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実写『シティーハンター』冴羽リョウのアップデートは最大の難関 プロデューサーが挑んだ海外版との差別化

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年4月27日 7時25分

 そうして生み出されたストーリーは、リョウとヒロインの槇村香が相棒となっていくまでの“はじまりの物語”。「リョウと香の関係は『シティーハンター』の魅力のひとつですが、地に足を着けて実写化するのであれば、その始まりを描くべきだと思いました。“エピソード0”的な物語にすれば、一般市民の一人である香が銃を手にすることなど、観客がリアリティを持って世界観を受け入れてもらいやすい。各国の実写版との差別化もできますし、これならできるのではないかという、手応えがありました」

 「私も亮平さんも漫画と実写は違うということはわかっていましたが、北条先生から『実写ならではの世界を築いてほしい』というお言葉で、より強い思いで作品に向き合えました。ただ、完全に違う作品にしてしまうと映像化の意味がない。原作のどの部分を残し、強化し、変えさせていただくのか。相当時間をかけて、丁寧に議論しましたし、北条先生からは、キャラクターの描写について『私が描くのであれば、こうするかもしれません』といった形で、自由度と共にアイデアもいただけた。すごくいい形でキャッチボールをさせてもらえたなと思っています」

最も困難だった…リョウのアップデート

 そんな高橋たちが最も気を使ったのが、リョウの“もっこり”な一面。無類の美女好きもリョウの魅力の一部だが、時代に合わせたアップデートは必須だった。「そのあたりのバランス取りは本当に難しかったです。北条先生からは、当時の時代背景あってのことなので、良いと思う形で変えてくださいと言っていただきましたが、先生の培ったキャラクター性を無視した変更をすれば、それは冴羽リョウではなくなってしまう」という高橋。

 「例えば、リョウが歌舞伎町のビルからサウナの美女たちを見ているシーンでは、あくまで仕事として請け負った任務の最中に、偶然見えてしまったという形にする。それでも不快に感じる方はいると思いますが、リョウの行動原理と今の時代でも許容される範囲とのバランスは細かく検証しました。どうすれば、令和の新宿にいる“シティーハンター”を魅力的に感じてもらえるのか。本当にちょっとした動作も含めて一つ一つ、リョウの行動心理から研究しています。正直なところ、このあたりのバランスを考えるのは、今までで一番難しかったです」

人気IP実写化の今後は?

 ファンも気になるであろう続編の可能性については「まずは本作を多くの方に楽しんでいただきたいです」と苦笑する高橋。Netflixでは、先述の「ONE PIECE」「幽☆遊☆白書」をはじめ、数々のビッグIP(知的財産)の実写化作品を成功させているが、その制作基準は、クリエイターとして実にシンプルな欲求に支えられている。「常に考えているのは、見たことのない表現や物語を作りたいということ。この作品で自分の情熱を全て使い切ってもいいと思えるかですね」

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