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「さよならのつづき」前夜祭 坂口健太郎が語る役づくり「探りながら、少しずつ積み重ねていった」

cinemacafe.net / 2024年11月14日 14時30分

Netflixシリーズ「さよならのつづき」の配信前日となる11月13日、ジャパンプレミアが行われ、主演の有村架純、坂口健太郎をはじめ、生田斗真、中村ゆり、三浦友和、黒崎博監督、そして脚本の岡田惠和ら豪華キャスト&スタッフが集結した。


本作で有村が演じるのは、傷ついた人を笑顔にする最高に美味しいコーヒーを世界に広めようと奮闘する菅原さえ子。坂口は、子どもの頃から体が弱く多くのことを諦めてきた大学職員の成瀬和正を演じる。


事故で最愛の恋人を失ったひとりの女性と、その恋人に命を救われたひとりの男性。北海道、ハワイの壮大な風景を舞台に、運命に翻弄されるふたりの美しくも切ない、“さよなら”から始まる愛の物語を完全オリジナルストーリーで描く。


10月3日に釜山国際映画祭でワールドプレミアを迎えた本作。【前夜祭 ジャパンプレミア】ではひと足先に1話と2話の本編を観終えたばかりの観客たちが、熱い拍手でキャスト・スタッフを迎え、会場は温かな雰囲気に包まれた。


イベントの冒頭、有村は「今日この日を迎えるまであっという間でした。1年前に撮影をしていて、去年はこの作品で頭がいっぱいだったんですが、無事に撮影も終わり、こうしてこの日を迎えることができて、とっても幸せに思っています」と述べ、坂口は「撮影自体は去年の夏の暖かい時期から始まったんですけど、四季折々いろんな景色を皆様にお届けできる作品でもあります。この作品の良さが少しでも伝われば嬉しいなと思います」と作品への思いを語った。


生田は「本当にこんな素晴らしい作品に関わることができて、とても幸せに思っています。皆様の心の中にこの作品がずっと残り続けてくれることを祈っております」と作品が視聴者の記憶に残ることを願い、中村は「ミス・りんご娘を演じた中村ゆりです。個人的にすごく最終話が好きなので、ぜひ皆さん最後までご覧になってください」と挨拶。


黒崎監督は「長い長い旅をして、やっとここにたどり着いたと思っています。丁寧にみんなで力を合わせて、毎日全力を振り絞りながら作り上げた作品です。これだけは自信を持って言える」と、制作にかけた想いとチームの努力に自信を滲ませた。


■有村架純&坂口健太郎&生田斗真ら、役作りを明かす


このキャスティングは、エグゼクティブプロデューサーの岡野真紀子と脚本の岡田による話し合いで選ばれた唯一無二の俳優陣が集結。


事故で恋人を失ったヒロインと、その恋人に命を救われた男という難しい役柄について有村は「さえ子は、自分の人生を自分で切り開こうと常に思っているような女性で、何に対しても自分の正義だったり、いろんなことに誠実に向き合って歩みを進めていた女性だったように思います」とコメント。


「とてもエネルギッシュで生命力のある印象だったので、そういった要素を大事にしながら、無邪気さのあるチャーミングな女性に演じることができたら、より魅力的な女性としてお届けできるかなと挑戦させていただきました」と、自身が演じたキャラクターの魅力を語る。


また、作品を鑑賞した感想については、「作品を1度拝見した時は、物語を再確認しながら観ていたので、客観的に見ることが難しかったんですが、韓国の釜山国際映画祭でお客さんと一緒に観た時に、涙が出てきて、やっと客観的に見れたのかもしれないと思いました。ミキさん(中村ゆり)が成瀬さんに対して、『もう一度会えた』って手術が終わった後に言うセリフで、ボロボロ泣いてしまって。それぞれのキャラクターの思いが交錯してる物語なので、全ての言葉とか感情が痛いほど伝わってくる印象でした」と、印象的に残ったシーンを挙げつつ、本作の持つ物語性について語った。


続いて、坂口は「僕から出てくるセリフが本当に成瀬のセリフなのかっていうところは、やはりすごく迷いながら撮影をしていました。でも、雄介が100%になってしまった瞬間に、それは成瀬ではなくなってしまう感覚もちょっと怖かったし。そういう意味では、すごく探りながら、時々もしかしたら2歩後退しちゃう時もあったかもしれないけど、少しずつ積み重ねていった記憶はありますね」と役作りについてふり返った。


主人公さえ子の恋人・雄介を演じた生田は、「ピアノを弾くシーンがあったかと思うんですけど、本当にピアノを弾いたことがなくて、ドってどこですか?っていうところから始まってるんです」と打ち明ける。「そこからもう半年以上、毎日毎日ピアノに触れて」と言い、監督からの「今回Netflixで世界配信で、当て振りすることもできますが、僕は嘘をつきたくありません!」という言葉に背中を押されたそう。


「一生懸命やったかいがある素晴らしいシーンに仕上がったんじゃないかなと思ってます」と話すと、監督からは「本当に申し訳ありませんでした。でも本当に吹き替えてるカットはないです。坂口さんも生田さんもお2人とも全部弾いてます」と話し、会場からは驚きの声と大きな拍手が湧きあがった。


成瀬の妻・ミキを演じた中村も「実際に心臓移植を受けた方々のご家族だったり、受けた方の手記を読ませていただいて、ポロポロ泣いて。ミキさんのキャラクターを作る上でのヒントになって。明るい人だからこそ、悲しいことが表現できるんだろうなと思って演じました」と役作りについて明かす。


さえ子を支えるヒロを演じた三浦は、「1番感動したのは、出てくる女性が強いんです。凛としてるんです。そこにすごく感銘を受けました」と本作の持つキャラクターの魅力についてコメントした。


■黒崎博監督「嘘をつきたくないなという思いが強かった」


本作は脚本の立ち上げの段階から多くのリサーチを行い制作させたとのことで、注目ポイントについて「人間の生死を扱った作品でもあるので、小さなところで嘘をつきたくないなという思いが強かった。だからこの作品の中に生きてる人たちが本当に息づいてるという感じを出したくて、ロケーションには徹底的にこだわって撮影をしました」と本作の見どころである、力強くて美しい景色について語る黒崎監督。


また、完全オリジナルストーリーである本作を執筆したきっかけについて岡田氏は「岡野プロデューサーのお父様が心臓の病気で入院されていた時に主治医の方との会話の中で、どうやら心臓移植において記憶が転移することがあるらしいという話を聞いて、その時に、ラブストーリーにおいてこういうことがあったらいいなみたいなファンタジーではなく、強い愛情の物語として書けるんじゃないかなと思いました」と本作が生まれたきっかけをふり返った。



なお、配信当日11月14日(木)は、有村と坂口が北海道・小樽へ飛び、約4か月間長期ロケで滞在した思い出の地にて凱旋レッドカーペットスペシャルイベントを実施。


その2人に対して生田は「坂口くんはコミュニケーション能力が高くて、小樽でもロケ現場に知らないおじさんがゾロゾロと入ってきて、どなただろうと思ったら、最近坂口くんが通ってるバーのオーナーで、さし入れを持ってきてくださってたんです。だから、あのおじさん達によろしく」と伝えると、坂口も「分かりました」と応じるひと幕も。


最後に坂口は「いろんな方々の力が集まってできた作品です。皆様の中の作品集の1つに加えていただけるかなと思うので、ぜひ明日から配信楽しんでください」と話し、有村は「この作品は、人は愛されたこと、そして人を愛したこと、その記憶は永遠に消せないということを大きなテーマにしていて、そのテーマが1人1人の心に届いてくださると嬉しいなと思います。そして、米津(玄師)さんが書き下ろしてくださった主題歌も合わせて楽しんでほしいです」と締めくくっていた。


Netflixシリーズ「さよならのつづき」はNetflixにて独占配信中(全8話)。


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