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初恋の相手と夫…三人の男女で描く縁の物語 注目の女性監督が語った『パスト ライブス/再会』

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年4月20日 17時2分

 ソン監督の脚本を初めて読んだリーも、あまりの素晴らしさに驚いた。「私は韓国系アメリカ人で、ロサンゼルス生まれなの。セリーヌやノラとは全く違う移民の経験を持っているわ。でも、脚本を読んでいて、『この感覚はわかる!』って思ったの。まるで電気が走るような感覚だった。セリーヌを再現しようとか、真似しようとか、そういうことじゃなかった。ノラを正確に、そして明確に創り上げるために、セリーヌとコラボレーションできた。本当に一生に一度のチャンスだったわ」と興奮気味に語る。
 
 決してセンチメンタルにならない、抑え気味の自然な演出は、現場で臨機応変に作り出したように見えるかもしれない。しかしリーは「非常に緻密なもので、多くの努力と宿題が必要とされたわ。すべての瞬間の背後に深い意図があったのよ」と明かす。


 
 そしてソン監督は、「俳優の表情で、すべてが生きもするし、死にもする。なぜなら、そこですべてのストーリーが起こるからよ。戦いの振り付けや、アクションシーンを考えたりするのと同じことだわ。その日のプランは何で、グレタの眉毛(の動かし方)とかで、ストーリーテリングをどのように進めていくかを考えたの」と続けた。

 今作を観ると、どこの国の観客も、同じシーンで笑い、泣くというソン監督。多くの人々が、自分の人生における“イニョン”や愛について考えさせられるようで、さまざまな反応を見てきたそうだ。

 「もしその観客が恋愛関係にあるなら、家に帰ってパートナーを抱きしめて、愛していると伝えたくなったと言われたし、今は恋人と悪い関係にあるから、それをやめるべきかもしれない、という人もいたわ。あなたの映画が、私に元彼との過去を乗り越えさせてくれた、という人もいた。とても個人的な体験だから、あなたがどういう人で、人生のどんなパートにいるかによって、ストーリーに対する反応が違うと思う。みんな、子供の頃に愛した人の話をしたがるから、私はどの監督よりも、人々の幼い頃の恋について知っているわ」とソン監督は笑った。

 本作を手がけた大ベテランのプロデューサー、クリスチャン・ヴァションは、初監督とは思えないソン監督の手腕に感心したそうだが、会見での話しぶりからも、明確なビジョンを持ち、自信に満ちたソンの大物ぶりが伺えた。ハリウッドでもっとも注目される女性監督の一人となったソンの今後が楽しみだ。(吉川優子/Yuko Yoshikawa)

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