1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

宮崎駿監督の次回作は「昔懐かしい冒険活劇」風か 息子・吾朗監督が言及

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月24日 19時10分

 「ですからレイアウトの絵を見ると、そこに監督をはじめとしたいろいろな人の申し送りが追記されて、1枚の絵の中にいろいろな筆跡があることが分かります」とも解説した吾朗監督。「そしてそのレイアウトは多くの場合、最後に美術スタッフの手にわたります。すると描かれた絵を“美術の絵”にしなくてはいけない。そうするとアナログな手法になりますが、画用紙の上にカーボン紙を引いて、その上にレイアウト用紙を載せて。美術のスタッフが鉛筆でゴリゴリとなぞるんです。そうやってあたりをつけるわけです。ですからものによっては、かなりゴリゴリやられた、傷だらけのレイアウト用紙があります」と続け、「今回の展示で何を観てもらいたいかというと、絵を描くということは楽しいだけでなく、大変なことでもあるんだよ、という人の営為を観てもらいたい」と企画展示に対する思いを語った。

 吾朗監督によると、『君たちはどう生きるか』は1250カットほどあり、今回の展示は、その中から6分の1程度のレイアウトを選定して、展示される。選定理由について吾朗監督は、「独断と偏見で選びました」と笑う。「やはり絵として魅力のあるもの。それは背景美術の原画としての魅力があるものであったり、作画監督に修正される前だけど、原画マンの思いが載っているような。やはり絵っていいなと思わせるようなものを選んでいます」。

 また、吾朗監督が強調するのは「手描きである」ということ。「かなり売れっ子のアニメーターが少数精鋭でやっています。一般的なアニメーション制作に比べると圧倒的に数は少ない。そういう意味でいうと非常に珍しい」

 『君たちはどう生きるか』完成後、駿監督は本展覧会向けの「パノラマボックス」制作に取り組んでいるといい、今回の展示でも、第一部で展示された「黄金の門」に続き、「ワラワラ」と題したパノラマボックスが展示されている。今回、それを選んだ理由について「なんでなんですかね?『なんでこんなにいっぱいいるんだ』とブツブツ言いながらつくってましたけど。なんでと言われても、自分で描いたのに」と冗談めかして明かした吾朗監督。「そして次の展示(第三部)のためにもつくっています。ただ展示のためにつくっているというよりも、自分の暇つぶしのためにつくっているという方が正しいかなと思います」

 さらに次回作について質問を受けると、「それは言わないようにしています」と語った吾朗監督。「せっかく過去作にある場面、ない場面をでっちあげながらパノラマボックスなるものをつくっているんですけど、過去作ばかりではつまらないから、次回作もつくってよと言ったら、それをつくっているんですけど、本当にそれがそうなるのかは分からない。昔懐かしい冒険活劇とかを期待しているんですけど、その通りにはやってくれないんだろうなと思っています」と付け加えた。(取材・文:壬生智裕)

三鷹の森ジブリ美術館「君たちはどう生きるか」展第二部「レイアウト編」は5月25日~11月10日まで開催

美術館入場は日時指定の予約制(チケットはローチケWEBにて、毎月10日に翌月入場分を発売)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください