作品に罪はあるのか?俳優不祥事による映画公開中止はなぜ

シネマトゥデイ 映画情報 / 2019年3月13日 10時10分

公開中止になった映画に罪はあるのだろうか? iStock.com /Aude Barge / EyeEm / Getty Images

 強制性交の疑いで起訴された俳優・新井浩文(40)に続き、昨日12日には俳優のピエール瀧(51)が麻薬取締法違反容疑で逮捕され、二人の実力派俳優の逮捕は現在、日本映画界に大きな衝撃を与えている。彼らの逮捕を受け、出演作品の関係者たちは苦渋の決断を強いられることとなっているからだ。(取材・文:森田真帆)

 ピエールの場合、「いだてん」放映中のNHKは協議中だというが、新井の場合は2本の映画が公開中止、もしくは延期という結果となっており、今なお二人の出演した過去作品がどうなるかは予想がつかない部分も多い。映画の上映においては、公開中止も公開延期も各作品が下した結果にSNS上でもさまざまな意見が飛び交った。

現在のところ、日本の映画業界には「出演した俳優が不祥事を起こした映画の公開中止や延期を決定するためのガイドラインというものは存在しない。公開中止、延期、それぞれの判断を一体誰が、どのように下すのか。そして、今後の課題を、日本映画の現場で働くプロデューサーや監督に意見を聞いてみた。

関わった人間すべての努力が水の泡となる現実

 ここで、新井が出演した作品群が現在どのような状況になっているかをもう一度整理する。映画『台風家族』は公開延期、主演映画『善悪の屑』は公開中止が決定。昨年公開された映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』『泣き虫しょったんの奇跡』のブルーレイ、DVD版は発売延期。NHKで「真田丸」の配信中止を発端にオンデマンドサービスでも出演作の配信を自粛している。また、日本テレビは、新井被告がゲスト出演したドラマ「今日から俺は!!」の3月1日以降の動画配信とDVD(発売未定)で代役を立てて撮り直したと発表した。

新井といえば、個性的な演技でバイプレイヤーとして活躍していたのは周知の事実。少しのシーンでの出演をカウントしていくと、本当に数多くの日本映画の名作が今後、観られなくなってしまう可能性も高い。

 一本の作品には何十人以上もの沢山のスタッフや俳優が関わっており、彼らの努力が集結して映画は完成する。こと監督に関しては、何年も前から企画を練り、準備をし、ようやく撮影が終わっても、編集作業を経てやっと上映の機会が巡ってくる。とてつもない時間と労働がかけられていることは間違いない。

その努力が、たった一人の役者の不祥事で全て水の泡になる。被害者感情はもちろん尊重すべきなのは言うまでもない。だが、つい「役者の責任は当たり前だが、作品に罪はないのではないだろうか?」という思いが頭をよぎる。最新作から過去作まで、ここまで多くの作品が「自粛」の形を取るのは何故なのだろうか。

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