新作続く人気脚本家・坂元裕二の名作ドラマ7選

シネマトゥデイ 映画情報 / 2020年6月21日 9時3分

テレビ朝日系SPドラマ「スイッチ」より 左上から時計回りに眞島秀和、中村アン、阿部サダヲ、松たか子 (C)テレビ朝日

 緊急事態宣言による外出自粛要請期間中にNHKで放送された実験的な短編リモートドラマ「Living」で、約2年ぶりに新作テレビドラマの脚本を手掛けた人気脚本家・坂元裕二。そのオリジナル脚本の最新作「スイッチ」が、スペシャルドラマとして6月21日にテレビ朝日系で放送される(夜9:00~11:04)。放送を前に、坂元脚本の魅力を語る上で特に欠かせないテレビドラマ7作品を振り返ってみた。

明確な変化が見られた異色のサスペンス「わたしたちの教科書」

 1987年に第1回フジテレビヤングシナリオ大賞を19歳で受賞し、1991年には「東京ラブストーリー」の大ヒットで、若くして注目を浴びた坂元。一時、自らの意志でテレビ界から離れ、ゲーム業界に移ったり、小説家を志していた時期もあったが、その時期を除けば、脚本家としてコンスタントにヒット作や話題作を手掛け、常に第一線で活躍してきた。ただ、初期の作品はプロデューサー主導の企画やキャスティングありきの企画が多かったように思われるため、以前の坂元には職人的な印象もあったが、そんなこちらの勝手な思い込みを解かせた最初の作品が、2007年にフジテレビ系で放送された「わたしたちの教科書」だった。

 同作は、菅野美穂ふんする弁護士が、志田未来ふんする義理の娘の中学生が転落死したことから、その真相を明らかにしようとするストーリー。前半は学園もの、後半は法廷もののような二部構成の異色作で、いじめ問題や学校の闇を描き、第26回向田邦子賞を受賞するなど高い評価を受けた。社会性のあるテーマや先の見えない展開など、近年の作品に通じるものがあり、本作以前の作品とは明確な変化が見られる。しかし、坂元の作風が変化したというよりも、実績を積み重ねてきたことや22時放送枠であったことから、元々書きたかったものや重いテーマの作品などを書くことが認めてもらえるようになった時期の作品ということのようだ。

さまざまな「家族」の形を描く3部作

 坂元は、さまざまな“家族”の形を描いてきている。その中でも特に感動的な代表作が、日本テレビ系の水曜22時枠で放送された「Mother」「Woman」「anone」の三部作。物語的な繋がりは全くないそれぞれ独立した作品だが、チーフディレクターの水田伸生らのメインスタッフが共通しており、家族の再生や人と人との繋がりを疑似家族的に描いている。

 中でも2010年に放送された「Mother」は、「わたしたちの教科書」で見せた作家性が高い評価を受けた坂元が、本当にやりたいことを形にできる状況が整った最初の作品といえる。松雪泰子ふんする元研究者の孤独な小学校教師が、親から虐待を受けていた芦田愛菜ふんする生徒を守るため、誘拐して母親になろうとする。犯罪者から救うため、自ら犯罪者となってしまう皮肉な物語だが、血を分けた親子よりも深い主人公と少女の絆は大きな感動を呼び、当時6歳ながら天才的な演技をみせた芦田愛菜をブレイクさせた。また、多数のドラマ賞を獲得したが、海外での評価も高く、トルコでのリメイク作品が世界的にヒット。韓国ほかでもリメイクされている。

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