1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

旧態依然とした日本映画界に風穴を 日本発の映画製作ファンドがカンヌで会見【第77回カンヌ国際映画祭】

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月18日 22時47分

 “日本映画の新しい生態系をつくる”ことを目標にした株式会社 K2 Pictures(代表取締役:紀伊宗之)が現地時間18日、第77回カンヌ国際映画祭開催中のフランス・カンヌでプレゼンテーションを行った。紀伊のほか、共に作品製作をしていくクリエイターの代表として三池崇史監督と西川美和監督らも登壇した。

 旧態依然とした日本映画界に風穴を開け、世界の市場に向けて展開していくために立ち上げられた K2 Pictures。現在、ほとんどの日本映画は映画会社、テレビ局、出版社などによって構成される製作委員会方式で作られており、国内外の新たな投資家が参入しにくい現状があるほか、クリエイターたちへの利益還元も限られたものになっている。

 そこで K2 Pictures では、日本コンテンツに興味がありながら接点を持てなかった国内外の会社が参加しやすいように、弁護士と会計事務所のサポートのもと、海外からの投資も想定した法律・会計基準を持つファンド「K2P Film Fund I(読み:ケーツーピー フィルム ファンド ファースト)」を立ち上げ、クリエイターや制作に関わるスタッフに対する利益還元の仕組みを取り入れる。さらにハラスメントフリーできちんと休暇も取れるといった、労働環境の改善にも取り組む。

 三池監督は「映画監督をしていて、日本のスタッフは非常に優秀だなと感じています。今一番大事なのは、現場にいるわれわれが、もう一度子供の頃のような夢を見ること。観る人を幸せにしながら、作っている人たちも幸せになるべきじゃないか、という紀伊さんの考え方に全面的に賛同します。それで現在、いろんな企画を検討、動かしているところです」と明かす。

 西川監督はキャリアを重ねるにつれて日本の映画界の行き詰まりを強く感じるようになり、あえて大きな予算のかかる“絶対に既存の映画会社が出したくないような企画”を書いていたところ、K2 Pictures が「やりましょう」とそれに応えた。「不思議な会社だなと思って説明を聞きましたら、日本映画の仕組みを大きく変える非常に挑戦的なことを考えられていて頼もしく思いましたし、ぜひその船に乗ってみたいなと思いました。三池監督のようなキャリアのある監督だけでなく、新しい企画を考えている日本の若い監督にもチャレンジさせることを考えており、十分な予算とよい環境で撮らせるということを目指しているところにもとても共感しました。本当に新しい試みなので、日本映画界に激震が走るのではないかなとわたしも期待しています」と期待をかけた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください