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『ノー・アザー・ランド』パレスチナの現実と連帯する青年たちの場面写真一挙解禁

cinemacafe.net / 2024年11月29日 11時45分

ベルリン国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞W受賞の『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』から、破壊されるパレスチナの村や、連帯するパレスチナとイスラエルの青年の姿をとらえた場面写真12点が一挙に解禁となった。


本作の舞台となるのは、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区<マサーフェル・ヤッタ>。


解禁となった写真では、イスラエル軍や入植者による破壊と占領が続くマサーフェル・ヤッタの村の様々な光景、監督のひとりであるバゼル・エイドラが軍の兵士に襲われる緊迫の場面。


彼が村人たちとデモを行う様子などとともに、同じく監督のひとりであるユーバール・アブラハムと車で笑顔を向け合う様子も。


また、イスラエル人として当初は疑念の目も向けられていたユーバール・アブラハムが、村人たちと村の今後について語り合う様子も切り取られた。


併せて、マサーフェル・ヤッタで撮影された監督4人の写真も公開に。


(左から)バゼル・エイドラ、ユーバール・アブラハム、ハムダーン・バラール、ラケル・ゾール

バゼル・エイドラ、ユーバール・アブラハム、そしてハムダーン・バラールはバゼルと同じくマサーフェル・ヤッタ在住の写真家・映画監督・農家で、本作に出演。


右端のラケル・ゾールは、エルサレムを拠点に活動するイスラエル人の撮影監督・編集者・ディレクターだ。


バゼル・エイドラとハムダーン・バラールはイスラエルに入国できないため、本作のために4人が撮影した膨大な映像の編集作業はバゼル・エイドラの家に集まって行われたという。


4人は共同で監督声明を発表し「本作を共同制作した理由は、マサーフェル・ヤッタで今まさに進行しているパレスチナ人の強制追放を阻止し、現代にもはびこるアパルトヘイトの現実に、壁の両方から、不平等を映し出すことによって抵抗したいからです」とコメントしている。


また、今年2月に行われたベルリン国際映画祭には4人そろって参加。世界中の話題をさらった受賞スピーチにおいて、バセル・エイドラ監督は「ガザで何万人もの人々がイスラエル軍により虐殺されているこの状況で、この受賞を喜ぶことはできません。私の故郷マサーフェル・ヤッタもブルドーザーで破壊され続けています。ドイツの皆さん、ここベルリンにいる皆さんにお願いです。イスラエルへの武器提供を止めてください」と観客に連帯や行動を呼びかけた。


そして、ユーバール・アブラハムは「バゼルと私は同じ年で、私はイスラエル人、彼はパレスチナ人です。そして2日後に国に帰ったら、そこでの私たちの権利は平等ではなくなります。私は民法の下で、バセルは軍法の下で暮らしています。私たちの家は30分しか離れていません。私には投票権がありますが、バゼルにはありません。私にはどこへでも行ける自由がありますが、バセルは他の何百万ものパレスチナ人と同様、占領地に閉じ込められています」とコメント。


「私たちの間にあるこのアパルトヘイトの状況、この不平等は終わらせなければなりません。私たちが今問うているのは、占領を終わらせ、政治的解決を達成するためには、どう変わっていくべきかということです」と解決への道を問いかけた。


11月29日は、国連が定める<パレスチナ人民連帯国際デー>。グテーレス国連事務総長はこの日に寄せて「今日という日は、パレスチナの人々との国際的な連帯を、そしてパレスチナの人々が平和と尊厳の内に生きる権利を再確認する日です」とメッセージを発表している(国連総合広報センターHPより)。


『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』は2025年2月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。




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