ただ、シンパイも愛をもって、そういう行動をとるので、そこに対して全く共感できないということもなかったですね。


――シンパイ以外の新キャラクターとして、【ハズカシ】、【イイナー】、【ダリィ】なども登場しますが、これらの感情に対して共感を抱く部分はありましたか?


全部共感しますよ。私、ずっと「だるいなー」と思いながら生きていますから(笑)。というか、私に限らずみんなの中に必ずあると思います。「めんどくさいなぁ」とか。


――ライリーの頭の中だけでなく、親たちの頭の中が描かれるシーンもありますが、そちらに共感を覚える部分も多かったのでは?


それはすごくありましたね。今回、特にライリーが思春期を迎えてイラっとしはじめた時、お母さんたちの頭の中で「これがウワサの…」と騒ぎ始めるところとか。


私にはまだ、思春期を迎える子どもはいませんけど、「いつか、うちの子にも思春期が来るんだろうな」と思っているし、その時が来たら「(思春期の子を前に)あ、ちょっと態度が変わった」とか思うんでしょうね。ああいうシーンでの頭の中の感情たちの会話って、すごくリアルなんだろうなと思いますし、自分はまだ経験していないところも含めて、すごく想像できるシーンで面白かったです。いつか来るんだろうと思いつつ(笑)。


――特にお気に入りのシーンや印象深いシーンはありますか?


シンパイが泣いちゃうところですね。あのシーンがあるから、シンパイが愛おしく思えました。収録している時はいっぱいいっぱいで、なかなか見えていないんですけど、出来上がった映画を観て「あぁ、シンパイってここで泣くんだ…」と思いました。最初は周りを巻き込んでひっかき回す悪役っぽい、ややこしいキャラクターなのかなと思いつつ、あのシーンで一体感が生まれて、涙がじわっと出てきて愛おしく感じました。



感情のコントロールは
「全部吐き出すこと」


――第1作から引き続き登場するヨロコビやカナシミたちも活躍しますが、ヨロコビが、失敗したり、ダメだった忘れたい思い出を全部捨ててしまおうとするところも、「失敗も含めて人生なんだ」という本作のメッセージを感じつつも、ついヨロコビの行動に共感してしまったり…。


すごくわかります(笑)。そこも含めて、本当にどの感情も人生において必要なんだって教えてくれるんですよね。どの感情も恥ずかしいことじゃなく、自分を成長させてくれるし、何かが欠けているとやっぱり成立しないし、欠けている部分を補ってくれるのも別の感情なんですよね。


感情のバランスとチームワークで人間って生きていて、自分の中で自分のことをコントロールして、問題を解決しようとする――まさに“インサイド・ヘッド”ですよね。本当にここに出てくるのは、言葉では表しにくいキャラクターたちなんだなぁって思います。


――多部さん自身は、仕事やプライベートで、怒りや不安、緊張といった感情の波をどうやってコントロールされていますか? 気持ちを落ち着かせるために大切にされていることはありますか?


感情を落ち着かせるために大事にしているのは…全部吐き出すことですね。思ったことを思った時点で目の前の相手に伝えます。


――それは昔から? それとも大人になってから身に着けたことですか?


大人になってからのほうが言いたいことを言ってますね(笑)。もちろん、特定の相手に対してですけど。


――気持ちを素直に吐き出すことで、相手ともコミュニケーションを?


コミュニケーションというよりは、一方的に伝えていますね。「はぁ、スッキリした!」って(笑)。口に出すことで自分の中で整理できる部分もあると思います。言って楽になることってすごく多い。


――映画ではライリーの思春期がフィーチャーされていますが、多部さん自身、年齢を重ねる中で、これまでになかった新たな感情をかき立てられるということはありますか?


最近、「図々しさ」と「開き直り」という感情が出てきましたね。いや、これは感情じゃないか…(笑)? 良いのか悪いのかはわかりませんが、図々しく生きてます(笑)!


――最後にこれまでに繰り返し観てきたお気に入りのディズニー&ピクサー作品があれば教えてください。


これは『モンスターズ・インク』一択です! これまでも何度も観ましたし、子どもが生まれてからも「ディズニープラス」で観てますし、それ以外の作品も幅広く観るようになったんですけど、やっぱり『モンスターズ・インク』だけは毎回泣いてます。一緒に観る友達にも「はい、いまから泣くんでしょ?」と言われながら、あのラストシーンのあの表情ですっごい泣きます。いま、思い出しただけでもグッときちゃうくらい、大好きです!

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