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『スター・ウォーズ』姿を消した天才子役はいま…謎に包まれた現在と真実

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月4日 7時3分

 だが、つい最近、ジェイクの母リサ・ロイドが「Scripps News」に対して真実を語り、いくつかの誤解をただしている。

 リサによると『ファントム・メナス』の公開時には、息子が悪い評判を耳にすることがないよう母としてしっかり守ったし、ジェイクも子供なので気にしなかったとのこと。また、ジェイクは今も『スター・ウォーズ』が大好きで、最近もDisney+のドラマシリーズ「スター・ウォーズ:アソーカ」を気に入っており、彼の誕生日には、アソーカのアクションフィギュアをプレゼントしてあげたそうだ。

 ジェイクが演技をやめたのは『ファントム・メナス』のせいではなく、父の家系から引き継いだと思われる精神の病のせい。早かれ遅かれその時は来ただろうと、リサはいう。

 「現実」が複数あるとジェイクが言うようになったのは、高校生の頃。宿題をしない理由として「やる必要があるのかどうかわからない。今、どっちの現実にいるのかわからないし」という息子を、「今日、あなたは私の現実にいるの。だから宿題はしないといけない」とリサはたしなめた。高校卒業後はシカゴのコロンビア・カレッジに進学するも、幻覚を見るようになり、欠席が続いて中退。実家に戻ったジェイクは精神科医と心理カウンセラーに通い、妄想型統合失調症と診断された。

 さらにジェイクは病態失認という神経性の問題も抱えており、自分で勝手に「不要」と判断して処方された薬を飲まなかったことも、事態を悪化させた。2015年には、フロリダからカナダに向けて運転中、赤信号を突っ切って警察とカーチェイスになり、逮捕されてしまった。リサは息子を刑務所から精神病棟に移してほしいと懇願するも、「ベッドが空いていない」と言われ、かなわず。10か月後にようやく彼女の願いは聞き入れられたが、刑務所にいる間、ジェイクは必要とされる処方薬を与えられなかった。

 そして2018年、『ファントム・メナス』にエキストラとしても出演した2歳下の妹マディソンが、26歳の若さで寝ている間に自然死するという悲劇が起きる。いつも自分を気にかけてくれた最愛の妹を失ったことは、ジェイクを悲しみの淵に陥れた。2023年3月には、リサがフリーウェイを運転している時に、同乗していたジェイクが突然車のエンジンを止めるという危険な行動に出る。周囲のドライバーの通報を受けてやってきた警察の質問に対し、ジェイクは意味をなさないことを言い続けるだけだった。

 だが、今回は刑務所でなく精神のリハビリ施設に入れてもらうことができ、以後、ジェイクはそこで暮らしてきている。しかも、幸いなことに、ジェイクには目に見える変化が起きているらしい。「思っていたよりもずっと良い状態になっている。社交的になって、昔のジェイクが少し戻ってきたみたい。病気の症状が出始めるまで、彼はとても社交的な子だったので」とリサは喜びを語っている。

 この施設でジェイクが受けているのは、18か月のプログラムとのこと。残りの数か月も彼にとって意義のある日々になることを願いつつ、この「スター・ウォーズの日」、ジェイクのシリーズへの貢献に改めて感謝を送りたい。

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