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エマ・ストーンが「見つけた共通点」とは?『憐れみの3章』3役を見事に演じ分け

cinemacafe.net / 2024年8月18日 13時0分

『哀れなるものたち』に続いて、ヨルゴス・ランティモスとエマ・ストーンの映画界最高峰の最強タッグが送り出す衝撃の最新作『憐れみの3章』。この度、本作でストーンが挑んだ、異なる3つのキャラクターの演じ分けにも注目の新写真3点が解禁となった。


ランティモス監督の最新作で3度目のタッグを組んだのは、『ラ・ラ・ランド』、そして『哀れなるものたち』においてアカデミー賞主演女優賞を受賞し、現在のハリウッドで最も多才で人気の高い映画人のひとり、エマ・ストーン。


ヨルゴス・ランティモス監督&エマ・ストーン Photo by John Shearer/Getty Images for Critics Choice Association

この10年における数々の最重要作品で多数の賞を受賞し、映画界の注目を集めてきた存在だ。


■初タッグは『女王陛下のお気に入り』


18世紀イングランドの王室を舞台に、3人の女性の入り乱れる愛憎を描いた人間ドラマ『女王陛下のお気に入り』(19)でランティモス監督と初タッグを組んだストーン。


同作で演じたのは、オリビア・コールマン演じるアン女王に侍女として仕える女性・アビゲイル。病弱なアン女王の代わりに、親友で政治顧問のサラ(レイチェル・ワイズ)が国を治める中、新たな召使いとして着任したのがアビゲイルだった。


『女王陛下のお気に入り』(C) 2019 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

貴族家系がルーツのアビゲイルは、上流階級への返り咲きを狙い、アン女王の相手として気に入られようと画策する。冷静で賢く、人を際限なく魅了する才能を持ち合わせるアビゲイルを強烈に演じ、本作で第91回アカデミー賞助演女優賞ほか、数々の賞にノミネート。


ランティモス監督の手によってストーンの新たな一面が引き出され、卓越した演技力とその存在感は多くの人を魅了した。


■エマ・ストーンがアカデミー賞受賞『哀れなるものたち』


ランティモス監督と2度目のタッグとなったのが、第80回ベネチア国際映画祭で最高賞〈金獅子賞〉を獲得し、第96回アカデミー賞では主演女優賞を含む4部門を受賞するなど、数々の賞レースを席巻した『哀れなるものたち』(23)。


ストーンが演じたのは、自ら命を絶った不幸な若き女性・ベラ。天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)の手によって“生まれたての女性”として奇跡的に蘇生したベラは、「世界を自分の目で見たい」という強い欲望に駆られ、ヨーロッパ大陸横断の旅をしながら新しい世界を見つけていく。


『哀れなるものたち』©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ストーンは、ジェンダー、年齢、国籍、時代、そのすべてを超越して、真の自由を手にするために前へと進み続けるベラを、繊細かつダイナミックに演じきり、誰もが初めて出会う、これまでにないキャラクターを見事に表現。


このベラ役で、2度目のアカデミー賞主演女優賞に輝き、映画史にその名を刻み込む快挙を成し遂げた。


■3つのストーリー、3つの役『憐れみの3章』


そして、ついに3度目のタッグとなった最新作『憐れみの3章』では、3つに構成されたストーリーで別々のキャラクターを演じる、という新たな挑戦に挑んでいる。ストーンは全く印象の異なる3役を見事に演じ分け、これまでとはひと味もふた味も違う魅力で新たな躍進を遂げている。


【第1章】
第1章となる「自分の人生を取り戻そうと格闘する、選択肢を奪われた男」を描いた1つ目の物語では、ジェシー・プレモンス演じるロバートが出会う女性・リタを演じている。


美しいロングヘアでタイトなミニドレスを着こなし、優しさを感じさせながらも、どこかミステリアスで謎めいた雰囲気の女性であるリタはチャーミングな笑顔が印象的。誰もが魅了されるだろう。


【第2章】
第2章となる2つ目の物語「海で失踪し帰還するも別人のようになった妻を恐れる警官」では、プレモンス演じる警官ダニエルの妻・リズ役を演じ、第1章の物語とは全く違った印象を与えている。


海難事故で失踪した後、奇跡的に生還を果たすリズだったが、まるで別人のような言動でダニエルを困惑させる。


次第に疑心暗鬼に陥っていく夫を献身的に支えるリズの思いやり溢れる表情が見れる一方、時折感じさせる、不穏な雰囲気を纏う怪しげなリズも同時に表現するという、ずば抜けた演技を披露。観る者を強烈なランティモスワールドへと誘っていく。


【第3章】
3つ目の物語では、「卓越した宗教指導者になるべく運命付けられた特別な人物を懸命に探す女」でエミリー役を務めている。エミリーは、プレモンス演じるアンドリューと共に、ある1人の女性を、人生をかけて探すという使命を負っている。


歩き方、仕草、喋り方、そのどれもが第1章、第2章とは全く異なっており、同じ人間が、演技だけでこうも違う印象を与えることができるのか、と驚きを感じさせるクセ強なキャラクターへと昇華させた。


3つの独立した物語=章で、同じキャストで別々のキャラクターを演じるという画期的な演出は、まったく接点のないはずの3つの物語がいつしかリンクしていく不思議な感覚に襲われる。


じっくり観ていると、思わぬ描写に共通点が浮き彫りになり、ランティモス監督の“仕掛け”によって、気づけば映画的興奮の真っ只中に没入させられるマジックが隠されている。そしてそれは、キャスト陣が演じるキャラクターにも通じている。


3つの物語で別々のキャラクターを演じつつ、さりげない共通点を加えるという高難度の挑戦を課されたストーンは、「私が見つけた共通点は、愛されたい、受け入れられたい、支配されたいという気持ちと同時に自由でありたい、自分で決めたいという気持ちとのバランスであり、そしてそのために愛を失うことになります」と彼女たちと3つの物語における共通点を明かす。


「私たちはいまの経験を積み重ねていき、何かを作るたびにさらに上を目指すことができるのです。ただシンプルに、一緒に仕事をするのが好きなのです」と、厚い信頼を寄せるストーンとの仕事が好きだと断言するランティモス監督。


映画界最高峰のタッグは、さらに勢いを加速させ、新たなる挑戦へと突き進んでいる。


『憐れみの3章』は9月27日(金)より全国にて公開。


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