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『Arc アーク』なぜモノクロパート?ヒントにあのアカデミー賞受賞作

シネマトゥデイ 映画情報 / 2021年7月5日 8時32分

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『Arc アーク』より後半のキーパーソンを演じる小林薫と、主演の芳根京子 (C) 2021映画『Arc』製作委員会

 現在公開中の芳根京子の主演映画『Arc アーク』。ポーランドで映画制作を学び、『愚行録』『蜜蜂と遠雷』などで注目を浴びた石川慶監督が、SF作家ケン・リュウの短編小説「円弧(アーク)」を原作に紡ぎあげた、人類で初めて永遠の命を得た女性の物語だ。物語の後半では、カラーからモノクロへと映像が切り替わる映画ならではのアレンジが施されているが、そこにはどんな意図があるのか? 石川監督が語った。

 本作は、放浪生活を送っていたリナ(芳根)が、人生の師となるエマ(寺島しのぶ)と出会い、彼女が働く「エターニティ社」で遺体を生前の姿のまま保存できるよう施術(プラスティネーション)する「ボディワークス」を制作する仕事に就くことから始まる。しかし、やがてエマは社を追われ、彼女の弟・天音(岡田将生)らがプラスティネーションを発展させたストップエイジングによる不老不死の処置を開発。その処置を受けたリナは、30歳の体のまま永遠の人生を生きていくこととなる。

 近未来、そして不老不死が可能になった世界を描くにあたって、重要だったのは「なるべく現実から離れすぎない」こと。原作ではアメリカを舞台にしているが、映画では国籍を特定しないところも特筆すべき点だ。石川監督は原作にある「ボディワークス」の具現化を重要視し、その舞台となるエターニティ社は、建築家・丹下健三が設計した香川県庁舎で撮影。もともとモダニズム建築をイメージしていた美術の我妻弘之は県庁の外観をそのまま生かし、工房に関しては、石川監督の「『未来世紀ブラジル』(テリー・ギリアム監督の1985年のSF映画)の世界観で」という要望に従って県庁の2階に作り上げた。前半はエターニティ社を舞台に展開するが、後半は小豆島で撮影された。撮影監督は、『愚行録』『蜜蜂と遠雷』で組み、石川監督が学生時代を過ごしたポーランドでの旧友でもあるピオトル・ニエミイスキ。

 撮影についてピオトルと「いかにもSFですっていう撮り方をするのはやめようと話していた」という石川監督。小豆島での撮影で目指していたのは「ドキュメンタリーのような生々しさ」だったとも。そもそも、なぜこの地を選んだのか。

 「この映画はSFというよりも、人類の壮大な神話のようなイメージで作りたかったというのがまずありました。原作を読んでいた時にも、このパートはヨーロッパであれば地中海やギリシャをイメージしていて、日本で言うと瀬戸内海だなと思っていて。それでシナハン(※脚本を執筆する際に行うロケーション・ハンティング)にいったときに薄目で瀬戸内海を見たらちょっとギリシャっぽく感じられて。でも、はっきり見るとやっぱり小豆島。何とかならないかなと思っていた時に『ROMA/ローマ』が思い浮かびました」

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