井之脇海「本当に幸せな時間」村上春樹ライブラリーで全編撮影 『ピアニストを待ちながら』特報
cinemacafe.net / 2024年8月1日 20時0分
井之脇海主演、共演に木竜麻生らを迎えた映画『ピアニストを待ちながら』が10月12日(土)より劇場公開決定。特報映像も到着した。
真夜中の図書館で目を覚ました瞬介は、なぜか外に出られぬまま、旧友の行人、貴織と再会する。いつまでも明けない夜、学生時代の演劇仲間だった3人は、かつて上演できなかった芝居の稽古を始める。それは行人が作演するはずだった「ピアニストを待ちながら」であった――。
本作は、『のんきな姉さん』でデビュー後、『眠り姫』や、建築家との共作『DUBHOUSE』や「音から作る映画」プロジェクト、『背 吉増剛造×空間現代』などを撮り、今年デビュー20周年となる異才・七里圭が、世界的な建築家・隈研吾が手掛けた村上春樹ライブラリーの館内で全編撮影した待望の最新作。
2022年10月に早稲田大学にて45分版が初披露され、翌2023年1月に舞台挨拶付きで特別上映されたが、この度、61分の劇場公開版として生まれ変わった。
瞬介を演じたのは、9歳からスタートさせた役者のキャリアと、大学で映画制作を学んだ経歴も持つ豊かな知見で脚本を咀嚼する実力派の井之脇海。
![](https://www.cinemacafe.net/imgs/zoom/670749.jpg)
『東京ソナタ』(08)で天才ピアニスト少年を、『ミュジコフィリア』(21)でも現代音楽に目覚める学生を演じた井之脇は、本作でも吹き替えなしでピアノの演奏を披露している。
瞬介の大学の同級生・貴織役には、『わたし達はおとな』『福田村事件』『熱のあとに』などの話題作で爪痕を残してきた木竜麻生。
![](https://www.cinemacafe.net/imgs/zoom/670751.jpg)
瞬介の友人で演劇青年の行人には、『ミスミソウ』『劇場版 美しい波 ~eternal』の大友一生。また、謎めいた存在感を持つシングルマザーの絵美を『王国(あるいはその家について)』『ナミビアの砂漠』の澁谷麻美、中年男の出目には『夜明けのすべて』『蒲団』の斉藤陽一郎が演じる。
今回併せて、井之脇、木竜、大友、澁谷、斉藤、七里監督のコメントが到着。
村上春樹が使っていたピアノで演奏シーンに挑んだ井之脇は、「僕は、村上さんの小説が大好きなので、本当に幸せな時間でした。僕が弾いた生音が、そのまま使われているので、そこもにも注目して観ていただけたら嬉しい」とコメント。
そして七里監督は「私たちは夜な夜な集まり、深夜の図書館でこの映画の物語そのままに幽閉され」と撮影を述懐し、「へんくつな監督の不条理な要求に粘り強く付き合ってくれたキャスト・スタッフの皆さんには、本当に感謝の言葉しかありません」と語る。
また、「繋がりにつながれて、真夜中」という不思議なキャッチコピーと共に、登場人物たちが深夜の図書館でダンスする姿を収めた特報も解禁された。
コメント全文
井之脇海(瞬介役)
劇場公開が決まり、とても嬉しいです!
この作品は、台本がかなり難解で、最初は分からないことも多く、チーム全員で一つ一つ立ち止まって、
話し合いながら撮影しました。
“分からない”からこそ、あれこれ考えながら見る楽しさが詰まった映画になりましたので、
どう受け取っていただけるのか楽しみです。
また、ロケ地の村上春樹ライブラリーに展示されている、村上さんが実際に弾かれていたピアノを、
劇中で演奏させていただきました。
僕は、村上さんの小説が大好きなので、本当に幸せな時間でした。
僕が弾いた生音が、そのまま使われているので、そこにも注目して観ていただけたら嬉しいです。
木竜麻生(貴織役)
「ピアニストを待ちながら」公開決定おめでとうございます。
公開が決まり嬉しく思います。
撮影はもう2年前のことで、村上春樹ライブラリーをお借りして夕方から朝方にかけて撮影をさせていただき、なかなか経験できない思い出深いものとなりました。
監督、スタッフ、キャスト、ご一緒した皆さんとだから完成できた作品が皆さんにどんなふうに届くのか今から楽しみです。
大友一生(行人役)
撮影から2年、またこの作品が上映されるのがとても嬉しいです。監督ならびにスタッフの皆様、本当にありがとうございます。
劇中に登場するダンスは何度も稽古を重ねて動きをつけていきました。
そこに井之脇さんの奏でる旋律が合わさって、とても印象深いシーンになっています。ぜひ注目してご覧頂きたいです。
澁谷麻美(絵美役)
真夜中のライブラリーで
ずっと迷路の中にいるみたいだったけど
みんなの声だけに明かりが灯っていました
今も私の亡霊が、あの階段に腰掛けて
あの空間を浮遊しているような気がしています
斉藤陽一郎(出目役)
夜の帳が下りる頃、私たちは物語の登場人物たち同様に閉館後の図書館に集い、朝日が昇るまで撮影をしていました。
不条理で難解な物語と格闘し、何かが「わかり」そうになった途端にそれはするりと腕の中から逃げていく日々。
そもそも私たちには何かを本当に「わかる」なんていう事が出来るのでしょうか?
「わかった」などとは口が裂けても言ってはいけない気すらしてきます。
しかしこの「わからない」という豊かさの中で過ごす時間は、それはそれは本当に夢のような時間でした。
私が感じた豊かさを劇場で少しでも「わかって」頂けたら嬉しいです。
七里圭監督
ようやく劇場公開できます。思い起こせば、二年前。凍えるような寒い時期から早春にかけて、私たちは夜な夜な集まり、深夜の図書館でこの映画の物語そのままに幽閉され。撮影しながら夜明けを求め、模索し続けていた。へんくつな監督の不条理な要求に粘り強く付き合ってくれたキャスト・スタッフの皆さんには、本当に感謝の言葉しかありません。そのロケの後、超特急で納品に間に合わせた、開館記念の短編。それをもとに、じっくりと音楽を作り、音響や編集に手を入れ、丁寧に仕上げた1時間強の完成品。ついにお披露目です。ぜひ劇場で堪能していただきたいです。
『ピアニストを待ちながら』は10月12日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。
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