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西島秀俊はなぜ村上春樹映画にハマる?『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督がオファーの理由語る

シネマトゥデイ 映画情報 / 2021年8月23日 7時32分

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映画『ドライブ・マイ・カー』より妻を亡くした主人公・家福を演じる西島秀俊 (C) 2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会

 村上春樹の短編小説を、『寝ても覚めても』の濱口竜介監督が映画化した『ドライブ・マイ・カー』が公開中だ。本作で、妻を亡くした喪失感に苦しむ主人公を演じたのが西島秀俊。キャスティングについて「西島さんは村上春樹の世界自体にすごく親和性がある」と語る濱口監督が、その理由を語った。

 本作は、2014年に刊行された村上春樹の短編集「女のいない男たち」所収の一編である「ドライブ・マイ・カー」を、同短編集所収の「木野」「シェエラザード」のエピソードを交えて映画化。妻を亡くし喪失感を抱えながら生きる演出家・俳優の家福(西島秀俊)が2年後に広島の演劇祭に向かう中で、寡黙なドライバーのみさき(三浦透子)と出会い、これまで目を背けていた妻の秘密を向き合っていくさまを追う。本作は今年7月に行われた第74回カンヌ国際映画祭において最高賞を競うコンペティション部門に出品され、共同で脚本を手掛けた濱口監督、大江崇允が、日本人として初の脚本賞に輝いた。

 西島にオファーした最大の理由は、濱口監督がかねてから敬愛する俳優であったこと。学生時代に観ていた映画体験を思い返しつつ、「西島さんは僕らの世代(40代前半)が観ていた日本映画のスター監督たちの映画に軒並み出ていた方。自分が20代のときに現代の日本映画を観ていたときに一番よく観ていた俳優さんでもあったし、シンプルに佇まいがものすごく好きだった。余計なことをしないというか、その場に『居る』ことができる方だと。そういう印象はずっとあり、見るたびに驚かされるところがあったので。ご一緒したいとずっと思っていました」

 主演の西島が村上作品と携わるのは、2度目。村上の短編集「レキシントンの幽霊」に収められた短編を市川準監督が映画化した『トニー滝谷』(2005)ではナレーションを務めている。原作小説で描かれる家福は、西島と同じ俳優でありながら、例えば「家福はいちおう『性格俳優』ということになっていたし、入ってくる役もいくぶん癖のある脇役であることが多かった。顔はいささか細長すぎるし、髪は若いうちからもう薄くなり始めていた。主役には向かない」といった描写があり、実像とはかなり異なる。原作における主人公の設定の違いをふまえたうえで、濱口監督は西島が村上作品と親和性が高いと考える理由について以下のように話す。

 「家福には、余計なことをしないという表現が正しいかどうかはともかく、たたずむ力というか、そういうものを持った俳優が必要な気がしました。感覚的な判断ですが、家福のみならず村上作品の主人公たちって、そんなに自分を明らかにするようなタイプの人がいない印象です。その人の考えていることが、描かれている世界に対するリアクションとしては出てくるけれど自分から積極的に何かをするタイプではなくて、どこか『受けて』から返すというのがまず基本としてあるような。ですから、演じる俳優も本当にそういうことができる方じゃないと難しいのではないかと。容貌は勿論違ったんですけど、人間性の面では西島さんを当てはめて読むことが自分にはできたので、すごく自然なキャスティングではありました」

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