『エマニュエル』監督が明かすエロティシズムと「美」の関係「衣装が彼女自身を語る」
cinemacafe.net / 2025年1月2日 16時0分
世界的熱狂を呼んだ物語が現代に刷新され生まれ変わった映画『エマニュエル』。この度、「シャネル(CHANEL)」のショートフィルムを制作するなど、ファッション業界とも深い関わりを持つオードレイ・ディヴァン監督が、ノエミ・メルラン演じる主人公エマニュエルを彩る華やかなハイブランド衣装について語った。
当時、官能要素満載ながら一般映画として公開され、ポップでファッショナブルなイメージが話題を呼び、流行に敏感な世代がこぞって劇場に足を運んだ1974年の映画『エマニエル夫人』。
あれから50年経って現代に生まれ変わる『エマニュエル』の監督オードレイ・ディヴァンが新たな解釈をもって描くエマニュエルは、過去の作品とは異なるイメージのファッションで観客を魅了する。
■エマニュエルの衣装は彼女自身を語る
オードレイ・ディヴァン監督は、本作における衣装の立ち位置について、「衣装には非常にこだわりました。本作ではアート・ディレクション全般にこだわっています。というのも私にとって、エロティシズムは『美』に深く関わっているからです」と映画の主題であるエロティシズムを表現するため、「美」の追求には一切妥協はしていないと明かす。
本作でのエマニュエルは、高級ホテルの品質管理の仕事のために世界中を飛び回るキャリアウーマン。ハイブランドで揃えた、シンプルで落ち着いたコーディネートが印象的だ。
それについては「エマニュエルの衣装は彼女自身を語ります。最初、彼女には近寄りがたい堅苦しさがあり、背筋の伸びた毅然としたたたずまいの女性です。美しい衣装であると同時に社会的鎧を身につけている感じです」と語る。
「しかも、彼女自身はホテルにいる他の客のように、元々ラグジュアリーな世界の生まれではないので、ソーシャル・コスプレ(=社会的出自を偽る扮装)をしているとも言えます。この世界に属しているふりをしているように。ですが、彼女が少しずつ自制心の解放へ向かうにつれ、衣装も彼女の心の動きと同じ道を辿るようにしたかったのです」と、物語も衣装で表現していることを明かす。
さらに監督は女性の肌の見せ方に徹底的にこだわった。「本作ではフェミニティの新しい表現方法を模索しました。“官能的”という点では、背中のデコルテもありだなと思ったのです。胸元などの、いつものありきたりの視線から女性の身体を見るのではなく、別の部分で官能を感じさせたかったのです」と明かす。
「例えば、ちらりと少しだけ肌が見えているとか、前屈みになるときにちらっと見える脇のあたりの隙間だとか、見せる、見せないという戯れによって、エロティシズムの想像はかきたてられると思うのです」と持論を展開している。
■衣装を通じて、自制心の解放に至る過程を見せたかった
本作では多くの華やかな衣装に目を奪われるが、とりわけ印象に残るのは、映画の後半で登場する赤いドレス。
監督は、『パーソナル・ショッパー』などの作品を手掛けてきた衣装のユルゲン・ドーリングと共に、身体がしなやかに、軽やかに動くドレスをパリのあらゆる有名クチュリエで探したが、イメージに合うものは見つからなかった。しかし香港で見つけた小さなブティックで運命の出会いを果たしたという。
「あの赤いドレスは、私たちが選んだというよりも、あのドレスが私たちを選んだのです。驚くことに、ほとんどオーダーメイドの装着感で、ノエミ・メルランも着心地が良いと言っていました」と監督。
「あのドレス姿で歩くノエミを見ていると、彼女が自分の身体に特別な感覚を持てていることが見てとれました。衣装を通じて、彼女の自制心の解放に至る過程を見せたかったのですが、あの赤いドレスが役割を果たしてくれました」と満足気に語っている。
ドレスのみならず、アクセサリーの1つ1つにもオードレイ・ディヴァン監督ならではの細やかなこだわりが詰まっている本作。
エマニュエルが身に着けるものの意味を考えながら、彼女の心の変化や物語の行方を考察する楽しみもあり、ファッション映画としても見逃せない1作となっている。
『エマニュエル』は2025年1月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。
© 2024 CHANTELOUVE - RECTANGLE PRODUCTIONS ー GOODFELLAS ーPATHÉ FILMS
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
男性目線の官能映画ではなく、社会において”自由とは何か”を探求した奥深い作品『エマニュエル』
エンタメNEXT / 2025年1月21日 20時35分
-
『エマニュエル』真の快楽を求める主人公が謎の女に出会う 本編映像解禁
クランクイン! / 2025年1月10日 17時0分
-
映画『エマニュエル』シスターフッドにも発展する“女性主体のエロティシズム”も描く
ORICON NEWS / 2025年1月10日 17時0分
-
「彼らの体温を感じる」映画『エマニュエル』主体的な女性が誘う本編映像到着
cinemacafe.net / 2025年1月7日 17時0分
-
『エマニュエル』芸人からインティマシーコーディネーターまで魅了! 本編映像&著名人コメント到着
クランクイン! / 2025年1月7日 17時0分
ランキング
-
1《出演が多すぎて“見飽きたタレント”ランキング》3位有吉を抑えた1位は「威圧感がある」芸人
週刊女性PRIME / 2025年2月4日 11時0分
-
2渡邊渚のエッセー「何をされたかわかってしまった」読者が感じ取った“彼女の覚悟”
週刊女性PRIME / 2025年2月5日 5時30分
-
3「娘は大丈夫、元気です。でも…」小島瑠璃子(31)の母が明かした“困惑” 現場に居合わせた赤ちゃんは無事《夫は緊急搬送され死亡》
NEWSポストセブン / 2025年2月5日 6時15分
-
4森香澄、鎖骨チラリのワンピースにドキッ!「透明感半端ないめっちゃ綺麗」「可愛過ぎて胸が痛い」
スポーツ報知 / 2025年2月5日 6時32分
-
5中丸雄一の復帰に『よにの』メンバー言及も「戻ってこなくていい」ファンからは厳しい声
週刊女性PRIME / 2025年2月4日 16時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください