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【ネタバレあり】「アガサ・オール・アロング」7話、“西の魔女”や“マレフィセント”姿で次の試練へ…ある魔女が死と手をつなぐ

cinemacafe.net / 2024年10月25日 18時0分

「ワンダヴィジョン」のその後、アガサ・ハークネスが失った魔力を取り戻すために魔女団を結成し、試練と苦難が待ち受ける“魔女の道”で冒険を繰り広げる「アガサ・オール・アロング」


第7話「死と手をつなぎ」では、アガサとワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチの息子ビリーが新たな試練となる古城の中へ…。魔女たちの粋なコスプレを楽しみながらも、1人の魔女の壮絶で感動的な最期を見届けることになった。


今回の試練の主人公は、予知の能力を持ち、最初はしがない占い師として登場したリリア・コルデルー。彼女はあまり役に立たない、年老いた、エキセントリックな占い師では決してなかった。


子どもの頃から、フラッシュバックのように時を飛ぶことを繰り返してきたリリア。最近では近づく死のために、それはより頻繁になっていた。自身をずっと生きづらくさせていた異能が、晩年になってさらに自身を苦しめていた。


「アガサ・オール・アロング」2話より

「アガサを助けるの」「みんなを愛してる」から「逆さの塔!」まで、これまでリリアが突拍子もないタイミングで予言をする度にアガサ(キャスリーン・ハーン)たちを混乱させてきたが、今回はアガサとビリー(ジョー・ロック)が直面しているタロットの試練、ジェン(サシーア・ザメイタ)との地下道、そして第3話の試練で幻覚に現れた恩師・マエストラと話した若き日…とリリアの最後の精神の旅が主軸に描かれた。


彼女が目にした“未来”はいずれ今後のエピソードで明かされ、鍵になるだろうとは踏んでいたが、見事にパズルの断片が1つずつ収まっていく。


テンポよく紡がれ、絡まりが次第にほどかれて1本の糸になっていくタイムラインとキャラクターの成長、なにより巧みな場面の切り替えは映像作品として見応えがある。大ベテランといえるリリア役のパティ・ルポーンの熱演は特筆すべきものだ。


今回は、圧倒的なセットの中世風の城の中で『オズの魔法使』の「西の魔女のモデルは私」と嘯くアガサをはじめ、コスプレも見どころとなった。


ビリー・マキシモフは「頬骨が出ているから似合う」と満足げなマレフィセント。そういえば、アンジェリーナ・ジョリーがマレフィセントを演じた際も角張った頬骨を特殊メイクで作りあげていた。


また、ジェンは毒リンゴを作った「白雪姫」の魔女。魔女だらけの本作のエンドロールにも姿があった。


そして、リリアが扮したのは『オズの魔法使』エメラルドシティの南の魔女、よい魔女として知られるグリンダ。ドロシーに家に帰る方法を伝えたグリンダと同様、皆を試練から救う役割を担った。



アガサ役キャスリン・ハーンもパティ・ルポーンを称えている

タロットは誰かさんのように適当にはできないものである。引くべきカードを選ぶ直感力、それを解釈し意味を読み取る力が求められる。リリアは恐れずに、何が起きているかをちゃんと見つめ、考察した。彼女の知恵が存分に発揮された。


“魔女の道”では、はぐれ者でいたほうがよっぽどましという考えだったリリアがチームワークを育み、「私たちは魔法で結ばれた姉妹」と1つのコミュニティとなり、1人1人の声をハーモニーにして「バラッド」を歌った。


このシスターフッドに満ち足りたものを感じながら、自己肯定を受け入れながら時間の旅を繰り返してきたリリアは安らかに死と手をつなぐ。「魔女でいられてよかった」。そう言い残して試練の扉を閉めたリリアに、思わず涙した。


マーベルドラマであることを忘れてしまうほど大好きになった魔女団たちが、試練で命を落としていく。アガサ、そしてビリーは道を生き延びられるのか。道の果てには何が、いや、誰が待っているのか。


今回の第7話で明らかになった死神のリオ(オーブリー・プラザ)が魔女たちに纏わりついている。


「アガサ・オール・アロング」5話より

がぜん気になってくるのが、第7話冒頭でもアガサとビリーが話していたワンダの生死だ(「ストレートな答え(straight answers)がほしきゃ、ストレートな人(a straight lady)に聞いて」という言葉からはアガサもクィアであることがわかる)。


米「THE WRAP」によれば、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』で“スカーレット・ウィッチは死んだが、ワンダ自身は死ななかったのでは”という仮説について、本作のショーランナーであり第1・2話、第7話でも監督をつとめたジャック・シェーファーは「素晴らしいくらいのポーカーフェイスを保っているところです」と応じて濁していた。ビリーと“同じように”サバイブした可能性はある!?


アガサにリリアが言い残した「“臆病者”と呼ばれたら伏せる」が、最終局面のどんなシチュエーションで登場するのかも楽しみだ。その主語は「She(彼女)」だった。私たちはアガサ、というよりもジャック・シェイファーにいいように翻弄されているのだろう。最高に楽しい!


「アガサ・オール・アロング」は毎週木曜日ディズニープラスにて独占配信中。
ラスト2話(第8話&第9話)は10月31日(木)一挙配信。




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