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『夏の終わりに願うこと』『サマーウォーズ』『リメンバー・ミー』ほか、家族の絆と脆さを描く傑作5選

cinemacafe.net / 2024年8月13日 17時0分

ベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞受賞、アカデミー賞国際長編映画賞ショートリストに選出された『夏の終わりに願うこと』が現在公開中


病気の父親の誕生日パーティーに、少女が迎えようとする大切な人との“別れ”と心の揺らめきを繊細に描き切った本作には、「今年ベスト!」「ラストで一気に涙が出た」「大切な人との別れを経験した人に観てほしい」など絶賛の声が続々と届いている。


さらに本作は、節目の日にひとつの家に集まった大家族たちの“あるある”を見事に描き切っている。家族のことを心の奥底では思っていても、それぞれに都合があり、思いがある。そうした思いがぶつかり合い、大人たちはときに言い合い、子どもたちはお構いなしに家中を駆け回る。そんな風景は海を越え、ここ日本でも、いつの時代にも描かれてきたもの。


帰省シーズン真っ只中の夏の日に、そんな共感必至の名作たちを紹介する。


『海街diary』(2015/是枝裕和監督)


鎌倉の古い家で暮らす3姉妹のもとに、15年前に家を出て行った父親の訃報が届く。3人は葬儀で、母親違いの妹と初対面する。彼女の母は、すでに他界していた。そして、姉妹は身寄りを失くした彼女に対し、鎌倉で一緒に暮らさないかと誘いかける…。


異母姉妹の登場にそれぞれの感情は波打ち、ときに不協和音を奏でるが、徐々に互いに歩み寄っていく姿は観る者の胸を打つ。是枝裕和監督の描く家族のありのままの姿は、『夏の終わりに願うこと』のまるでドキュメンタリーのような映像にも重なって見えるはず。


『海街Diary』はAmazon Prime Video、Netflix、U-NEXTほかにて配信中。



たかが世界の終わり(2017/グザヴィエ・ドラン監督)


グザヴィエ・ドラン監督が、劇作家ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「まさに世界の終わり」を原作に、自分の死期が近いことを伝えるため12年ぶりに帰郷した若手作家の苦悩と家族の葛藤や愛を描く。


若手作家のルイは病で自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰ってくる。しかし家族と他愛のない会話を交わすうちに、告白するタイミングを失ってしまい…。


浮足立つ母や妹、反対にそっけない態度の兄…絶妙な関係性のバランスが、食卓を囲むうちに崩れていく。死と隣り合わせの状況で、ぶつかり合いながらも“愛とは”、その答えに向かっていくそれぞれの心の機微が描かれるさまは『夏の終わりに願うこと』の主人公の父・トナの胸中を思わせる。


『たかが世界の終わり』はAmazon Prime Video、Lemino、U-NEXTほかにて配信中。


サマーウォーズ(2009/細田守監督)


数学が得意だが気弱な高校2年生の健二は、憧れの先輩・夏希に頼まれ、夏休みの間、親戚一同が集まる彼女の実家で夏希のフィアンセとして過ごすことに。そんなとき、健二はネット上の仮想空間「OZ」で起きた事件に巻き込まれ、その影響が現実世界にも波及。夏希の一家ともども、世界の危機に立ち向かう――。


一家を支える大おばあちゃんのように、メキシコでも実は家庭内で一番頼りになるのは女性なのかも…?


『サマーウォーズ』はHuluほかにて配信中。


リメンバー・ミー(2018/リー・アンクリッチ監督)


ミュージシャンを夢見るギターの天才少年ミゲル。だが、彼の一族は代々、音楽を禁じられていた。ある日、先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまったミゲル。日の出までに元の世界に戻らないと、ミゲルの体は消えてしまう! そんな彼に手を差し伸べたのは、陽気だけど孤独なガイコツ、ヘクター。


やがて2人がたどり着く、ミゲルの一族の驚くべき“秘密”とは? 全ての謎を解く鍵は、伝説の歌手が遺した名曲“リメンバー・ミー”に隠されていた…。


『夏の終わりに願うこと』と同じくメキシコが舞台の本作。生と死は地続きであり、一緒にいられなくてもつながっているということを伝えてくれる名作。


『リメンバー・ミー』はディズニープラスほかにて配信中。



夏の終わりに願うこと(2024/リラ・アビレス監督)


ある夏の1日。7歳の少女・ソルは、母に連れられて父・トナの誕生日パーティーのため祖父の家を訪ねる。病気で療養中の父と久しぶりに会えることを無邪気に喜ぶソルだったが、準備に駆け回る家族の異変に気がついていく。よろこびや戸惑い、希望や不安…それぞれが抱える思いが交差するなか、パーティーが始まろうとしていた――。


病気の父に久々に会える喜びと、残された時間がいかに貴重なものであるかを気づかされていくソルの表情。自らも不安な思いを抱えながら子どもたちに悟られないようにと、はつらつと振る舞う大人たちの姿も印象的だ。そして大家族が一堂に会した夏の日の、何気ない、でも愛おしくなるようなやり取りの数々が胸をくすぐる。


「ほっといて」「もう限界」…姉妹の本心が見え隠れする1シーン公開


今回本作から、家族だからこそぶつかり合う、ほろ苦いけれど思いやりにあふれた姉妹のやり取りが垣間見える本編映像を一部解禁。



姉・アレハンドラが勧めるマグカップを受け取り、コーヒーを一口すするヌリアの姿から始まる。彼女は弟トナの最後かもしれない誕生日を祝うパーティーだというのに、会場には現れずキッチンでお酒を飲んでいたようだ。


病気に苦しむ弟へのやるせない気持ちを落ち着かせようと必死なヌリアと、彼のためを思って開催したパーティーは全力で成功させなくてはとむきになるアレハンドラ。「ほっといて」「もう限界」「あなたにはうんざりよ」と言い合いになるが、端々には「姉さんが望んだから」「休むのは自分の方」と相手を思っての行動や気持ちがにじむ言葉も。



姉として、大人として毅然とふるまおうと思っても姉妹ゲンカはきっと幼いころから変わらないし、互いを誰よりも分かっているからこそのワンシーンからは、2人の本心が見え隠れして、胸を締めつけられるものとなっている。


『夏の終わりに願うこと』はヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開中。


※カッコ内は公開年




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