ジョディ・カマー&オースティン・バトラー「物語に忠実に」『ザ・バイクライダーズ』を語る
cinemacafe.net / 2024年10月19日 19時30分
ジェフ・ニコルズ監督の『ザ・バイクライダーズ』から、ジョディ・カマーとオースティン・バトラーの2ショットインタビューと仲睦まじいシーン写真が解禁となった。
1960年代、アメリカ・シカゴに実在した伝説的モーターサイクルクラブにインスパイアされた本作。
不良とは無縁の生活を送っていたキャシー(ジョディ・カマー)が、出会いから5週間で結婚を決めたのは、喧嘩っ早くて無口なバイク乗りベニー(オースティン・バトラー)だった。
『ラビング 愛という名前のふたり』『テイク・シェルター』などで知られる名匠ジェフ・ニコルズ監督の作品に、念願叶って初出演を果たしたカマーは「ワンダフルだった」とふり返る。
「彼の映画は視覚的にも美しく、かつ作品の軸になっているのは、登場人物の感情だと思うし、その点で俳優として惹かれる。だから脚本を受け取ったときに、そんな要素あふれる内容にひたった。撮影のときには、非常に協力的で、私のことを信頼してくれて、例えばアクセントの点とかも私なりの考えでやらせてもらった。監督に信頼されているというのは心強い」と明かす。
するとバトラーも「その通り。撮影も楽しいし、人柄も良い。彼に会ったことのある人なら、だれもがとても素敵な人と口をそろえて言う。エネルギッシュで、でも優しくて、温かい。ユーモアもあるよね。そしてあくまでも人道主義をとことん追求する人」と同意する。
続いて、それぞれの役作りについて語った2人。劇中、最もミステリアスな男ベニーを演じたバトラーは、本作が作られるきっかけとなった写真集にベニーは写っていなかったため、役作りは「人の話から彼を引き出す、ある意味で探偵のような作業だった」 という。
そして、最も重要だった部分として「バイクを自然に乗りこなすということ」を挙げ、そのため「何時間も、長い時間乗りこなし、何も考えなくても乗れるように。また一生、全人生をバイクにささげた男の心理と、彼のバイクが中心のライフスタイル、その人生哲学を体感しようとした。彼らの精神的なコネクション、彼らのバイクに感じるフィーリングを習得しようとした」と明かした。
実は幼少期からすでにバイクとは縁の深かったバトラー。「父がバイクに乗るので、幼い頃からバイクには乗せてもらっていて、楽しい思い出が沢山ある。15歳のときに、父からバイクの乗り方を教わった」と言い、「しばらく乗っていなかったけれど、この役のためにバイクに乗るのが仕事だなんて信じられない。1日12 時間、1か月もトレーニングをうける機会をもらえたのは夢のよう、本当にありがたかった」と笑顔を見せた。
一方、本作では恋に夢中になる愛らしい女性キャシーを演じたカマー。『フリー・ガイ』や『最後の決闘裁判』などで知られるカマーだが、演じるにあたって何よりも 気遣ったのは「キャシー流とも言える、言葉のアクセント」。「キャシーのアクセントは特定の地域のもの。インタビュアーのダニー(・ライオン)が60年代に録音した30分ほどのインタビュー・テープがあったので、それを繰り返して聞いた」という。
「インタビュー・テープを聞いていてわかったのは、彼女はシカゴの出身だけれど、彼女のアクセントはシカゴ・アクセントというわけでもなく<彼女風>。それでインタビューに収められた彼女のアクセントを優先して使った」と言い、「とても個性的な話し方で、だからこそ大切にしたかったから、アクセントのコーチについて勉強した。話しながら実践コーチしてくれる先生で、彼女とずっと話し続けることで、意識しなくてもキャシーのアクセントで話せるようになった」と語った。
生活が透けて見える、“リアリティのある女性”でもあったキャシー。カマーは「ハリウッド視点は一つの見方でしかないし。キャシーという役がすごくよかった点は、 当時の写真をみて参考にできたこと」だと言う。
「キャシーや彼女の周辺の女性をみると、すごく完璧に身繕いしていて美しい。キャシーは彼女なりに美しかった。ちょっと乱れたところがあって、これが私流、どこが悪いの!と言っているみたいな感じで。自由で解放感があるというか。メイクさんもそういう彼女を(苦労しながらも)作り上げることを楽しんでいるようだった」と思い返し、そして「私自身、メイクをすることで自分を切り離し彼女になっていくというか。そうやって物語の真実に近づいていく気持ちになった」と語る。
バトラーも「物語に忠実であるというのが大切なんだよね。役づくりで最も興味を惹かれる点は、人間的な行動を理解し、置かれている状況に飛び込んでいくという点だ。こういう会話というのは撮影をしているときには交わしたことがないが、今考えてみると、キャラクターにある隠れた部分、他人の露出しない部分を探るというか切り込むというか、それが俳優にとっては一番興味をそそられる点、重要だ」と同意。「ヒューマニティという鏡に目を向ける。そのあたりが大切だ」と思いを述べている。
『ザ・バイクライダーズ』は11月29日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、ホワイトシネクイントほか全国にて公開。
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