1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

ライアン・ゴズリングの本領発揮 『バービー』から映画愛たっぷりの『フォールガイ』へ 

cinemacafe.net / 2024年8月17日 12時0分

ライアン・ゴズリング主演、デヴィッド・リーチ監督の『フォールガイ』は真夏にぴったりのポップコーンムービーだ。


ゴズリングがスター俳優のスタントダブルを難なくこなす超一流スタントマン、コルト・シーバースを演じる本作はド派手な規格外アクションの数々と想定外の展開が待ち受け、エミリー・ブラント演じる新進映画監督ジョディ・モレノとのロマンスも見どころ。


『フォールガイ』

このところ、『バービー』の“ケン”としてアカデミー賞をはじめ数々の賞にノミネートされたり、授賞式でパフォーマンスを披露したりと活躍してきたなか、本作では“替えの効かない俳優”ライアン・ゴズリングの本領発揮ともいえる魅力を大いに振りまいている。


『フォールガイ』

2010年代の本格ブレイクと『ラ・ラ・ランド』


1980年生まれ、カナダ出身のゴズリングは、1993年から2年間、人気キッズ番組「ミッキーマウス・クラブ(MMC)」に出演し、その芸能キャリアは30年以上に及ぶ。同番組の出演者にはジャスティン・ティンバーレイクやブリトニー・スピアーズ、クリスティーナ・アギレラといった錚々たる面々がいた。


ライアン・ゴズリング Photo by Mike CoppolaGetty Images

その後、俳優の道に進んだゴズリングは『タイタンズを忘れない』(2000)でハリウッドに進出。『完全犯罪クラブ』『16歳の合衆国』といった作品で演技力の片鱗を見せ、2004年、レイチェル・マクアダムスと共演した『きみに読む物語』でブレイクする。


アカデミー賞に初ノミネートされたのは、ドラッグ依存症の教師ダン役で主演した『ハーフネルソン』(2006)。続く『ラースと、その彼女』(2007)でもリアルドールを本物の彼女と信じ込む青年に扮して高い評価を受ける。こうした初期の作品は、何らかの問題を抱えた繊細な青年役が多かった。


『ラースと、その彼女』

2010年以降はジャンルもさまざまに、独創的な作風を持つ多くの監督たちと仕事をしてきた。


『ブルーバレンタイン』(2010)で夫婦の愛の始まりと終わりを生々しく痛烈に演じた一方、『ラブ・アゲイン』(2010)では“男らしさ”を冴えない中年男性にコーチングする、洗練された会話術やファッションセンスを持つプレイボーイという180度違う役柄を演じた。


『ラブ・アゲイン』

その人気をさらに決定づけたのが、デンマーク出身の異才ニコラス・ウィンディング・レフン監督と組んだ『ドライヴ』(2011)。ネオン瞬く街で、愛のために容赦のない暴力に堕ちていく寡黙な“ドライバー”は強烈だった。自身の初監督作『ロスト・リバー』には同監督からの影響も色濃い。


『ドライヴ』

その一方、ジョージ・クルーニー監督『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』(2011)では、性被害に遭った選挙スタッフの女性インターン(エヴァン・レイチェル・ウッド)と関わり、野心が揺らぐ広報官に扮している。


2016年にもまったく毛色の異なる2作品に出演した。夢見るジャズピアニストを演じたデイミアン・チャゼル監督の『ラ・ラ・ランド』と、同じロサンゼルスでも70年代を舞台にしたバディもの『ナイスガイズ!』だ。


『ナイスガイズ!』

ミュージカル映画へのオマージュや名作映画のロケ地など、映画愛も詰まった『ラ・ラ・ランド』では夢追うミアの背中を押すセブを演じ、アカデミー賞にノミネート。ジャズピアノを猛特訓し、吹き替えなしで演奏したことも話題となった。


『ラ・ラ・ランド』


実にバラエティに富んだ作品群の中で、ミシェル・ウィリアムズやエマ・ストーン、キャリー・マリガンら共演女優たちも一緒にスターダムを上っていったのが印象的だ。


『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』

また、『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(2012)で出会ったエヴァ・メンデスとは結婚し、2人の娘の父親となっている。


『バービー』以後だからこその『フォールガイ』


寡黙で無骨な雰囲気を醸し出したかと思えば、ユーモアたっぷりで話し上手の洒脱なキャラクターも似合うゴズリング。「サタデー・ナイト・ライブ」での名ホストぶりを見れば、より彼らしいのは後者だ。


『バービー』で人気を集めた楽曲「I'm Just Ken」を悲哀たっぷりに歌い上げ、泣き崩れることのできるトップ俳優はゴズリングしかいない。


ライアン・ゴズリング Photo by Mathew Tsang/Getty Images

かつてバットマン/ブルース・ウェイン役の有力候補の1人だったという報道もあったが、もしバットマンを演じていたなら、『バービー』のケンも、最新作『フォールガイ』のコルトも誕生することはなかっただろう。


『フォールガイ』とはスタント用語で「高所から人が落下すること」、俳優の代わりに落ちるのがスタントマンだ。


演じるコルト・シーバースは、その中でも超一流。カースタントでは『ドライヴ』の“ドライバー”も驚く「キャノンロール」を8回半も成功(ギネス世界記録を更新)させ、シドニーを舞台に走り、飛び、落ち、転がってはクールにアクションを決める。


かと思えば、元恋人ジュディとの再会には動揺しまくり、テイラー・スウィフトを1人で熱唱するなど、チャーミングすぎるギャップが魅力だ。


キャラクター的には、時々弱音を吐きつつもツキまで味方にしてしまう、ゴズリング史上“最も愉快な”『ナイスガイズ!』の私立探偵ホランド・マーチが近いかもしれない。何があってもめげずに、自身の肉体と精神力、培ってきた経験値を信じて“強み”を発揮するのは、『ブレードランナー 2049』(2017)の捜査官KやNetflix映画『グレイマン』(2022)の工作員シエラ・シックスのようでもある。


そんなコルトの原動力が、撮影監督からキャリアを積み映画監督デビューを控えている元恋人ジュディなのだ。映画界のスーパースター、トム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)を主演に迎えたジュディ初監督の“SF恋愛超大作『メタルストーム』”を何とか完成させるため、コルトは文字通り命を賭けて身を捧げ、“フォールガイ”に徹する。


ゴズリングが演じるコルトは、まるで自分らしさを見つけた “ケン”であり、愛する女性を励まし支える“セブ”でもある。愛されゴズリングにとって、周囲のキャスト、スタッフへの信頼と献身が最も集約されるスタントマンは、ハマるしかない役なのだ。


次回作は、プロデューサーにも名を連ねる『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(原題)が2026年3月20日に全米公開予定。『オデッセイ』の原作者アンディ・ウィアーの同名小説の映画化で、宇宙船の中でたった1人、記憶を失った科学教師が人類滅亡の危機に立ち向かう。


地球外へ向かうのはチャゼル監督の『ファースト・マン』以来。『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズのフィル・ロード&クリス・ミラー監督コンビとあって、また期待ができそうだ。


『フォールガイ』は8月16日(金)より全国にて公開。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください